「唎酒師(ききさけし)」とは、いわば日本酒版のソムリエ

「唎酒師(ききさけし)」とは、いわば日本酒版のソムリエ
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「唎酒師(ききさけし)」という日本酒の資格があることを知っていますか? 唎酒師とは、ワインにおけるソムリエにあたる、まさに日本酒のプロフェッショナル。好みに合わせた日本酒をセレクトしたり、おいしい飲み方をアドバイスしたりできる資格です。ここでは、国内外で注目を集める唎酒師について紹介します。

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「唎酒師」は、日本酒のプロフェッショナルに与えられる資格

「唎酒師」は、日本酒のプロフェッショナルに与えられる資格

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「唎酒師(ききさけし)」とは、飲む人の好みや、季節、料理などのシチューエーションに応じて、最適な日本酒の銘柄を選んだり、適した飲み方をアドバイスしたりできる資格です。
ワインの世界でも、同様の役割をもつ「ソムリエ」という資格がありますが、唎酒師はまさにその日本酒版。日本酒をより深く味わうためのサポートを行う、日本酒のプロフェッショナルに与えられる資格です。

唎酒師の資格を得るためには、日本酒の原料から製造方法、歴史、テイスティング法、さらにはセールスプロモーションまで、多岐にわたる知識が求められます。加えて、味や香りを把握するテイスティング力も必要とされるなど、知識だけでなく実践的なノウハウも要求されます。その意味では、非常にハードルの高い資格といえるでしょう。

唎酒師の資格認定に挑戦する人は、飲食業や飲料小売店など、一般の消費者向けに日本酒を提供する仕事に就いている人が中心です。唎酒師の資格を活かして接客やサービスにあたるのはもちろん、商品開発などにも役立てているようです。
また、実際の仕事に役立てるだけでなく、お酒の知識を深めたいとの目的で資格を取得する人も少なくありません。資格取得を通じて得られた知識をもとに、銘柄によって飲む温度や酒器を変えたり、そのお酒に合った料理を選んだりと、プライベートでも日本酒のたのしみ方が広がっています。

「唎酒師」を認定する「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」とは

「唎酒師」を認定する「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」とは

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「唎酒師」の資格を認定する組織は、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(略称:SSI)です。
同会は、日本酒の提供方法の研究や教育啓蒙活動を通じて、日本酒関連業界の発展や、日本の食文化の継承発展に寄与することを目的として、1991年に発足しました。

おもな活動内容としては、唎酒師をはじめ、日本酒の提供・販売に関するプロフェッショナルの育成および資格認定を行っています。
また、NPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)や日本ホスピタリティ・サービス産業団体協議会(JSC)との連携のもと、日本酒を中心に、酒類全般についての調査研究や、大学や大学院との産学共同研究も行っています。
このほかにも、日本酒の啓蒙普及に向けて、各種のイベントやセミナーの開催、Webサイト、SNSなどを通じた情報発信にも注力しています。

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)
公式サイトはこちら

「唎酒師」の資格を取得する方法

「唎酒師」の資格を取得する方法

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「唎酒師」の資格取得にあたっては、「通信プログラム」「2日間集中プログラム」「受験プログラム」の3つのプログラムが用意されており、このから自分に合ったスタイルを選ぶことができます。

「通信プログラム」では、時間や場所を選ばない通信教育によって資格を取得できます。受講者は自宅に届けられた映像教材やテキストをもとに学習し、与えられた課題を提出します。その課題を専任の講師が課題を添削して、返却します。課題は3カ月にわたって3回の提出が求められ、すべての課題が基準に達していれば、それで試験に合格したとみなされます。
自分のペースで勉強でき、資格試験なしで資格を取得できることから、人気の高いプログラムとなっています。

「2日間集中プログラム」は、専用ワークノートによる事前学習を経て会場に集まり、2日間にわたる集中講義を受講し、試験を受けるプログラムです。2日間のスケジュールには、不合格者を対象とした補講と再試験も組み込まれており、時間内に合格点に満たない場合も後日の再試験を受けることが可能です。
短い期間で確実に資格を取得したいという人には格好のプログラムといえるでしょう。

