「ウイスキーブレンダー」は原酒の未来を創造する!

「ウイスキーブレンダー」は原酒の未来を創造する!
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ウイスキーブレンダーは、消費者においしいウイスキーを届けるためになくてはならない存在です。とは言え、ウイスキーブレンダーが具体的にどのような役割を果たしているかは、意外と知られていないもの。ここでは、ウイスキー造りを支えるプロフェッショナル、ウイスキーブレンダーの仕事ぶりを紹介します。

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「ウイスキーブレンダー」とは?

「ウイスキーブレンダー」とは?

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ウイスキーブレンダーは、ウイスキーの品質を支える人

ウイスキーブレンダーとは、その名のとおり、ウイスキーの「ブレンディング」を司る人。
ウイスキーは原料や製造者によって異なる個性があり、同じ蒸溜所で同時期に造られたものでも、熟成される樽ごとで質に差が出ます。このため、商品として瓶詰めされる際に、品質を整えるため、異なる蒸溜所や異なる樽で造られたウイスキー原酒を混ぜ合わせるのが一般的。この「ブレンディング」(モルト原酒同士など同種の原酒を混ぜ合わせる場合は「ヴァッティング」)と呼ばれる工程を担うプロフェッショナルが、ウイスキーブレンダーです。

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ウイスキーブレンダーは、本能と経験と直感を駆使する人

ウイスキーブレンダーには、ひと樽ごとに異なる原酒の個性や、それらを組み合わせた結果を、明確に、かつ緻密に把握することが求められます。
そのために必要な感覚を養うために、100〜150種類もの原酒の香りを確認する「ノージング」と呼ばれる作業を何日にもわたって続けているそうです。
ウイスキーの香り(アロマ)は数千種類を超えると言われます。ウイスキーブレンダーは本能と経験、そして直感を駆使して、それらを感覚的に把握するという途方もない作業を根気よく行っています。その地道な積み重ねによって、ブランドごとの味わいや品質を守り続けているのです。

「ウイスキーブレンダー」の2つの仕事

「ウイスキーブレンダー」の2つの仕事

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ウイスキーブレンダーは、ウイスキーの設計管理者

ウイスキーブレンダーの仕事は大きく2つあります。
ひとつ目は、ウイスキーの設計管理者としての役割です。どんなウイスキーを造るのか、その方向性を定めることから始まり、求める香りや味わいを構成するためのピースとなる原酒を、数え切れないほどの樽のなかから選び出します。
最適なレシピを導くまで、無限とも思える組み合わせを根気よく試し続けるという、気の遠くなるような仕事です。

ウイスキーブレンダーは、ウイスキーの品質管理者

ウイスキーブレンダーのもうひとつの仕事が、将来にわたってウイスキーの品質を支え続けること。
ひとつのブランドを維持するためには、将来の需要予測も加味しながら、毎年の出荷量や、そのために必要な原酒の種類や量を見定めながら、樽ごとの品質を見極めていく必要があります。
樽によって変わる熟成度の違いから、味や風味の違いなども予測しながら原酒の品質を維持するのも、ウイスキーブレンダーの重要な役割です。

「チーフブレンダー」と「マスターブレンダー」

「チーフブレンダー」と「マスターブレンダー」

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チーフブレンダーやマスターブレンダーは何が違う?

ウイスキーブレンダーのなかには「チーフブレンダー」や「マスターブレンダー」などと呼ばれる人もいます。
彼らは、ウイスキーブレンダーとして多くの経験と実績を積み重ねることで、ウイスキーブレンダーのなかでも抜きん出た存在として認められ、ブレンディング工程の責任者としての役割を担います。

チーフブレンダーやマスターブレンダーの定義とは?

チーフブレンダーやマスターブレンダーに明確な定義はなく、企業や蒸溜所ごとに独自に設定しています。
国内の例を挙げると、サントリーではウイスキーブレンダーの長を「チーフブレンダー」、最高責任者を「マスターブレンダー」と呼んでいます。
一方、スコッチウイスキーのブランド「シーバスリーガル」では、マスターブレンダーを役職ではなく、「さまざまな原酒を組み合わせて完璧なバランスのウイスキーを造るプロフェッショナル」と定義しています。
このほかにも、創業者やその家系を指す場合や、功労者に対して名誉職的に呼称を与える場合などもあるようです。

ウイスキーブレンダーは、ウイスキー造りに欠くことのできない重要な存在です。過去から未来へとウイスキーの品質を守りながら、新しいウイスキーを創造するウイスキーブレンダー。さて、次はどんなウイスキーを世に送り出してくれるのでしょうか。

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