長野の日本酒【明鏡止水(めいきょうしすい)】一点の曇りもなく澄んだ酒

長野の日本酒【明鏡止水(めいきょうしすい)】一点の曇りもなく澄んだ酒
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「明鏡止水」は長野県茂田井宿で、江戸時代から酒造りを続けてきた老舗蔵、大澤酒造の代表銘柄です。一点の曇りもない澄んだ心のありようを示す言葉の通り、澄みきった味わいをもつ「明鏡止水」を紹介します。

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「明鏡止水」を醸すのは、元禄以来の歴史をもつ老舗蔵

「明鏡止水」を醸すのは、元禄以来の歴史をもつ老舗蔵

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「明鏡止水」を醸すのは、元禄2年(1689年)創業という歴史をもつ老舗蔵、大澤酒造です。蔵を構える佐久田市茂田井(もたい)は、かつては中山道の宿場街として栄えた地で、今も当時をしのばせる街並みが見られます。

大澤酒造は、かつてこの宿場で名主を務めていた名家。その敷地内には、民俗資料館や書道館、美術館が併設され、地域の歴史・文化を現在に伝えています。
なかでも民俗資料館は、現存する最古の日本酒が見つかったという、酒好きにとっては一見の価値があるもの。昭和44年(1969年)に蔵内で見つかった古伊万里の壺から、創業当時に醸された日本酒が発見され、醸造生物学博士のお墨付きを得て公開されることになったのが、資料館を開設するきっかけでした。

約300年の時を超えて発見された、この歴史的な酒は、大澤酒造の酒造りの伝統を雄弁に物語っています。

「明鏡止水」とは一点の曇りもない心を表す言葉

「明鏡止水」とは一点の曇りもない心を表す言葉

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「明鏡止水」とは、磨かれた鏡や、静止した水面のように、一点の曇りもない心のありようを示した言葉。研ぎ澄まされた透明感のある味わいをもつ日本酒「明鏡止水」の銘柄として、ふさわしい言葉でしょう。

「明鏡止水」は、長い歴史をもつ蔵元が、近年になって生み出した“古くて新しい酒”。その生みの親は、大澤酒造の14代目当主である大澤真氏です。
1989年に蔵を継いだ真氏は、代々受け継がれてきた酒造りの伝統を大切にしながらも、より特徴ある日本酒を造ろうと、試行錯誤を重ねた末に、それまでになかった澄んだ味わいを実現。その酒を口にした際のイメージを「明鏡止水」という言葉に込め、銘柄としました。

「明鏡止水」は、その鮮烈な魅力で、またたく間に地酒ファンの心をつかみました。一時は入手困難なことから“信濃の幻の酒”とも呼ばれるほどでしたが、それでも大澤酒造の酒造りの姿勢に変わりはありません。現在もなお、真氏と、杜氏を務める実弟の実氏を中心に、“一点の曇りもない心”で小規模な酒造りを続けています。

「明鏡止水」と並ぶ代表銘柄「勢起」に込められた想い

「明鏡止水」と並ぶ代表銘柄「勢起」に込められた想い

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「明鏡止水」と並んで、大澤酒造を支えている銘柄が、限定流通品の「勢起(せき)」です。
「勢起」は長野県産の酒造好適米「金紋錦」の豊かな旨味を最大限に引き出した酒。醸造後に一年以上もの低温熟成を経て蔵出しされる、手間暇をかけた一本です。

「勢起」という銘柄には、300年以上にもわたって酒造りのバトンをつなぎ続けてきた、先人たちへの想いが込められているといいます。長い歴史のあいだには苦難の時期もあり、なかでも最大の危機といえるのが、第二次大戦中の統制経済でした。
強引な統廃合の対象になる一方で、蔵の跡取りを戦場で失うなか、一時は休業に追い込まれながらも蔵の歴史を守り抜いたのが、現党首の曾祖母でした。

その名を冠した「勢起」は、大澤酒造の蔵人にとって特別な想いを込めた酒。口に含めば「金紋錦」の豊かな旨味とともに、蔵が積み重ねてきた歴史の重みまで感じられるようです。

戦中・戦後の混乱のなかで消えていった蔵元が多いなか、見事に歴史を守り抜いた大澤酒造。透明感のある「明鏡止水」の味わいは、そんな蔵元が酒造りに込め想いの結晶だといえるでしょう。

製造元:大澤酒造株式会社
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