「受験プログラム」は、自宅で時間を選ばず勉強できる「在宅コース」、会場で1日集中的に勉強する「1日通学コース」、夜間のみ開催される全4回の講習でじっくり学べる「夜間通学コース」から、自分に合ったコースを選択し、資格試験に臨むプログラムです。

このほか、大学や大学院、専門学校などに在籍中の人を対象とした「学生プラン」や、満50才以上を対象とした「シニアプラン」も用意されており、特別価格での受講・受験や、合格後の認定書費用の一部を免除するなどの特典があります。

2019年度の受講スケジュールは、唎酒師オフィシャルサイトで公開されています。また、無料で参加できる「唎酒師説明会」も随時開催されていますので、唎酒師に挑戦してみたいという人は、ぜひ、チェックしてみてください。

唎酒師オフィシャルサイトはこちら

「唎酒師」の過去問題にチャレンジ!

「唎酒師」の過去問題にチャレンジ!

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唎酒師の試験には、一次試験から四次試験まであり、一次と二次、四次が筆記、三次がテイスティングとなっています。
日本酒について、かなり広い範囲の知識が求められますので、唎酒師をめざすのであれば、しっかりと勉強して臨みたいものです。

では、実際の試験では、どんな問題が出題されているのでしょうか? 過去の一次試験の問題を紹介しますので、まずは腕試しに解いてみましょう。

問1
「醸造酒」はどれか、選択肢から選びなさい。
A テキーラ
B ジン
C 老酒
D 白酒

問2
日本で初めて醸造酒が造られたといわれる時代はいつか、選択肢から選びなさい。
A 平安時代
B 奈良時代
C 弥生時代
D 縄文時代

問3
「蒸留酒」にあてはまるものはどれか、選択肢から選びなさい。
A シードル
B エール
C ピンガ
D ミード

問4
日本酒の発酵形態として正しいものを選択肢から選びなさい。
A 並行複発酵
B 単行複発酵

問5
アルコールを生み出す微生物はどれか、選択肢から選びなさい。
A 麹菌
B 酵母
C 乳酸菌
D 酢酸菌

<解答>問1=C・老酒、問2=D・縄文時代、問3=C・ピンガ、問4=A・並行複発酵、問5=B・酵母

問題を見ればわかるように、1次試験では日本酒に限らず、酒類全体にかかわる知識が求められます。しっかりした勉強抜きには合格は厳しいので、腰を据えて取り組みたいものです。

「唎酒師」だけじゃない、日本酒に関する資格

「唎酒師」だけじゃない、日本酒に関する資格

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唎酒師の資格取得を主催する日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)では、唎酒師だけでなく、さまざまな日本酒に関する資格制度を設けています。

たとえば、唎酒師の上位資格に位置づけられているのが「酒匠(さかしょう)」です。酒匠は、日本酒や焼酎のテイスティング専門家に与えられる資格で、受験者は嗅覚・味覚のトレーニングや、原料・製法別のテイスティング、タイプ別のテイスティングなどの講習を通じて、高度なテイスティング能力の習得をめざします。

SSIでは、このほかにも、日本酒の正しい知識を消費者に啓蒙普及できる人材を認定する「日本酒学講師」や「日本酒ナビゲーター」といった資格も認定。さらに、消費者向けの「日本酒検定」も実施するなど、日本酒文化の普及発展につながる資格制度を幅広く展開しています。

また、SSI以外の資格としては、一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定する「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」という資格もあります。こちらは2017年にスタートしたばかりの資格認定制度ですが、ソムリエ視点からのアプローチや、厚生労働省の認可を受けた公式な認定制度として、広く注目を集めています。

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」は日本酒のプロをめざす資格

唎酒師をはじめとした日本酒の資格認定制度の人気は、日本酒人気の高まりとともに、その文化的価値を示すものでもあります。日本の大切な食文化である日本酒について、正しい知識を広げていくために、唎酒師などの資格取得への動きがさらに活発化することが期待されます。

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