焼酎サワーを徹底解説! 自宅で居酒屋の味を再現してみよう
「焼酎サワー」は、焼酎を炭酸水で割って、柑橘類などの果汁を加えた飲み物。焼酎の定番メニューのひとつですが、「チューハイ」とはどう違うのでしょう? 焼酎サワーとチューハイの違いや、家で作れる焼酎サワーのレシピなどを紹介します。
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焼酎サワーとチューハイの違いは?
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焼酎サワーとチューハイは同じ飲み物
焼酎サワーとチューハイ、この両者には「大きな違いはない」と言って差し支えありません。いずれも、一般的には「焼酎の炭酸割りに果汁を加えた飲み物」を指します。
焼酎サワーとチューハイ、それぞれの語源
焼酎サワーの「サワー」は、英語で「酸っぱい」を意味する「sour(サワー)」が語源。一方、チューハイは、焼酎の「酎(チュー)」とハイボールの「ハイ」を足したものとされています。
チューハイは、ウィスキーと炭酸水のカクテルである「ハイボール」から名づけられているため、炭酸水で割るのが基本。これに対し、焼酎サワーは、スピリッツに酸味のある果汁を加えた「サワー」というカクテルが由来のため、炭酸水が使われないこともあります。
焼酎サワーという呼び名は関東が主流
また、焼酎サワーは「サワー」というフレーズを用いたアルコールの割り材が関東を中心に広まったため、関東ではなじみが深く、関西ではなじみが薄い、といった地域差もあるのです。
このように、チューハイと焼酎サワーにはそれぞれ異なる由来がありますが、現在ではその違いは曖昧となっています。
焼酎サワーの元祖は東京のもつ焼き屋
ちなみに、焼酎のレモンサワーのなかには、レモン丸ごと1個を搾る飲み方がありますが、その元祖と言われるのが、東京都にある「もつ焼き ばん」です。
レモンのフレッシュさを存分に味わえるため、おかわりが進む人が多いよう。使ったレモンを積み上げた“レモンタワー”は、同店の名物光景になっています。
焼酎サワーを語るなら欠かせない博水社の「ハイサワー」
出典:博水社サイト
焼酎サワーの割り材と言えば、博水社の「ハイサワー」
焼酎サワーの歴史に、大きな影響を与えた飲料メーカーがあります。それは、東京都目黒区にある博水社です。同社が昭和55年(1980年)に発売した「ハイサワー」は、それまで飲まれていた下町の焼酎ハイボールのレシピを一新するインパクトがありました。
「ハイサワー」はジンフィズをヒントに開発
博水社の「ハイサワー」は、当時の社長が、アメリカ旅行で飲んだジンフィズにヒントを得て開発したもの。炭酸水にたっぷりのレモン果汁を加えたアルコールの割り材で、ハイサワー自体は清涼飲料です。
ハイサワーという名前は、「我輩(ハイ)が作ったカクテル(サワー)」からきているのだとか。瓶に描かれているユニークなタッチのロゴも、社長の直筆をそのまま採用しています。
「ハイサワー」で作る焼酎サワーのレシピ
焼酎1:ハイサワー3の割合で合わせるだけで、かんたんに焼酎サワーを作れる「ハイサワー」は、瞬く間に人気を博しました。
とくに、回収不要のワンウェイボトルが登場した昭和58年(1983年)以降は、テレビCMの影響もあり、「ハイサワー」は全国的ヒットを遂げたのです。
製造元:株式会社博水社
公式サイトはこちら
焼酎サワーの定番「レモンサワー」を作ってみよう
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焼酎サワーを作るうえでのポイントを紹介
焼酎サワーでもっとも定番とされているのが、レモンを加えたレモンサワーです。自宅で作る際のポイントを、人気居酒屋や酒造メーカーのレシピを参考に、まとめてみました。
おいしい焼酎サワーを作るための材料へのこだわり
材料は焼酎、レモン、炭酸水の3つですが、それぞれに注意点があります。
まず焼酎ですが、レモンの香りや味を妨げないよう、クセのない焼酎を選びます。「甲類焼酎」はアルコール純度が高くクセがないため、サワーのベース酒に最適です。
使用する炭酸水は、より強い爽快感が得られる強炭酸がオススメ。炭酸が苦手、甘味がほしいといった場合は、微炭酸や加糖タイプを選んでもよいでしょう。
そして、一番重要なのがレモンです。香りや旨味は皮の部分に多く含まれているため、皮ごとを使えるノーワックスの国産レモンを用意します。最近人気の「瀬戸内レモン」に代表される、広島産のレモンはとくにおすすめです。
おいしい焼酎サワーのポイントは混ぜすぎないこと
冷蔵庫でしっかり冷やしたグラスに、角氷をたっぷり入れます。最初に焼酎をグラスの3分の1程度注ぎ、マドラーで軽く混ぜます。
次に炭酸水を入れますが、このとき、泡が弾けないようグラスの縁から静かに注ぐのがポイント。焼酎の3倍程度の量を入れたら、マドラーをグラスのなかでゆっくり一回転させます。
焼酎サワーをたのしむにはレモンの搾り方も重要
最後にレモンです。搾りやすい大きさと形にカットしたレモンを、グラスの真上で皮を下向きにして搾ります。こうすることで、皮に含まれる香りと旨味成分が、グラスにしっかり滴り落ちます。
搾ったあとのレモンの皮を、グラスの縁にぐるりと一周滑らせます。お好みでカットしたレモンをグラスに入れたら、レモンサワーのできあがりです。
焼酎のレモンサワーを自宅で作る際には、材料にもこだわりたいもの。とくに、甲類焼酎と炭酸水はさまざまな選択肢があるため、好みの組み合わせを求めて試行錯誤してみるのも、また一興でしょう。