焼酎とすだちの黄金コンビが織りなす至極のハーモニー

焼酎とすだちの黄金コンビが織りなす至極のハーモニー
出典 : Hanasaki / Shutterstock.com

焼酎にすだちを加えると、さわやかな味わいがたのしめます。レモンやライムとも一味違った香味は、甲類焼酎だけでなく乙類焼酎(本格焼酎)とも相性抜群です。今回は、すだちという香酸柑橘類の魅力や、焼酎のすだち割りのおいしい飲み方などを紹介します。

  • 更新日:

焼酎をおいしく彩るすだちの魅力

焼酎ファンに人気のすだちはビタミンやミネラルが豊富な高級調味料

HikoPhotography/ Shutterstock.com

すだちは焼酎ファンに人気の柑橘系果実。その魅力を探ります。

すだちは徳島原産の高級調味料

すだちは徳島県で生まれた香酸柑橘類。緑色の果皮とすがすがしい香り、おだやかな酸味が特徴で、そうめんや冷奴などに添える高級調味料としても人気です。

香酸柑橘類とは、実を食べるのではなく、果汁の酸味や果皮の香りをたのしむ柑橘類のこと。すだちのほかに、ゆずやかぼす、シークワーサー、レモン、ライムなども有名で、料理のアクセントとして、また飲料の風味づけに重宝されています。

すだちが食用として栽培されるようになったのは、今から200~300年前のことで、そのさわやかな香りと独特な酸味は、料理の味を引き締める名脇役として親しまれてきました。

古くは食酢として用いられたことから「酢橘(すたちばな)」と名づけられ、のちに「すだち」と呼ばれるようになったそう。

国内産すだちの9割以上は、今も徳島県産。「緑の宝玉」の異名を持つ徳島のすだちは周年で流通しているので、季節を問わずたのしめます。

すだちはビタミン&ミネラルも豊富!

すだちの魅力は、香りや酸味だけにとどまりません。すだちにはビタミンやミネラルが豊富に含まれていて、なかでもカルシウムとカリウムの含有量はレモンの2倍以上。

果皮に関しては、ビタミンA、ビタミンEの宝庫。ビタミンCもレモンに負けないくらい豊富に含んでいます。

また、疲労回復や新陳代謝の促進、美肌作用などの効果が期待できるクエン酸の含有量も、レモンの1.5倍と豊富。さらには果皮に含まれるすだち固有の香気成分が薬理学などの分野で研究対象になるなど、健康、美容の両面で注目が高まっています。

参考資料:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

焼酎とすだちが織りなす至極のハーモニー

焼酎とすだちは相性抜群の黄金コンビ

Contrail/ Shutterstock.com

すだちは搾った果汁を料理に加えたり、皮を刻んで薬味にしたりと、さまざまな用途に使われますが、飲料の風味づけにも役立ちます。なかでも焼酎との相性には定評があります。

焼酎とすだちは相性抜群の黄金コンビ

すだちは、果肉(果汁)も皮も使える万能調味料。搾ってもすりおろしても、料理をおいしく引き立てるすだちですが、果汁を飲料にミックスすることで、抜群の爽快感を味わうことができます。

もちろん、焼酎との相性も完璧。二つ切りにして焼酎に搾り入れるだけで、酸味がきわ立つさっぱりとした味わいに変化します。

また、すだちの香りの成分は種類・量ともに豊富。なかでもすだち固有のフラボノイドとして各方面の注目を集めているスダチチンとデメトキシスダチチンが、ほかの柑橘類にはない深い香りをもたらします。

参考資料:日本香料工業会|ユズ、スダチ、カボス

焼酎のすだち割りはさわやかな香りと酸味が魅力

Hanasaki/ Shutterstock.com

焼酎のすだち割りの魅力

焼酎にすだちを加えた飲み方を「焼酎のすだち割り」といいます。居酒屋などでは、「すだちサワー」「すだち酎ハイ(チューハイ)」「すだちハイボール」などと表記する場合もあります。

焼酎のすだち割りの魅力は、すだち由来のさわやかな香りと酸味、そして柑橘類で割ったお酒ならではの飲みやすさ。宅飲み派にとっては、水割りやお湯割り、炭酸割りなどの定番の割り方にすだちを搾り入れるだけという手軽さも魅力に加わります。

アルコール度数や酸味の調整も自在なので、焼酎通はもちろん、焼酎を飲み慣れていない人にもおすすめの飲み方といえるでしょう。

ライムやシークワーサー、ゆずなどの季節ものに対して、すだちは1年中入手が可能。また、半分にカットして断面にラップを密着させ、ファスナーつきの袋に入れて冷凍すれば保存もきくので、飲みたいときに手軽にたのしむことができます。

すだちと相性のよい焼酎の種類は?

