神奈川の日本酒【箱根山(はこねやま)】米の味を活かしたふくよかな味わい

神奈川の日本酒【箱根山(はこねやま)】米の味を活かしたふくよかな味わい
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「箱根山」は、その名のとおり、神奈川と静岡の県境にある箱根山にちなんで名づけられた日本酒です。およそ230年の歴史をもつ井上酒造が醸す、国内はもちろん、遠くヨーロッパにまで知られる「箱根山」について紹介します。

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「箱根山」の蔵元がもつコンセプトは三つの「和」

「箱根山」の蔵元がもつコンセプトは三つの「和」

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「箱根山」は、寛政元年(1789年)創業の老舗蔵、井上酒造が造る日本酒です。神奈川県内でも屈指の歴史をもつこの蔵元には、もともと農業を営んでいた創業者が、城下町の小田原に向かう途中で石につまずき、その石の形が「徳利」に似ていたことから酒造りが始まったというエピソードが残されています。神からのお告げともいえるその徳利型の石は、今でも井上家の家宝として、大切に保管されているのだとか。

以来、230年にわたって酒造りを続ける井上酒造ですが、その主力銘柄も「国基(こくき)」、「東祝(あずまいわい)」、そして現在の「箱根山」と変わってきました。
そんな井上酒造が変わらず大切にしているポリシーが「三つの和」です。第一の「和」は、造り手が調和して酒造りをすること。第二の「和」は、人の心が和らぐ酒を造ること。そして第三の「和」は、繊細な日本文化、つまり和の心をもって酒造りをする、というもの。
江戸から明治、大正、昭和、そして平成と、時代が激しく変化するなかで、井上酒造が今日までその歴史を重ねてきたのは、この「三つの和」を大切にしながら、真心を込めた酒造りを続けてきたからにほかなりません。

「箱根山」は日本から世界に発信するために命名

「箱根山」は日本から世界に発信するために命名

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「箱根山」という銘柄が商標登録されたのは、今から約50年前の昭和42年(1967年)のこと。ちょうど高度経済成長を背景に、日本の国際貿易が急成長していたころです。

こうした時代背景のもと、井上酒造では国内市場だけでなく、海外市場も見据えた販売戦略を展開。海外への輸出をスタートさせるにあたり、海外でも通用する銘柄を検討することになりました。
そこで、蔵元から毎日眺めることができ、当時すでに世界的な観光地となっていた箱根にちなんで「箱根山」と名づけました。

その狙いは奏功し、現在「箱根山」は、井上酒造の代表銘柄として、国内はもとより世界的な知名度をもつブランドに成長しています。

「箱根山」は鑑評会でも認められるふくよかな味わい

「箱根山」は鑑評会でも認められるふくよかな味わい

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「箱根山」は、国内の日本酒鑑評会でも確かな評価を得ています。2017年酒造年度の全国新酒鑑評会において、「箱根山 大吟醸」は見事金賞を獲得。11年ぶりの受賞でした。

この間、井上酒造では、杜氏を南部杜氏から能登杜氏に代替わりしています。新しく迎え入れたのは、当時28歳の新進気鋭の杜氏です。杜氏の交代は、時代の変化のなかで避けられないこととはいえ、酒造りの質を左右しかねない大きなできごとです。新酒鑑評会での金賞獲得は、井上酒造がその重大な変化を乗り切った証といえるでしょう。

金賞を受賞した「箱根山 大吟醸」は、酒造好適米「山田錦」を精米歩合40%まで磨き上げた純米大吟醸酒。大吟醸ならではの上品な果実香が特徴ですが、主張しすぎないほどよい加減が秀逸。ふくよかなのにきれのある味わいで、多くの人を魅了します。

「箱根山」は、地元・箱根を代表する地酒。新酒鑑評会で金賞を獲得した「箱根山 大吟醸」のほか、青いボトルとさくら色のパッケージが素敵な「箱根山ブルーボトル 純米吟醸」は、贈りものにもおすすめしたい1本です。

製造元:井上酒造株式会社
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