【人気の地ウイスキー】「厚岸ウイスキー」の理想はアイラモルト
「厚岸ウイスキー」は、今、ウイスキーラバーから熱い視線を注がれている、北海道厚岸町発のクラフトウイスキーです。ここでは、ウイスキー造りに絶好の環境のなかで育まれている、厚岸ウイスキーの魅力に迫ります。
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「厚岸ウイスキー」を生んだ厚岸蒸溜所とは?
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「厚岸ウイスキー」は、食材の輸出入を手掛ける堅展実業が、北海道東部の厚岸町に建設した「厚岸蒸溜所」で造られている地ウイスキーです。
厚岸(あっけし)といえば、あやめヶ原や牡蠣の産地として有名な町ですが、海や湿原が近く、霧が発生しやすい湿潤で冷涼な気候は、ウイスキーを熟成させるには絶好の環境です。
こうした厚岸の環境は、本場スコットランドでも「スコッチの聖地」として名高い、アイラ島とよく似ています。また、麦芽を乾燥させる際に使うピート(泥炭)が豊富で、ピート層を通った水を仕込み水に使えるのも、アイラ島と共通しています。
蒸溜所の建設にあたって厚岸が選ばれたのは、まさにこうした「スコッチの聖地」とよく似た環境があったからこそ。「厚岸ウイスキー」が理想とするのも、世界のウイスキー愛好家が熱い視線を注ぐアイラモルトに他ならないのです。
「厚岸ウイスキー」を育む、数々のこだわり
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「厚岸ウイスキー」を語る際、環境とともに欠かせないのが、設備へのこだわりです。
モルトウイスキーの製造に使うポットスチル(単式蒸溜器)をはじめ、大麦麦芽を糖化させるマッシュタン(糖化槽)など、ウイスキー造りには多様な設備が必要です。
厚岸蒸溜所は、「本場・スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを」との想いを実現するため、スコットランドのフォーサイス社製の設備を導入。その施工は同社の職人が来日して行ったのだとか。
ウイスキーを熟成させる木樽も、バーボン樽やシェリー樽をはじめ、入手困難なミズナラ樽も使うこだわりよう。ワイン樽やラム樽なども取り入れながら、ウイスキー造りのさまざまな可能性を探っています。
「厚岸ウイスキー」の初商品は4回シリーズ
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「厚岸ウイスキー」が初めての商品をリリースしたのは、2018年のこと。厚岸蒸溜所が稼働を開始したのは2016年のことですが、熟成期間をおくために、ここまでの時間を要したのです。
スコッチウイスキーには「3年間以上、樽で熟成させたもの」という定義があります。これに則り、記念すべき初商品には、あえて「ウイスキー」とはつけず、「厚岸 NEW BORN FOUNDATIONS(ニューボーンファウンデーションズ)」と命名。半年ごとに全4回シリーズで発売し、2020年にはいよいよ本格的なシングルモルトウイスキーがデビューする予定です。
「厚岸 NEW BORN FOUNDATIONS」は、ピートを用いずに大麦麦芽を乾燥させた「ノンピートモルト」をバーボン樽で熟成させたもの。厚岸町名産の牡蠣と相性がよく、殻つきの生牡蠣に数滴垂らすと、双方の旨味が調和して潮の香りを堪能できるのだとか。
こうした牡蠣のたのしみ方もまた、アイラ島ではおなじみの習慣です。スコッチの聖地さながらの贅沢を、一度、試してみてはいかがでしょうか?
厚岸蒸溜所が理想としているのは、ウイスキーの原料になる大麦からピート、熟成樽に至るまで、すべて厚岸産のウイスキーなのだとか。今後の「厚岸ウイスキー」の展開に、期待はふくらむばかりです。
製造元:堅展実業株式会社 厚岸蒸溜所
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