大分の日本酒【鷹来屋(たかきや):浜嶋酒造】情熱と愛情で醸す手造りの旨い酒

大分の日本酒【鷹来屋(たかきや):浜嶋酒造】情熱と愛情で醸す手造りの旨い酒
出典 : 浜嶋酒造公式インスタグラム

「鷹来屋」は、大分県豊後大野(ぶんごおおの)市の蔵元、浜嶋酒造の日本酒銘柄です。蔵元は原料米の栽培から携わり、情熱と愛情を込めて完全手造りでこの酒を醸しています。キレと旨味のある飲み飽きしない食中酒「鷹来屋」。その魅力を紹介します。

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「鷹来屋」の歩み

「鷹来屋」の歩み

出典:浜嶋酒造サイト

「鷹来屋」の蔵元の始まりと銘柄「金鷹」の登場

「鷹来屋」は、大分県の南西部に位置する豊後大野市の蔵元、浜嶋酒造の日本酒ブランドです。

浜嶋酒造は、いまから130年以上も前となる明治22年(1889年)に、初代の浜嶋百太郎氏が創業した老舗蔵。創業当時、縁起がよいとされる鷹が浜嶋家によく飛来してきたことから、屋号を「鷹来屋」としたそうです。

大正3年(1914年)、熊本酵母の産みの親で「お酒の神様」とも呼ばれる野白金一(のじろきんいち)氏が、浜嶋酒造の酒に自分の名と浜嶋家の屋号から1文字ずつ取って「金鷹(きんたか)」と命名します。「金鷹」の評価は高く、九州連合品評会で1等に輝きました。

現在「金鷹」ブランドは、上撰とにごり酒で展開されています。

新たな日本酒銘柄「鷹来屋」の誕生

浜嶋家の屋号を冠した日本酒「鷹来屋」は、現5代目当主の浜嶋弘文氏が、平成9年(1997年)に新たに立ち上げた日本酒銘柄です。

弘文氏は、サラリーマンから転じ、平成2年(1990年)に浜嶋酒造を継承。昭和54年(1979年)以降、休止していた自社での日本酒製造を再開させるため、国税庁醸造試験場(現、国税庁醸造研究所)で酒造りの理論を学びました。

その後、いくつかの蔵元で蔵人を経験したのち、平成9年(1997年)1月、蔵元自らが杜氏を務める「蔵元杜氏」に就任。手本となる師がいないなか、自らの感覚を信じ、情熱と愛情を注いでタンク5本(1升瓶約4,000本)分の日本酒を初めて仕込みました。

弘文氏は、その酒の名に、浜嶋家の屋号である「鷹来屋」を冠したのです。

「鷹来屋」は米にこだわって造られる日本酒

「鷹来屋」は米にこだわって造られる日本酒

出典:浜嶋酒造公式インスタグラム

「鷹来屋」の蔵元は米作りにも携わる

日本酒「鷹来屋」は、「蔵のあるその土地の米と水で醸してこそ真の地酒」という蔵元の想いそのままに、おもに地元産の米を原料とし、くじゅう連山の主峰・久住山(くじゅうさん)系から流れ来る軟水で仕込んで造られている地酒です。

蔵元は「原料からこだわって酒を造る」という信念のもと、「農家宣言」を行い、平成18年(2006年)から米作りも開始。現在、「山田錦」「吟のさと」「若水(わかみず)」といった酒造好適米や、「大分三井(おおいたみい)」「ひとめぼれ」といった一般米を自家栽培し、「鷹来屋」ブランドの各商品の原料としています。

「鷹来屋」に使われる「大分三井」とは

「鷹来屋」ブランドの「鷹来屋 純米吟醸 大分三井」に使われているのは、大分で開発された米「大分三井」です。正式名称は「大分三井120号」といい、大正14年(1925年)に誕生しました。

かつて「大分三井」は大分県全域で盛んに作られていましたが、栽培が難しく、昭和40年代に入ると姿を消してしまいました。その後、「豊潤」で知られる大分の蔵元・小松酒造場が栽培を再開。平成22年(2010年)に、日本酒の原料米として再び使われるようになったというエピソードを持ちます。

