日本酒の資格「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」とは? 資格の特性を紹介

日本酒の資格「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」とは? 資格の特性を紹介
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日本酒の資格試験「酒ディプロマ」を知っていますか? 日本酒に関わる資格は、どれも注目度の高い人気の資格です。ここでは、専門性や信頼性の高い、プロを目指す人向けの資格から、趣味でたのしめる認定試験まで、代表的な資格について紹介していきます。

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「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」はどんな資格?

「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」はどんな資格?

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酒ディプロマとは?

日本酒に関する資格に「J.S.A. SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」という資格があります。日本を代表するソムリエ・田崎真也氏が会長を務める、一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定するもので、認定を受けるには、日本酒・焼酎に特化した専門知識や技量が求められます。なお、酒ディプロマは、ほかの資格試験と比べて難易度が高いといわれています。

酒ディプロマの「ディプロマ」とは?

そもそも「ディプロマ」とは、学校や各種スクールなどの高等教育機関から発行される「卒業証明書」のことを指します。

酒ディプロマも、特定の課程やコースなどを修了し、試験に合格した人に授与されるもので、この資格を取得することによって、日本酒や焼酎のプロフェッショナルと公認されます。

酒ディプロマは、日本酒と焼酎を通じて、日本の食文化のいっそうの普及と向上を目指す人向けの、プロ志向の強い資格なのです。

酒ディプロマの概要

酒ディプロマは、2017年に日本ソムリエ協会が、教本となる「J.S.A. SAKE DIPLOMA」を制作し、発足させた認定資格です。

教本には、日本酒の醸造方法や歴史など専門的情報がまとめられているほか、田崎氏がこれまでワインで培ったノウハウをもとにした、世界で通用する日本酒のテイスティングやマリアージュの方法なども記されています。

なお、この教本は英語版も作られ、試験も開催されています。「SAKE DIPLOMA International」として、2018年にイギリス・ロンドンで初開催されたのち、中国、台湾、アメリカ、ドイツでも実施されています。

「酒ディプロマ」資格取得までの流れ

「酒ディプロマ」資格取得までの流れ

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酒ディプロマのおもな受験要綱

【受験資格】

酒ディプロマの受験資格はただひとつ。1次試験基準日(1次試験実施期間の最終日)までに、満20歳以上になっていることのみが、受験資格に必要な条件とされています。

【試験概要】

試験は、7月から一定期間で開催される1次試験と、10月に開催される2次試験の2段階。なお、1次試験は2回まで受験でき、出願時に受験回数を選べます。

【申し込み】

申し込みは、日本ソムリエ協会の公式サイトの出願フォームから行います。

一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)
公式サイトはこちら

酒ディプロマにかかる費用

酒ディプロマの一般的な受験費用は、1次試験1回受験の場合29,600円(税込)、2回分申し込むと34,440円(税込)です。これには教本代も含まれています。日本ソムリエ協会の正会員の場合は、それぞれ20,380円、25,220円と割引価格になります。

また、1次試験を通過した人は、翌年から5年間のうち3回まで、2次試験のみに挑戦することができます。2020年度から免除制度が新しくなったので、気になる人は公式サイトをチェックしてみましょう。

2次試験に合格し、日本ソムリエ協会に「資格認定登録料」として20,950円(税込)を納めると、認定証、認定カード、認定バッジが協会から貸与されます。

酒ディプロマの試験内容

酒ディプロマの1次試験は、試験会場に用意されたコンピューター上で設問に解答する「CBT方式」で行われ、60分の解答時間が与えられます。内容は日本酒。焼酎に関する知識を問うもので、出題範囲は教本に書かれていることのみ。合否はその場ですぐに判定され、画面上で確認することができます。

2次試験は、テイスティング30分と論述試験20分の2種類。テイスティングは日本酒と焼酎から出題されます。論述は日本酒に関するテーマについて説明するというもので、日本酒に関する用語をきちんと理解している必要があります。

「酒ディブロマ」以外にもある! 日本酒関連の資格・検定

「酒ディブロマ」以外にもある! 日本酒関連の資格・検定

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日本酒販売・提供のプロを目指せる「唎酒師」(日本酒のソムリエ)

「唎酒師(ききさけし)」は、酒ディプロマよりも歴史の古い日本酒の資格です。1991年に制定された日本酒販売・提供資格で、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が認定します。

「唎酒師」は、日本酒のソムリエとして、初心者から愛飲家までどんな人にも対応できるように、日本酒に関する幅広い知識とプロモーション技術が求められます。

「唎酒師」の資格試験を受けるには、規定のプログラムを受講する必要があり、通信コース、2日間集中コース、オンデマンド受講コース、1日通学コースから選べます。金額はコースによって変わります。なお、試験は4次まで行われます。


唎酒師
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)
公式サイトはこちら

趣味の範囲で受験できる「日本酒検定」

日本酒検定は、日本酒を広く知ること、もっとたのしむことを目的とした検定試験です。「唎酒師」を認定しているSSIが制定したもので、検定レベルは3級、2級、準1級、1級の4段階に分かれています。

受験条件は受験時に20歳以上であること、そしてひとつ下の級に合格していること。いきなり1級や2級から受けることはできません。

受験費用はいちばん高い1級でも5,250円(2020年11月現在)と、気軽に受けやすい金額設定となっています。年に1度、9月に試験が行われますが、3級のみCBT試験が導入されていて、随時受けつけられています。


日本酒検定
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)
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日本酒に関する資格はほかにもある

前述した資格試験のほかにも、さまざまな資格があります。いくつか紹介しましょう。

【酒匠(さかしょう)】

「酒匠」は唎酒師の上位資格です。取得にはテイスティング技術の向上が必須。さらに専門的なトレーニングを積み、「酒匠」としての高い能力が認められると、SSI研究室「専属テイスター」に選抜されます。


酒匠
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)
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【日本酒学講師】

日本酒ビギナーの「知りたい」という要望に応える、「日本酒学講師」という資格もあります。日本酒の深い知識だけでなく講師としてのスキルも要しますが、日本酒の伝道師を目指す人にうってつけの資格です。


日本酒学講師
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)
公式サイトはこちら

酒ディプロマをはじめ、日本酒の資格試験に興味を持った人は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょう。受験要綱や料金は変更されることもあるので、詳細は、認定する各団体のサイトをチェックしてくださいね。

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