ウイスキーをストレートでたのしむために
「ウイスキーはストレートで飲むのが一番! 」とはウイスキー好きのあいだでよくいわれること。ウイスキー本来の味や香りがそのままたのしめる、というのがその理由のようです。ここでは、ウイスキーをストレートで飲む際のポイントを紹介しましょう。
- 更新日:
ストレートでウイスキーの味と香りをダイレクトに
Supasert Thatsuphan/ Shutterstock.com
ストレートは、数あるウイスキーの飲み方のなかでも、ウイスキー上級者向けの飲み方、というイメージがあるかもしれません。
とはいえ、氷や水などで薄まることがないため、ウイスキー本来の味や香りをダイレクトに味わえるストレートは、ウイスキーの魅力を理解するためには、ぜひ、経験してほしいもの。ストレートで飲む際のポイントをおさえておけば、ウイスキー初心者であってもストレートをおいしくたのしむことができます。
もっとも基本的なポイントは、一度に飲む量を少なくすること。蒸溜酒であるウイスキーはアルコール度数が高いので、水割りやハイボールのように、ぐいぐい飲むのはおすすめできません。
ストレートで飲むときは、小さめのグラスに3分の1ほどウイスキーを注ぐのが一般的です。ウイスキーの芳醇な香りをたのしみながら、少しずつ口に含み、時間をかけてじっくりとたのしみましょう。
もうひとつのポイントは、ウイスキーの温度。ストレートで飲む場合の温度は、「常温」が基本です。これは、冷やすとウイスキー本来の香りが立ちにくいためです。
他の飲み物も加えず、熱したり冷やしたりもせず、そのままのウイスキーをグラスに注ぐ――これがウイスキーとの対話をたのしむための、ストレートの基本的な飲み方です。
ちなみに、「ストレート」は別名「ニート」とも呼ばれます。ニートとは、「きちんとした」とか「適切な」という意味。このことからも、ウイスキーを味わううえで、ストレートという飲み方がいかに適したものかがわかるというものです。
ストレートをおいしく飲むコツを知ろう
Aleksandr Gavrilychev /Shutterstock.com
ストレートでウイスキーを飲むときのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
まずは冷やしていない常温のウイスキーを、グラスに3分の1ほど注ぎます。これは、先述したように、アルコール度数の高いウイスキーを一度に大量に飲まないためですが、もう一つ理由が。
ウイスキーは、ボトルからグラスに注いで空気に触れることで、香りが膨らむという性質があります。一度に多くのウイスキーを注ぐと、グラス内で空気に触れる量が限られてしまうため、香りを十分に引き立てることができなくなるからです。
ウイスキーを注いだグラスを鼻に近づけ、注ぎたての香りをたのしみましょう。グラスをもつ際は、手の熱がウイスキーに伝わらないよう、底の部分をもつのがポイント。脚(ステム)つきのグラスなら、そちらをもちましょう。
グラスをゆっくりと回す「スワリング」で、ウイスキーをより空気に触れされるのもいいですが、まずはスワリング前の香りを嗅いで、スワリング後の味の変化をたのしむのがおすすめです。
ストレートでウイスキーの香りを嗅ぐ場合、グラスに鼻を近づけすぎると刺激が強すぎて、微妙な香りがわからなくなってしまう恐れがあります。5センチほど離れたところから、少しずつ鼻を近づけるようにしてください。
芳醇な香りを堪能した後は、いよいよストレートを口にします。少量を含んだら、すぐに飲み込んだりせずに、口のなかで転がすようにして、舌触りをたのしみましょう。
じっくりと味を確かめたら、飲み込む前に、口内の空気を鼻から出してみてください。グラスから嗅いだときとはまた異なる香りがたのしめるはずです。
ウイスキーを飲み込んだ後に残る余韻が「アフターテイスト」と呼ばれるものです。ストレートで飲むことで、このアフターテイストがよりくっきりとたのしめます。
ストレートで飲むならショットグラスで
ConstantinosZ /Shutterstock.com
ストレートでウイスキーを飲む場合に適しているのが「ショットグラス」という小さめのグラスです。
「ショット」とは、ウイスキーなどを飲む際の単位で、単に「ショット」というと「ワンショット」、すなわち1杯分の量を意味していて、「ワンフィンガー」や「シングル」なども同じ意味です。
じつは、この「ショット」の量は国や地域によって異なりますが、日本では一般的に30ミリリットルがワンショット。ショットグラスというのは、容量は30ミリリットル程度の小さめのグラスのことです。
ストレートでウイスキーを飲む際は、この程度が適量とされていますので、ショットグラスに注いで飲めば、ちょうどよいというわけです。ウイスキーの適量を覚えるためにも、自宅でストレートをたのしむ際には、ショットグラスを用意しておきたいものです。
なお、ウイスキーの量を表す「ショット」は非常に奥が深いので、興味のある人はこの記事も読んでみてください。