「旭日(きょくじつ)」伝統の蔵元が能登杜氏の技術で醸す酒【滋賀の日本酒】
「旭日」の蔵元、藤居本家は、古代から続く宮中行事である「新嘗祭(にいなめさい)」の御神酒を献上している格式ある老舗。滋賀県産の良質な水と米を使い、能登杜氏の技術をつくして、全国の地酒ファンから愛される酒を醸し続けています。ここでは、藤居本家の酒造りと「旭日」の魅力を紹介します。
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「旭日」の造り手は、宮中行事を担う伝統ある蔵元
出典:藤居本家サイト
「旭日」の蔵元・藤居本家は、新嘗祭の御神酒を宮中に献上
「旭日」は、琵琶湖の東に広がる田園地帯に蔵を構える蔵元、藤居本家の代表銘柄です。
藤居本家は江戸時代後期の天保2年(1831年)創業の老舗。五穀豊穣を祈る重要な祭祀「新嘗祭(にいなめさい)」の御神酒を宮中へ献上している蔵元で、全国の主要な神社にも御神酒を届けています。
伝統的な行事の酒造りを任されるだけあって、蔵の建物は風格があり、国の登録有形文化財に指定されています。
藤居本家の7代目当主は「旭日小綬章」を受章
藤居本家の現当主は、7代目の藤居鐵也氏。「旭日」をはじめとした酒造りはもちろん、海外に向けて滋賀県の地酒の魅力を発信したり、地域の観光振興に尽力したりと、幅広い活躍が知られています。
2008年からは滋賀県酒造組合の会長を務め、2018年春の叙勲では、滋賀県の地酒振興への大きな貢献により「旭日小綬章」が贈られました。
「旭日」は地元の良質な米と水で醸すコクのある酒
出典:藤居本家サイト
「旭日」は滋賀県の良質な湧き水と米から造られる
藤居本家が蔵を構える滋賀県は、酒造りに適した良質な湧き水に恵まれた土地。水質は鉄分が少ない軟水で、まろやかな口当たりの日本酒を造ることができます。
さらに、琵琶湖の周辺には良質な酒造好適米が作られる田園地帯が広がっています。藤居本家では代々、地元産の米にこだわりがあり、「旭日」には県内の契約農家が低農薬、低肥料で栽培した「玉栄(たまさかえ)」「吟吹雪(ぎんふぶき)」などが使われています。
“幻の酒造好適米”「渡船」を使った酒造り
「旭日」には、“幻の酒造好適米”と呼ばれる「渡船(わたりふね)」を使用した商品もラインナップされています。
滋賀県を発祥とする「渡船」で造った酒は、コクのある力強い味わいが魅力。藤居本家でも明治時代から使用していましたが、栽培の難しさから生産が途絶えていました。
しかし近年、ある農家が県の機関に残っていた籾種(もみだね)をもとに栽培を復活させたことで、再び日本酒造りに使用できるようになりました。
「旭日」は定番から限定商品まで多彩なラインナップを展開
米の旨味が引き出されたコクのある味わいの「旭日」は、充実したラインナップが魅力。通年で提供される定番商品に加え、四季折々に特別な味わいがたのしめる限定商品も出荷されています。
たとえば「旭日『生もと造り』 純米生原酒」は、杜氏自ら耕作した「山田錦」を100%使用した、こだわりの1本。藤居本家特有の蔵酵母のみを使用した生酛(きもと)造りの純米酒で、心地よい酸味と奥深い旨味があります。
「旭日」の酒造りの歴史を体感できる酒蔵見学
出典:藤居本家サイト
「旭日」を造る蔵が見られる「酒蔵見学」が人気
藤居本家では、酒造りや日本酒への理解を深めることを目的とした「酒蔵見学」を実施していて、予約をすれば無料で参加できます。国の登録有形文化財指定の「東蔵」を見学できるのはもちろん、さまざまな味わいのお酒が試せる試飲コーナーもあり、自分好みのお酒を見つけることができます。
欅造りの建物は、店舗やイベント会場として活用
藤居本家を訪れて最初に目にする重厚な欅(けやき)造りの建物は、6代目当主の藤居静子氏が設計を手掛けたもの。1階は店舗、2階は広々とした大広間で、音楽会などの文化、芸術の発表の場として活用されています。
「旭日」を造る蔵はNHK連続テレビ小説の舞台にも
「旭日」をはじめとした酒造りは別棟の蔵で行われていて、毎年11月から翌年3月はじめまで仕込みが行われます。見学の際には、鈴鹿山系の伏流水であるという仕込み水も飲むことができます。
大正時代に造られた蔵は、1997年に放送されたNHK連続テレビ小説「甘辛しゃん」の撮影に使用されたこともあるのだとか。
滋賀県産の良質な水と米にこだわって造られた「旭日」は、多彩なラインナップで季節を通してさまざまな味わいをたのしむことができます。その魅力をより深く知りたいという人には、「酒蔵見学」への参加をおすすめします。
製造元:藤居本家
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