日本酒の選び方、迷った時の3つのポイント、プラス番外編

日本酒の選び方、迷った時の3つのポイント、プラス番外編
出典 : Nutink / Shutterstock.com

「日本酒の選び方がよくわからない」とお悩みの声を耳にします。お店やお酒売り場には、多種多様な銘柄の日本酒が並んでいて、選ぶのに苦心するのもうなずけます。オーソドックスな選び方から、たのしく選ぶコツまで、4つのポイントから日本酒選びのヒントを紹介します。

  • 更新日:

日本酒の選び方(1) 香りと味わいを基準に選ぶ

日本酒の選び方(1) 香りと味わいを基準に選ぶ

taa22 / Shutterstock.com

香りと味わいで分類する日本酒の選び方

日本酒の選に方のポイントのひとつ目は、香りと味わいです。
たとえば、日本酒サービス研究会・酒匠研究連合会では、香りの高低と味わいの濃淡を組み合わせて、日本酒を以下の4つに分類しています。
(1)香りが少なく、淡い味わいの日本酒…爽酒(そうしゅ)
(2)香りが少なく、味わいが濃厚な日本酒…薫酒(くんしゅ)
(3)香りが高く、味わいが淡い日本酒…熟酒(じゅくしゅ)
(4)香りが高く、味わいが濃厚な日本酒…醇酒(じゅんしゅ)

日本酒サービス研究会・酒匠研究連合会「日本酒のタイプ別分類」

香りで決める日本酒の選び方

日本酒にとって「香り」は大きな魅力のひとつですが、繊細な料理と合わせる場合は、香りが控えめなタイプがオススメ。
食前酒としてたのしんだり、日本酒そのものをたのしむ場合は、香り高い日本酒を、料理と一緒にたのしむ場合には、料理の傾向に合わせて香りを選ぶなど、シチュエーションに応じて香りの程度を選んではいかがでしょうか。

日本酒の選び方を決める、味わいの濃淡とは?

日本酒の味わいの「濃淡」とは、具体的にどのようなものでしょう?
「味が淡い日本酒」とは、吟醸酒や特別本醸造酒のような、口当たりがやさしく、軽やかな味わいの日本酒です。
一方、「味が濃厚な日本酒」とは、純米酒や熟成酒、生もとなど、米の旨味がしっかり感じられる日本酒です。

日本酒の選び方(2)日本酒の造りで選ぶ

日本酒の選び方(2)日本酒の造りで選ぶ

HikoPhotography / Shutterstock.com

ラベルに記された日本酒の造り方を参考にした選び方

多くの日本酒のラベルには、その銘柄がどのように造られたが明記されているので、選ぶうえでの指標になります。
なかでも注目すべきは「精米歩合」。米の磨き度合のことで、数字が低いほど、米の外側をより多く取り除いています。たくさん磨いた酒は雑味が少なく、きれいな日本酒に仕上がり、磨きを控えめにすると、米の味や香りをしっかりと味わえます。

日本酒の精米歩合を知ってもっと賢く選ぼう

日本酒の原料となる米の種類での選び方

日本酒の原料米には、それぞれ特徴があります。たとえば“酒造好適米の王様”と呼ばれる「山田錦」は、バランスのよい味わいで万人受け。人気を二分する「雄町」は、味に厚みがあって酸が効いた芯のある味わいです。
このほかにも「五百万石」「美山錦」などさまざまな酒造好適米があり、「酒未来」(山形)、「夢ささら」(栃木)など近年、新たに誕生したものにも注目です。

日本酒の味わいを左右する酵母菌の種類での選び方

酵母菌も日本酒の味わい、香りを左右します。蔵元の多くが使用する「きょうかい酵母」を例に取ると、「7号」は香り華やかな日本酒、人気再燃の「6号」は香りがやや低く、淡麗で酸味がある日本酒に仕上がります。
最近では、花酵母やりんご酵母、ワイン酵母など、新しい酵母を使った日本酒が登場するほか、自社独自の酵母で酒造りを行う蔵元も増えています。

日本酒の造りによる選び方はほかにもさまざま

日本酒の製造法による選び方としては、ほかにも「生酒」か「火入れ」か、といった観点もあります。加熱せずに瓶詰めする「生酒」は、フレッシュな味わいがたのしめますが、開栓後は味がどんどん変化していくので、すぐ飲み切るか、温度管理に気を使いましょう。

「生酒」の魅力は、火入れをしないことによるフレッシュな味わい

日本酒の選び方(3) 産地・造り手で選ぶ

日本酒の選び方(3) 産地・造り手で選ぶ

Sakarin Sawasdinaka / Shutterstock.com

地域の特徴からの日本酒の選び方

日本酒の味わいは、その産地の風土や気候、歴史や文化などの影響を受けています。おおまかな傾向としては、東日本では淡麗な味わいが多く、西日本では濃厚な味わいが多くみられます。
もちろん例外もあり、淡麗系の東北にあって南部杜氏の技を引き継ぐ岩手県は「濃厚甘口」が主流。また、石川県や愛知県では甘味が贅沢とされたことから、甘口の日本酒が主流です。

日本酒の選び方をたのしくする若手杜氏の登場

日本酒の味わいは、蔵人、なかでも造りの総責任者である杜氏(とうじ)によって大きく変化するため、著名な杜氏の醸した酒には人気が集中します。
杜氏といえば年配の職人を思い浮かべるかもしません。最近では、「荷札酒(にふだざけ)」(新潟県・加茂錦酒造)、「愛宕の松(あたごのまつ)」(宮城県・新澤醸造店)など、若い世代の杜氏の活躍も目立っています。

日本酒の選び方 番外編

日本酒の選び方 番外編

Kazu Inoue/ Shutterstock.com

直感重視の日本酒の選び方

日本酒の選び方は、難しく考えなくとも「ラベルデザインがオシャレ!」「銘柄名が縁起がよい」など、直感で選ぶのもたのしいもの。
蔵元のなかには、情報にとらわれ頭で考えすぎる飲み手が増えたことへのアンチテーゼとして、スペック非公開の日本酒を造るといった動きも出てきています。直感で選ぶのも、立派な日本酒の選び方なのです。

思わず“ジャケ買い”したくなる、個性あふれる人気の日本酒 ~ネーミング編~

日本酒の選び方に正解はありません。自分に合った選び方を見つけて、日本酒を気軽にたのしみましょう!

おすすめ情報

関連情報

日本酒の基礎知識

日本ビール検定(びあけん)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事