【人気の地ウイスキー】「チェリーウィスキー」は老舗蔵が造る東北初の地ウイスキー

【人気の地ウイスキー】「チェリーウィスキー」は老舗蔵が造る東北初の地ウイスキー
出典 : Anne Kitzman/ Shutterstock.com

「チェリーウィスキー」は、笹の川酒造が製造する東北エリア初の地ウイスキー。1980年代の第一次ウイスキーブームで、多くのウイスキーファンを虜(とりこ)にして以来、根強い人気を誇るその魅力を紹介します。

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「チェリーウィスキー」は、かつて“地ウイスキー北の雄”と呼ばれた逸品

「チェリーウィスキー」は、かつて“地ウイスキー北の雄”と呼ばれた逸品

Kishivan/ Shutterstock.com

「チェリーウィスキー」は、東北地方では唯一の地ウイスキー(2018年現在)。1980年代の第一次ウイスキーブームには“地ウイスキー北の雄”と呼ばれるなど、一世を風靡(ふうび)した銘柄です。

チェリーウィスキーの製造元、笹の川酒造は、江戸時代中期の明和2年(1765年)に創業という、郡山を代表する老舗蔵。現在は日本酒に加えて、ウイスキーや焼酎、リキュールなどを幅広く手掛ける総合酒類メーカーです。

笹の川酒造が東北初となる地ウイスキー造りを開始したのは、戦後間もない昭和21年(1946年)のこと。当時の社名「山桜酒造」から名づけたブレンデッドウイスキー「チェリーウィスキー」は、甘い香りと味わいで全国区の人気を博します。

その後、ウイスキー市場が「冬の時代」を迎えるにともない、笹の川酒造も原酒の製造は休止しましたが、貯蔵庫に眠る原酒を商品化し、現在に至るまで、一貫して品質の高い地ウイスキーを提供し続けています。

「チェリーウィスキー」の復興をめざす笹の川酒造の挑戦

「チェリーウィスキー」の復興をめざす笹の川酒造の挑戦

PopTika/ Shutterstock.com

「チェリーウィスキー」の造り手、笹の川酒造は厳しい時代にあってもウイスキー事業を守り続けましたが、その際、有名なエピソードが生まれています。

第一次地ウイスキブーム当時、「北のチェリー、東の東亜」と並び称された東亜酒造が蒸溜所を閉鎖するにあたり、笹の川酒造は「この原酒が処分されると業界の損失」と、あえてライバル会社の原酒の保管を引き受けたのです。この原酒が、やがて東亜酒造の創業家の一員である肥土(あくと)伊知郎氏によって商品化され、「イチローズモルト」の名で世界を席巻することになります。

イチローズモルトをはじめ、日本の地ウイスキー造りが再び盛り上がりを見せるなか、笹の川酒造も本格的なウイスキー造りを再開すべく、挑戦をスタートさせました。
数年がかりの取り組みの末に、ウイスキーの製造開始から70周年の節目にあたる2016年、郡山市に東北初となる地ウイスキー蒸溜所「安積(あさか)蒸溜所」を開設。往年のファンはもとより、国産ウイスキー愛好家から「あのチェリーウィスキーが復興! 」と、大きな注目を集めています。

「チェリーウィスキー」と「山桜」、兄弟銘柄を飲みくらべ

「チェリーウィスキー」と「山桜」、兄弟銘柄を飲みくらべ

Alexey Lysenko/ Shutterstock.com

「チェリーウィスキー」と並んで、笹の川酒造が提供する地ウイスキーの銘柄が「山桜(やまざくら)」です。
創業250年目という節目にあたる2015年に、かつての社名を冠して発売されただけに、「チェリーウィスキー」よりも高級品と位置づけられています。

「山桜」のラインナップはピュアモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの2タイプ。
ピュアモルトタイプ「PURE MALT YAMAZAKURA」は、オーク樽とシェリー樽、それぞれで熟成させたモルト原酒を使った、深い味わいが特徴。ほのかなフルーツ香や、スモーキーフレーバーを堪能できます。
一方、グレーンウイスキーをブレンドした「ブレンデッドウイスキー山桜 黒ラベル」は、まろやかな口当たり。ロックや水割り、ハイボールなど、好みのスタイルでたのしめる1本です。

長い歴史を誇るチェリーウィスキーと、笹の川酒造の地ウイスキー造りに新たな歴史を刻んだ「山桜」。一度、飲みくらべてみてはいかがでしょう。

「チェリーウィスキー」に「山桜」、そして安積蒸溜所の開設と、第一次ブームに続き、現在の第二次ブームでも話題を集めている笹の川酒造。その商品を時代順に手に取ってみるのも、ユニークなたのしみ方ではないでしょうか?

製造元:笹の川酒造株式会社
公式サイトはこちら

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