長崎の日本酒【福田(ふくだ):福田酒造】兄弟が醸す平戸の風土に根ざした酒

長崎の日本酒【福田(ふくだ):福田酒造】兄弟が醸す平戸の風土に根ざした酒
出典 : kathayut kongmanee / Shutterstock.com

「福田」は、長崎県平戸市の老舗蔵元、福田酒造の日本酒銘柄です。「笑顔を作る酒造り」をモットーに、当主を務める14代目の福田詮(あきら)氏の長男、竜也氏と、次男、信治氏の兄弟が米作りからこだわって醸しています。今回は「福田」の魅力を紹介します。

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「福田」を造る蔵元は?

「福田」を造る蔵元は?

出典:福田酒造株式会社

「福田」を生む、豊かな平戸の風土

「福田」は、長崎県平戸市の蔵元、福田酒造の日本酒ブランドです。

福田酒造が蔵を構える平戸島(ひらどじま)は、北に玄界灘、西に東シナ海を望む、西海国立公園に指定されている自然豊かな島です。16世紀の中ごろからおよそ90年間は、ポルトガル船やオランダ船、イギリス船などが訪れる貿易港として栄えました。

美しい棚田や牧野が広がり、潜伏キリシタンの伝統と文化を受け継ぐ集落が点在する平戸島の風景は、平成22年(2010年)に「平戸島の文化的景観」として国の重要文化的景観に選定されています。

福田酒造は、この自然と文化に恵まれた、豊かな平戸の風土のなかで酒造りを行い、「福田」をはじめ数々の銘酒を生み出しています。

「福田」の蔵元は江戸初期から続く老舗蔵

福田酒造は、江戸時代の初期、元禄元年(1688年)に創業した老舗蔵です。代表銘柄「福鶴(ふくつる)」は、平戸藩の御用酒だったことでも知られています。

初代から14代目の現蔵元、福田詮氏までじつに300年以上、福田酒造は味ひと筋に伝統を守り、工夫を重ねた天然手造りの醸造酒を造り続けてきました。創業当時に建てられた「元禄蔵」は、今も貯蔵庫として活用されています。

近年は、「福田」をはじめ「福鶴」「長崎美人」といった日本酒のほか、長崎県産のジャガイモを使った「じゃがたらお春」や、南蛮伝来の秘法を受け継いで製造された長期熟成酒「かぴたん」などの焼酎類、本みりんなどを手掛けているほか、焼酎粕をベースにした有機肥料の開発も行っています。

「福田」はどんな日本酒?

「福田」はどんな日本酒?

出典:福田酒造株式会社

「福田」は平戸産の原材料で醸す日本酒

「福田」は、福田酒造の当主、福田詮氏の長男である竜也氏が、「たくさんの人に飲んでもらえる日本酒を造ろう」と立ち上げたブランドです。「笑顔を作る酒造り」をモットーに、弟の信治氏と米作りからこだわって醸造しています。

原材料はすべて地元の平戸産です。水は、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産、「平戸の聖地と集落」に含まれている平戸市の最高峰、安満岳(やすまんだけ)の湧水を使用。米は、契約農家と二人三脚で地元の休耕田を復活させ、福田兄弟自らが栽培した「山田錦」を使っています。

地元の原材料で醸す、平戸の風土に根ざした日本酒。それが「福田」なのです。

「福田」は料理に寄り添う日本酒

「福田」は、「料理の邪魔をせず、寄り添うような穏やかな味わい」をめざして造られている日本酒です。

仕込み水の安満岳の湧水は、ミネラル分の少ない軟水。この水を使うと発酵のスピードが緩やかになることから、まろやかな酒質になりやすいといわれています。また、原料米の「山田錦」は、酒造好適米の王様とも呼ばれる品種で、香りのよい、ふくよかな味わいを生むといいます。

そうした水と米を使って醸される「福田」は、やわらかな香りと「山田錦」のやさしい味わいが調和する日本酒です。あと味もすっきりしていることから、料理の味を引き立てる食中酒にも向いています。

「福田」を飲むときは、さまざまな料理とのマリアージュも、ぜひたのしんでみてくださいね。

「福田」は世界で認められた酒

「福田」は世界で認められた酒

出典:福田酒造株式会社

「福田」はフランスの品評会で高評価を得た日本酒

「福田」の「純米 山田錦」が、フランスで開催されている日本酒の品評会「Kura Master」の純米酒部門でプラチナ賞を受賞したのは、平成30年(2018年)のことです。

また、この年の「Kura Master」では、「福田 純米吟醸 山田錦」も純米大吟醸酒&純米吟醸部門で金賞を受賞。さらに同銘柄は、翌年の令和元年(2019年)、そして令和2年(2020年)と、3連連続で金賞に輝いています。

ちなみに、食と飲み物のペアリングを重視する「Kura Master」は、「フランスの地で行うフランス人のための日本酒のコンクール」として、平成29年(2017年)から開催されています。

つまり、穏やかな香味が特徴の「福田 純米 山田錦」「福田 純米吟醸 山田錦」は、「食中酒に適した酒」として、フランスでも認められた日本酒なのです。

「福田」のラインナップ紹介

「福田」のラインナップは、「純米」と「純米吟醸」を柱としています。日本酒の可能性を追求するチャレンジタンク(挑戦桶)の商品も含め、「福田」ブランドの商品を紹介します。

【福田 純米 山田錦】

「山田錦」を65%まで磨いて使用。穏やかな甘味と自然な旨味がふくらむ、すっきりとしたあと口の飲み飽きしない純米酒です。食事によく合う「Kura Master 2018」純米酒部門プラチナ賞受賞酒。

【福田 純米吟醸 山田錦】

軽やかな香りと米の旨味が調和する純米吟醸酒。「山田錦」を55%の精米歩合で使用した、きれいな酸味とキレのある酒で、食中酒として人気です。「Kura Master 2018/2019/2020」で3年連続金賞を受賞。

【福田 純米山田錦 辛口】

「山田錦」を精米歩合65%で使用。穏やかな香味とドライな口当たりが特徴の秋冬限定酒。冷酒から燗酒までたのしめます。表ラベルに描かれているのは、自然豊かな平戸の固有種「糸ラッキョウ」です。

【福田 純米吟醸 山田錦 活性うすにごり】

品のよいブドウを思わせる香りと、ほどよい発泡が心地よい「福田」の夏酒。「山田錦」を55%まで磨き上げて使用し、適度なふくらみと甘味のある味わいに仕上げられています。暑い季節にぴったりの、あと味さわやかな1本です。

【福田 Alc13 純米吟醸 山田錦】

「福田」のチャレンジタンクのひとつ。「山田錦」を精米歩合60%で使用したワイン酵母仕込みの純米吟醸原酒で、アルコール度数は13%台と低めです。穏やかな果実香と軽い口当たり、米の旨味を存分に味わえます。

「平戸の人と平戸の水と平戸の米で造る、平戸の酒」をめざし、真摯に酒造りに取り組む福田兄弟。蔵元の情熱が込められている「福田」ブランドの日本酒を、ぜひじっくりと味わってみてくださいね。


製造元:福田酒造株式会社
公式サイトはこちら

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