東京都・恵比寿『鳥幸 WINE PAIRING』/焼鳥とワインのペアリングを学ぶ

東京都・恵比寿『鳥幸 WINE PAIRING』/焼鳥とワインのペアリングを学ぶ

日本人にとって大変身近な料理のひとつである“焼鳥”。居酒屋や煙もくもくの専門店で、ビールや日本酒、焼酎などと楽しむイメージが強いですが、今回紹介するのはワイン。ひと串ごとにワインを合わせるペアリングコースで評判の『鳥幸WINE PAIRING(とりこう ワインペアリング)』に、その極意を伺いました。

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ペアリングコースの監修者・大越基裕(おおこし・もとひろ)ソムリエ。

焼鳥にどのようにワインを合わせているのかを教えてもらうため登場いただいたのが、ソムリエの大越基裕さん。バーテンダーからサービス業の世界に入り、ワインに魅せられてフランスに渡りました。2001年日本のフランス料理店の老舗『銀座レカン』に入社し、シェフソムリエを務めた後に独立、現在は、ワインテースターとして日仏を往復しながらワインの本質を多くの人に伝える活動をされています。

『鳥幸 WINE PAIRING』ではワインの監修をされていて、ペアリングコースのワインも大越さんがセレクト。どうしてその串にそのワインを選んだのか? 7本コース(7000円)に沿って、解説をいただくことに。

「焼鳥のひと串ひと串は小さいのですが、部位や味付けの違いなどで、それぞれがフレンチのひと皿に匹敵するほど個性豊かな味わいを持っています」。そう、フレンチのペアリングと焼鳥のペアリングの意図することはまったく同じ。ただ串の本数は多くなるので「グラスあたりのワインの量は、40ccにしています」。料理の味わいの多彩さに合わせやすいように、ワインも生産地を限定せず世界中のワインから選んでいるそうです。

※ペアリングコースは5本コース(5000円)から設定があります。

ねぎま×ソーヴィニヨン・ブラン(チリ)

ねぎま/肉とネギを交互にはさんだもの(塩で提供)。

「淡泊な肉と香ばしいネギの組み合わせ。フレンチのアミューズにあたり、スタートにぴったりな軽めの一品です」。7本コースのなかで、唯一野菜(ネギ)が使われている串で、「ネギの青い香りに、ソーヴィニヨン・ブラン特有の清涼感のあるハーブのような香りを合わせました」。チリの銘醸地サン・アントニオ・ヴァレーで造られたワインは、フルーティで飲みごたえもあり、塩味のしっかりついた肉にも負けないという印象です。

マテティック ソーヴィニヨン・ブラン(チリ)。

せせり×リースリング(フランス)

せせり/背中側の首周りの部分。弾力があってジューシー(塩で提供)。

鶏の仕草ですぐ思いつくのが、首を振りながら歩き回る姿。「首肉であるせせりは、筋肉質で弾力に富み、歯応えがしっかりあります。このタイプにはレモンを搾るなど、ちょっと酸味を与えることで、味わいがさらに引き立ちますね」。そこで選ばれたのが、フレッシュな酸味を持つリースリング。「フランス・アルザス地方のリースリングは、酸がきれいなのはもちろん、しっかり熟しているので、先のねぎまと同じく肉の味の強さにも寄り添えるんです」。

マルク クライデンヴァイス アンドロー リースリング(フランス)。

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