静岡のビール【反射炉ビヤ】 世界遺産に隣接する個性派ブルワリー
「反射炉ビヤ」は、2015年に世界遺産に登録されて以降、多くの観光客で賑わう「韮山反射炉」のすぐ隣に醸造所を構えるマイクロブルワリーです。そのユニークな名前にふさわしい個性的なビール造りで、この地を訪れる人々ののどをうるおしています。
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「反射炉ビヤ」の歴史とユニークな名前の由来
出典:反射炉ビヤサイト
「反射炉ビヤ」は、株式会社蔵屋鳴沢が1996年から製造・販売を手がける伊豆を代表するクラフトビールです。蔵屋鳴沢は明治から大正にかけて伊豆地方で造り酒屋を営んでおり、いまもこの地で湧き出る良質な水を利用して、個性豊かな地ビールの醸造に取り組んでいます。
間違って「反射炉ビア」などと呼ばれることも多いようですが、正式には「反射炉ビヤ」が正しいネーミング。そのユニークな名前の由来となったのが、幕末の嘉永6年(1853年)に建てられた「韮山反射炉」です。
反射炉とは、大砲などを鋳造するための溶解炉のことで、当時の日本を騒がせた「黒船」に対抗すべく、全国に6カ所ほど建造されました。国内で現存するのは韮山反射炉が唯一であり、その歴史的な価値が認められ、2015年に世界遺産に登録されました。
この韮山反射炉の建造に尽力したのが、伊豆の名代官と呼ばれた江川太郎左衛門英龍(ひでたつ)氏。彼は反射炉の製造を手がけただけでなく、日本で初めてパンを焼いた人物としても知られるなど、西洋技術を積極的に取り入れる先見の明を備えた人物だったとか。「反射炉ビヤ」というネーミングには、そうした先人の功績にあやかりたいという想いが込められているのです。
「反射炉ビヤ」のこだわりのビールを紹介
出典:反射炉ビヤ 公式Facebook
「反射炉ビヤ」では、醸造所の敷地内から湧き出る豊かな水を仕込み水に使用し、無ろ過・非加熱の酵母が生きている新鮮なビールを提供しています。そんな反射炉ビヤの定番ビールを紹介します。
ちなみに、各商品のネーミングは先述の江川太郎左衛門英龍氏をはじめ、いずれも伊豆にゆかりのある歴史上の人物が由来となっているそうです。
【太郎左衛門(ペールエール)】
英国産マリスオッターとクリスタルモルトを使用した正統派のイングリッシュ・ペールエールです。すっきりとした苦味と香りが特徴の英国スタイルのビールです。
【早雲(アメリカンペールエール)】
米国のクラフトビールとして代表的なスタイルのペールエール。柑橘類やシトラスなどのホップの香りとクリーンな苦味がさわやかな味わいのビールです。名前の由来は、戦国時代の端緒を開いた北条早雲から。
【頼朝(ポーター)】
数種のモルトと英国種ホップを使用したポーター。芳醇な香りと飲みやすさが特徴の英国スタイルの黒ビールです。名前の由来は鎌倉幕府を開いた源頼朝から。
反射炉ビヤでは、上記で紹介した定番ビール以外にも、ビールの本当の魅力を多くの人に知ってほしいという想いから、数十種類以上におよぶ多様なスタイルの期間限定ビールを醸造しています。
小さな醸造所だからこそできる個性的なビールを、ぜひ味わってみてください。
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反射炉ビヤ 商品ラインナップ
「反射炉ビヤ」を飲むなら併設の直営レストランがおすすめ
出典:反射炉ビヤ公式Facebook
「反射炉ビヤ」を飲むなら、韮山反射炉に隣接する「反射炉物産館」内にある反射炉ビヤ直営店「ほむら」がおすすめ。反射炉ビヤの醸造設備に併設された店舗では、できたての新鮮なクラフトビールがたのしめます。
ちなみに、物産館では、蔵屋鳴沢が地ビール以外に手がける伊豆ブランド茶「茶の庵」の茶葉の販売なども行っています。
直営店「ほむら」では、地ビールと一緒に、三宅島産の溶岩を使った無煙ロースターの網焼き焼肉メニューや地産の鹿肉メニュー、伊豆地方の新鮮な魚介類や野菜などがたっぷりと味わえます。韮山反射炉を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
反射炉ビヤ直営レストラン「ほむら」の詳細はこちら
また、反射炉ビヤは、紹介した直営店以外にも、全国各地の飲食店などで取り扱っています。詳しくは公式Facebookなどをチェックしてみてください。
伊豆を代表するクラフトビールとして、地元の人はもちろん、観光客にも大人気の「反射炉ビヤ」。世界遺産「韮山反射炉」を訪れる際は、ぜひ試してみてください。
製造元:株式会社 蔵屋鳴沢
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