すだちはどんな焼酎とも抜群の相性を発揮します。
焼酎は製造法によって甲類焼酎と乙類焼酎(本格焼酎)に大別されますが、すだちはどちらとも好相性。

クセのない甲類焼酎に加えれば、すだちのさわやかな酸味や爽快感を存分に味わえます。芋焼酎や麦焼酎など原料の味わいを活かした乙類焼酎に加えれば、すだちの香りが原料の旨味と調和して、互いを引き立て合います。

焼酎&すだち、おすすめの飲み方

焼酎&すだちのおいしい飲み方

Hanasaki/ Shutterstock.com

焼酎のすだち割りのおいしい飲み方を紹介します。

焼酎のすだち割りは、飲み方ごとに異なる魅力がたのしめる

焼酎にはロックや水割り、お湯割り、炭酸割りなどさまざまな飲み方がありますが、どんな飲み方でもたのしめるのが、すだち割りの奥深さ。たとえば、焼酎のロックにすだちを加えれば、すだちの独特な酸味を心ゆくまで味わえます。

また、焼酎のソーダ割りにすだちを加えれば、すだちの酸味に炭酸のさわやかさが加わり、極上の爽快感を味わえます。

焼酎をベースにしたカクテルやハチミツ割りにプラスしてもおいしくいただけるので、いろいろ試してみてください。

すだち独特の香りをたのしむならお湯割りがオススメ

焼酎のすだち割りは、どんな飲み方でもおいしくいただけますが、香りをたのしむならお湯割りがオススメです。

お湯割りにすることで焼酎の香りも立ってくるので、香りのバランスを考えながらすだちの量を調整してください。すだちを軽く搾って浮かべるだけでも、ほのかな香りをたのしむことができます。

焼酎のすだち割りにぴったりのおつまみは?

焼酎のすだち割りは和洋中どんな料理とも合いますが、すだちは和の果物だけあって、和食との相性には定評があります。おすすめはサンマの塩焼きやきびなごの唐揚げ。豆腐料理や酢の物など、薄い味つけのおつまみとも引き立て合います。

焼酎のすだち割り&すだちサワーをもっと手軽に!

焼酎のすだち割り&すだちサワーをもっと手軽に!

kai keisuke/ Shutterstock.com

焼酎のすだち割りは自宅でも手軽に飲めるのが魅力ですが、飲んだらキッチンに立ちたくないという人には、「すだち焼酎」や「すだちシロップ」という選択肢もあります。

「すだち焼酎(すだち酒)」なら割り材を加えるだけ

水や炭酸などの割り材を加えるだけで、すだちサワーがたのしめる、「すだち焼酎」も人気です。
「すだち焼酎」とは、焼酎にすだち果汁を加えたり、すだちを漬け込んだりして作るお酒のこと。酒税法ではリキュールに分類され、「すだち酒」と呼ばれることもあります。

酒税法上のルールを守れば梅酒のように自宅で漬けることも可能ですが、ここでは市販の「すだち焼酎」を紹介します。

日新酒類「阿波の香りすだち酎」

日新酒類「阿波の香りすだち酎」

出典:日新酒類株式会社ホームページ

水や炭酸、氷を加えるだけで手軽にすだち酎ハイをたのしめる、焼酎タイプのリキュール。徳島県の老舗酒類メーカー、日新酒類が手掛ける農林水産大臣賞受賞のロングセラー商品です。

すだちのさわやかな香りとまろやかで甘味のある口当たりが特徴で、アルコール度数も20度と低めなので、焼酎を飲み慣れていない人にもおすすめです。

アルコール度数25度の「すだち酎辛口」、徳島県産「すだち果汁」から香気成分を抽出したスピリッツを使用して香料・酸味料を無添加で造った「すだち酎エクセル」も人気。

製造元:日新酒類株式会社
公式サイトはこちら

中埜酒造「國盛 今夜のすだちサワーの素」

中埜酒造「國盛 今夜のすだちサワーの素」

出典:中埜酒造株式会社ホームページ

日本酒「國盛(くにざかり)」や「半田郷(はんだごう)」で知られる愛知県の老舗蔵元、中埜酒造が造るすだちリキュール。

徳島県産の生すだち果汁を使用。炭酸水で割るだけで、スッキリとした味わいの本格すだちサワーが完成します。アルコール度数は20度。500ml入りの紙パックが583円(税込/公式オンラインショップ価格)とコスパも満点です。

製造元:中埜酒造株式会社
公式サイトはこちら

料理にも使える自家製「すだちシロップ」を作り置き

甘い味わいをたのしみたい人には、自家製「すだちシロップ」の作り置きもおすすめ。すだちサワー作りにはもちろん、料理やジュースの万能調味料としても活躍します。多彩なレシピがあるので、お気に入りを探してみてください。

焼酎とすだちは相性抜群の組み合わせ。まだ飲んだことがない人は、ぜひ一度試してみてください。すだちフレーバーの缶チューハイが期間限定または数量限定でお店に並ぶこともあるので、こちらもお試しあれ。

おすすめ情報

関連情報

焼酎の基礎知識

日本ビール検定(びあけん)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事