「ノンエイジ」と呼ばれるウイスキーが注目される理由とは? 【ウイスキー用語集】

「ノンエイジ」と呼ばれるウイスキーが注目される理由とは? 【ウイスキー用語集】
出典 : Rybalchenko Nadezhda/Shutterstock.com

「ノンエイジ」、あるいは「NAS(Non Age Statement)」と呼ばれるウイスキーが、近年、ウイスキー愛好家のあいだで注目を集めています。ここでは、「ノンエイジ」とはどんな意味か、「ノンエイジ」のウイスキーにはどんな魅力があるのか、などを紹介していきます。

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「ノンエイジ」とは年数表示のないウイスキー

「ノンエイジ」とは年数表示のないウイスキー

Matthew Thomas Nicholson/Shutterstock.com

「ノンエイジ」とは、熟成年数を表示していないウイスキー

「ノンエイジ」、あるいは「NAS(Non Age Statement)」と呼ばれるウイスキーが、ウイスキー業界のキーワードとして注目されています。
「ノンエイジ」とは、エイジング(熟成)期間を表示していないウイスキーのこと。よくウイスキーのラベルに「●●12年」「▲▲18年」など、年数を表示しているウイスキーがありますが、これらは熟成期間の長さを示しています。こうした年数表示のないものが、「ノンエイジ」と呼ばれます。

「ノンエイジ」を知るうえで理解しておきたい、ウイスキーのエイジング

「ノンエイジ」について詳しく説明する前に、まずはウイスキーのエイジングについておさらいしておきましょう。ウイスキーは蒸溜した原酒を木樽に詰め、じっくりと熟成させることで、初めて琥珀色をまとい、上品で深みのある香りと味わいに仕上がります。
高級ウイスキーに見られる「※年」との表記は、「※年以上熟成させた原酒だけを瓶詰めしたウイスキー」を意味しています。熟成期間の異なる原酒をブレンドした場合、もっとも若い年次を表記するのが決まりです。
これに対し、熟成期間を限定せずにブレンドし、瓶詰したウイスキーが、年数表示のない「ノンエイジ」というわけです。

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「ノンエイジ」=「熟成していない」は誤解

「ノンエイジ」という用語を「エイジングしていない」と解して、「樽熟成していないウイスキー」と誤解している人もいるかもしれません。
樽熟成を経ていない、蒸溜仕立ての原液は「ニューポット(ニューメイク)」と呼ばれ、無色透明で、香りも口当たりも荒々しく、そのままでは飲用には向きません(最近では商品化されるケースもあります)。
「ノンエイジ」は熟成期間を表示していないだけで、しっかりと樽熟成させた原酒を瓶詰めしています。「ニューポット」とは別物だということを理解しておきましょう。

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ノンエイジウイスキーに込められた造り手のこだわり

ノンエイジウイスキーに込められた造り手のこだわり

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ノンエイジウイスキーの背景には、近年の技術進化がある

ノンエイジウイスキーが造られるようになった背景には、近年のウイスキー造りの技術進化があります。
樽熟成はウイスキーの大きな特徴ですが、じつは樽熟成が一般的になったのは19世紀になってからのこと。近年、その研究が進むなか、熟成年数が短くても良質なウイスキーが造れるようになっています。こうした背景のもと、熟成期間の“長さ”ではなく、あくまで熟成後の“質”にこだわるノンエイジウイスキーに注目が集まっています。

ノンエイジウイスキーの魅力は、ブレンドの自由度の高さ

ウイスキーに年数表示をするためには、一定期間以上、熟成させた原酒のみを選ぶ必要があります。これは、理想のブレンドを追求するブレンダーにとっては、かえって“足枷”になりかねません。
熟成期間の若いものから、長期熟成のものまで、幅広い原酒と自由に組み合わせることができるのが、ノンエイジウイスキーの魅力といえるでしょう。

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ノンエイジウイスキーは長期熟成のウイスキーより劣る?

ノンエイジウイスキーは長期熟成のウイスキーより劣る?

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ノンエイジウイスキーが長期熟成ウイスキーよりリーズナブルな理由

ノンエイジングウイスキーは、「20年」「30年」といった長期熟成のウイスキーよりも、リーズナブルな価格で購入できるものが多いため、「長期熟成ものよりも質が劣る」と思っている人もいるかもしれません。
長期熟成のウイスキーは、それだけ手間もかかり、原酒も希少になることから、必然的に高額になり、高級品とのイメージがあります。ノンエイジがリーズナブルになるのは熟成期間を問わないからで、それが品質のよしあしと直結するものではありません。

ウイスキーのよしあしは熟成期間だけでは決まらない

そもそも、ウイスキーは“生き物”と呼ばれるように、同じ蒸溜所で造ったものでも、樽ごとに品質が異なります。30年熟成させた原酒と、5年熟成させた原酒を比較したところで、どちらがおいしいかは一概にはいえません。
長期熟成のウイスキーには長期熟成ならではの魅力があり、ノンエイジウイスキーにはノンエイジならではの魅力があります。両者の優劣を決めつけるのでなく、それぞれの魅力を味わってみてはいかがでしょう。

ノンエイジに対する注目の高さから、かつては年数表示つきの商品のみで発売されていた銘柄にも、近年、ノンエイジの商品が登場しています。結果として、従来よりもリーズナブルな価格で購入できるケースも多いので、機会があれば、ノンエイジの魅力を確かめてみては。

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