「大分三井」は、「松山三井(まつやまみい)」の親系統の米にあたり、「松山三井」と同じく酒造好適米ではありませんが日本酒造りに向いていることから、現在はおもに酒米として使用されています。

「鷹来屋」は小蔵が醸す手造りの銘酒

「鷹来屋」は小蔵が醸す手造りの銘酒

出典:浜嶋酒造サイト

「鷹来屋」は完全手造りで醸される少量生産の日本酒

「鷹来屋」は、完全手造りで醸される日本酒ブランドです。

蒸米の工程では木の甑(こしき)が使われ、蒸し上がった米はすべて布に打ち上げて自然放冷されます。製麹(せいきく)の工程は「箱麹(はここうじ)法」、搾りは普通酒も含めて全量「槽(ふね)搾り」で行われるなど、昔ながらの手法で手間暇かけて醸造されています。

1年間で30万石(1升瓶約3,000万本)以上生産している大手酒造メーカーもあるなか、妥協せずにこだわりの酒造りを貫く「鷹来屋」の年間石高は500石(1升瓶約5万本)ほど。

蔵元は「どんなに時代が変わろうとも手造りでしか出せない味がある」ことを信じ、五感を研ぎ澄ませて極上の「鷹来屋」を醸しています。

「鷹来屋」のラインナップ紹介

「鷹来屋」は、キレと旨味を併せ持つ日本酒ブランドで、その多くは、料理の味を引き立て、何杯でも飲み続けられる食中酒をめざして造られています。蔵元が情熱と愛情を込めて醸しているラインナップのなかから、いくつかを紹介します。

【鷹来屋 特別純米酒】

福岡県産「山田錦」と大分県産「ヒノヒカリ」を使用した特別純米酒。料理との相性を考え、スマートな味わいのなかに旨味とキレを両立させた飲み飽きない味わいに仕上げられています。「鷹来屋」の顔ともいうべき商品です。

【鷹来屋 純米大吟醸(季節限定酒)】

兵庫県産「山田錦」を40%まで磨いて醸した「鷹来屋」の最高峰。味わいを重視し熊本酵母で仕込んだ旨口酒で、やわらかかつ上品で繊細な風味を満喫できます。毎年10月に発売される季節限定酒です。

【鷹来屋 純米吟醸 山田錦】

自家栽培の「山田錦」を精米歩合50%で使用した、米の旨味を存分に堪能できる純米吟醸酒。9号酵母を使っているため、品のよい香りと穏やかな味わいをたのしめます。

【鷹来屋 雄町純米吟醸 生酛(きもと)】

米と麹(こうじ)を手作業ですり潰し、乳酸菌を自然繁殖させる伝統の「生酛造り」で醸した1本。麹米に自家栽培の「山田錦」、掛米に岡山県産「雄町」を使用し、味わいに奥行きのある酒に仕上げられています。

【鷹来屋 純米吟醸 大分三井】

自家栽培の米で仕込んだ純米吟醸酒。麹米に精米歩合50%の「山田錦」、掛米に精米歩合55%の「大分三井」を使用しています。熊本酵母由来の香りを抑えたやさしい味わいが特徴の、きれいで穏やかな酒です。

「鷹来屋」ブランドの梅酒も人気

「鷹来屋」ブランドには、梅酒もラインナップされています。

日本酒ベースの「鷹来屋 梅酒」と粕取り焼酎ベースの「鷹来屋 粕取り焼酎梅酒」の2種類で、ともに大分県日田市大山町産の南高梅を使用。自慢の酒にじっくり漬け込んだ南高梅の、上品な香りをたのしめる評判の商品となっています。

日本酒「鷹来屋」とともに、たのしんでみてはいかがでしょう。

日本酒「鷹来屋」は、蔵元が昔ながらの製法でていねいに醸す大分の地酒です。食事に合うように造られているので、ぜひ、大分の郷土料理をはじめ、さまざまな料理と合わせてみてくださいね。


製造元:浜嶋酒造合資会社
公式サイトはこちら

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