福岡の焼酎【つくし】商品ごとの個性が光る、新しいイメージの麦焼酎
「つくし」は、100年以上の歴史をもつ焼酎蔵が「せめて10分間語れる焼酎を造りたい」という熱い想いに背中を押され、「ふつうじゃない」焼酎造りをめざして生み出した銘柄です。商品ごとに異なる個性を発揮する「つくし」の魅力を紹介します。
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「つくし」に込められた蔵元の想いに迫る
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「つくし」を造るのは、明治26年(1893年)の創業以来、本格焼酎一筋で歩んできた西吉田酒造です。
蔵を構える筑後地域は、九州でも有数の穀倉地帯であり、古くから農作業の一環として、村ぐるみで焼酎造りが行われてきました。そうした伝統を背景に「焼酎造りは笑顔づくり」をモットーとして焼酎造りを続けてきた西吉田酒造ですが、20世紀の終わりになって大きな転機を迎えます。
80年台、90年台と続いた焼酎ブームが陰りを見せるなか、2度にわたる増税の影響もあり、全国の焼酎蔵が「焼酎造りはどうあるべきか? 」という課題に直面しました。
「本当によい焼酎とは? 」「焼酎に求められる個性とは? 」を自らに問いかけた結果、これまでの麦焼酎とは異なる「ふつうじゃない」麦焼酎を造ることを決意。こうして2001年に誕生したのが「つくし」です。
「つくし」の由来は、よく植物の「土筆(つくし)」と誤解されますが、正しくは福岡の古名である「筑紫(つくし)国」から名づけられたもの。そこには、筑紫の地に根づく酒造りの伝統や、自然の恵みを大切にしながら、麦焼酎の可能性を広げていこうという確かな決意が見て取れます。
「つくし」の魅力は、複数の蒸溜法、貯蔵法による豊かな個性
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「つくし」は麦焼酎の可能性を広げるべく、21世紀の始まりとともに誕生した銘柄です。その特徴は、伝統的な黒麹を用いながら、複数の蒸溜方法や貯蔵方法を組み合わせることで、商品ごとに明確な違いをもたせたこと。異なる個性をもった商品群を飲みくらべてたのしむ麦焼酎ブランド、それが「つくし」の魅力です。
焼酎の蒸溜方法は、大きく「減圧蒸溜」と「常圧蒸溜」に分けられます。
大気圧で蒸溜する常圧蒸溜では、もろみが高温(80~95度)で加熱されることで独特の風味が生まれます。また、多くの微量成分が含まれるため、豊かな風味が色濃く残ります。
一方、真空に近い状態で蒸溜する減圧蒸溜では、低温(30~45度)のため果実香や軽快な風味がたのしめます。
こうした蒸溜法の違いが、原料は同じでも味わいの異なる「つくし」が生まれるのです。
また、蒸溜後、焼酎の酒質を安定させるための貯蔵工程でも、貯蔵法や貯蔵期間によって味わいが変化します。異なる貯蔵法、異なる貯蔵期間の原酒を絶妙の比率でブレンドすることで、飲みやすく、かつバラエティ豊かな「つくし」がたのしめます。
「つくし」の4つのラベルで変わる料理とのマリアージュ
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「つくし」は、異なる蒸溜方法を使い分け、異なる貯蔵方法を組み合わせることで、同じ材料を使いながらも、商品ごとにはっきりとした個性をもたせています。
代表的なラインナップ4商品を、それぞれのたのしみ方とともに紹介しましょう。
【つくし 白ラベル】
減圧蒸溜によるスッキリとした果実香とクリアな味わいが特徴。飲み方は濃いめの水割りがおすすめ。塩味の焼き物や野菜の煮物など、さっぱりした味付けの料理と好相性です。
【つくし 黒ラベル】
常圧蒸溜ならではの香ばしさと、しっかりとした味わいが特徴。お湯割りやロックがおすすめ。醤油たれの焼き物や煮魚など、やや濃いめの味付けの料理と好相性。
【つくし 全麹】
原料に大麦は使用せず、大麦麹だけで造る全麹麦焼酎ならではの濃厚な香りと独特の甘さが魅力。「つくし」のなかでもとくに個性が強いので、好き嫌いがはっきりします。お湯割りや、前割りの燗がおすすめ。
【つくし ゴールド】
常圧蒸溜による10年熟成、20年熟成の原酒をブレンドした長期熟成品。ロックやストレート、濃いめの水割りがおすすめです。ウイスキーのような円熟味のある香りがたのしめ、ナッツやチョコレートなどと好相性。
「つくし」は商品ごとに違った味わいや香りをたのしめます。どんな焼酎がよろこばれるかは、飲み手の好み、合わせる料理やつまみによって変わってきます。「つくし」の多彩な魅力が、麦焼酎選びの幅を広げてくれるのではないでしょうか。
製造元:西吉田酒造株式会社
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