和歌山の日本酒【紀土(きっど):平和酒造】和歌山から世界へと飛翔する酒

和歌山の日本酒【紀土(きっど):平和酒造】和歌山から世界へと飛翔する酒
出典 : 平和酒造サイト

「紀土」は、その名のとおり、紀州・和歌山の風土に育まれた日本酒です。酒を愛してやまない創業者が開いた平和酒造の名は、4代目となる若き当主が生み出した「紀土」によって、世界へと広がりました。酒造りへの情熱と、郷土への想いが醸し出す「紀土」の魅力を紹介します。

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「紀土」の蔵元、平和酒造の蔵名に込められた願い

「紀土」の蔵元、平和酒造の蔵名に込められた願い

出典:平和酒造フェイスブック

「紀土」の蔵元、平和酒造は日本酒への愛情から創業

「紀土」を醸す平和酒造は、和歌山県北部の海南市溝ノ口において昭和3年(1928年)に創業しました。
創業者の山本保氏は、江戸時代から続く蔵元に生まれましたが、伝統ある無量山超願寺へ婿入りします。しかし、幼い頃から慣れ親しんだ酒造りへの情熱を止められず、酒造業の道を歩むことになりました。
そうした歴史を踏まえて、今でも地元では「超願寺」の屋号で呼ばれているのだとか。

平和酒造という名は、戦災を乗り越えた平和への想いから

こうして始まった酒造りの歴史は、歴史の荒波を受けて中断を余儀なくされます。第二次世界大戦の影響で国から休業を強いられると、終戦後もなかなか再開が許されませんでした。
二代目を継いだ山本保正氏は、和歌山から国会まで陳情に出向き、戦争のため休業に追い込まれた悔しさや、平和な時代に酒造りをしたいとの願いを語り、多くの拍手を浴びたと言います。
ようやく酒造りを再開する許可を得たとき、この時の想いを忘れないよう、蔵に「平和」と冠したのです。

「紀土」の生みの親、平和酒造四代目当主のベンチャー精神

「紀土」の生みの親、四代目当主のベンチャー精神

frank_peters/ Shutterstock.com

「紀土」を生んだ平和酒造四代目当主の異色の経歴

「紀土」は平和酒造の看板銘柄として、国内はもとより世界的な評価を得ていますが、その歴史は意外なほど浅く、2007年の誕生です。その経緯を知るには、生みの親である4代目当主・山本典正氏の経歴を語る必要があります。
東京のベンチャー企業で活躍していた典正氏が、家業を継ぐべく和歌山に戻ったのは2004年のこと。当時は日本酒業界の停滞を背景に、生産のほとんどが安価な紙パック酒か、大手メーカーの委託生産でした。そんな状況に危機感を覚えた典正氏は、あえて高品質路線へと舵を切り、3年にわたる試行錯誤を重ねて「紀土」をリリースさせました。
「紀土」の洗練された味わいは、多くの世代からの支持を集め、国際的な日本酒コンペティションでも高評価を獲得。典正氏は“日本酒業界のイノベーター”としてメディアにも取り上げられ、「紀土」は全国区の人気銘柄へと成長しました。

「紀土」だけでない、平和酒造のイノベーション

「紀土」、そして造り手の平和酒造は、近年の日本酒業界における注目株のひとつ。その理由は、日本酒業界の常識をくつがえす、さまざまなイノベーションにあります。
従来の酒蔵では、酒造りを行う冬から秋にかけて、経験者を季節雇用するのが一般的でしたが、平和酒造では通年雇用、それも新卒採用を実施。若い世代の感性を取り入れることで、新時代の酒造りをめざしています。
こうした通年雇用が可能なのは、閉散期となる夏季に梅酒などリキュール造りを始めたため。さらに最近では、クラフトビール造にも挑戦する など、多様化を進めています。
加えて、SNSを駆使した情報発信や、菓子メーカーとのコラボ商品の開発、若者向けの日本酒イベントの開催など、多様なイノベーションを展開することで、「紀土」のみならず日本酒文化の浸透を図っています。

「紀土」はその名のとおり、紀州の風土への想いが詰まった酒

「紀土」はその名のとおり、紀州の風土への想いが詰まった酒

出典:平和酒造フェイスブック

「紀土」に込められた2つの意味とは?

「紀土」という、少し風変わりな銘柄には、2つの意味が込められています。
ひとつは、口に含んだ時に「紀州の風土を感じて欲しい」という蔵元の願い。もうひとつが、「子ども(KID)のような天真爛漫さを感じさせる日本酒」を意味しています。
「紀土」の魅力は、温暖で住みやすい和歌山の土地柄をイメージさせる、やさしく、やわらかな口当たり。日本酒に慣れていない人でも飲みやすい「紀土」は、その軽やかな酒名にふさわしい、誰からも愛される日本酒です。

「紀土」を育んだ紀州・溝ノ口の風土

「紀土」を育む紀州・溝ノ口は、四方を山に囲まれた盆地で、昼夜の寒暖差が激しく、高野山からの伏流水も豊富であるなど、稲作に適した土地柄です。縄文時代後期の溝ノ口遺跡は、この地で古代から稲作が行われてきたことを物語っていて、米を原料とした酒造業も盛んでした。
「紀土」は、こうした郷土の風土を大切にしながら醸される酒。地元・和歌山の人々が全国、さらには世界に誇れる“和歌山の酒”として、今後も長く飲み継がれることでしょう。

「紀土」は平均年齢31歳 という若手蔵人たちの手で醸される、紀州の地酒。紀州の穏やかな風土と、蔵人たちの情熱がハーモニーを奏でる「紀土」を、試してみてはいかかでしょうか。

製造元:平和酒造株式会社
公式サイトはこちら

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