米焼酎の魅力と、飲んでおきたいおすすめの米焼酎
米焼酎の魅力といえば、日本人にとって馴染み深い米の旨味と香り。さまざまな焼酎のなかでも、食事に合う焼酎として人気があります。ここでは、米焼酎の魅力や歴史とともに、米の旨味を活かした各地の米焼酎のなかから代表的な銘柄を紹介します。
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米焼酎の魅力は米本来の旨味と香り
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米焼酎は、芋焼酎や麦焼酎、そば焼酎と並んでメジャーな焼酎の1つ。原料となる米は、日本人にとっては主食であり、心のふるさとでもあります。それだけに、米の旨味や香りを活かした米焼酎は、馴染みのある味わいで、初心者にも比較的飲みやすい焼酎といわれています。
米焼酎を造るにあたっては、同じく米を原料とした日本酒と同様に、原料となる米の外側にあるタンパク質や脂質を取り除く「精米」という作業を行います。
日本酒の場合、雑味の原因を取り除くために精米歩合は60~70%ほど(=30~40%ほど外側を取り除く)のが一般的。一方、米焼酎の場合は、米の甘味や旨味をできるだけ残すよう、精米歩合は85~90%ほど(=10~15%ほど外側を取り除く)です。
米焼酎の原料米として一般的なのが「ヒノヒカリ」という品種です。この品種は、焼酎の本場である九州地方を中心に栽培されており、稲が強く、収穫量が多いことが特徴です。
ヒノヒカリ以外にも、焼酎蔵ごとにさまざまな品種を使っており、なかには「コシヒカリ」や「あきたこまち」など食用として人気のブランド米を使うことも。こうした原料米による米焼酎の味の違いをたのしんでみるのも、おもしろいのではないでしょうか?
米焼酎の歴史をひもとく
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米焼酎の起源には諸説ありますが、一説によれば「球磨(くま)焼酎」で知られる熊本県人吉地方がルーツともいわれています。
この地は、九州では有数の米処であり、豊富に獲れる米が、南方から伝わった蒸溜酒造りの技術と結びついて、米焼酎造りが盛んになったと考えられています。
そもそも、日本で焼酎造りが始まった時期もはっきりとしていませんが、いくつかの記録をたどると、その始まりが米焼酎だったことがわかります。
たとえば、戦国時代のまっただ中の1547年に日本を訪れたポルトガル人の記録に「米から造る蒸溜酒」、すなわち米焼酎の存在が記されています。
その後、江戸時代になると、米焼酎の原料である米が年貢の対象となり、なかば貴重品のようになると、米で焼酎を造るのは贅沢なこととされるようになっていきます。そこで、米の代わりにサツマイモや麦、そば、雑穀など、さまざまな原料を用いた焼酎が造られるようになったと考えられます。
米焼酎おすすめ1 吟醸香漂う「吟香 鳥飼」
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米焼酎の本場、熊本県人吉市で400年にわたる歴史をもつ老舗の焼酎蔵、鳥飼酒造が提供するのが「吟香 鳥飼(ぎんか とりかい)」です。この蔵元では、江戸時代から醸造酒や焼酎を造り続けてきたとの記録が残っていますが、現在、製造しているのは「吟香 鳥飼」のみ。それだけでも、米焼酎造りにかけるこだわりの強さや、品質に対する誇りと自信がうかがえるというものです。
人吉市といえば「球磨焼酎」の産地であり、多くの蔵元がそれぞれ特徴ある米焼酎を造っていますが、そのなかでも「吟香 鳥飼」は異彩を放っています。
その最大の特徴は、吟醸酒と間違われるほどの華やかで上品な香り。1994年に発売されると、他の米焼酎にはない豊かな香りで、焼酎ファンはもとより、全国の酒好きから注目を集め、「新世代の米焼酎」と賞賛されました。
1996年には「モンドセレクション」でゴールドメダルを獲得するなど、まさに世界品質の米焼酎といえるでしょう。
こうした「吟香 鳥飼」の魅力を支えているのが、通常の米焼酎よりも贅沢に、精米歩合58%まで米を磨いた「吟醸麹」。これまでになかった上品な香りをもった米焼酎を生み出そうと、蔵元が創意工夫を重ねて独自に開発したものです。
従来の焼酎業界にない発想で生まれた「吟醸麹」により、まろやかな口当たりとスッキリとした後味を実現した「吟香 鳥飼」。初心者でも、ぜひロックでたのしんでもらいたい逸品です。
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