福井の日本酒【花垣(はながき)】造り手の顔が見える酒

福井の日本酒【花垣(はながき)】造り手の顔が見える酒
出典 : 南部酒造場サイト

「花垣」はその名のとおり、飲む人の心を華やかにしてくれるような日本酒です。原料米も麹も、すべて自身の手造りという蔵元のこだわりから生まれる味わいは、まさに絶品。小さな蔵ながら高い酒質を誇る、「花垣」の魅力を見ていきましょう。

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「花垣」は量産せず、少量ずつていねいに醸す酒

「花垣」は量産せず、少量ずつていねいに醸す酒

出典:南部酒造場サイト

「花垣」を醸すのは、「越前の小京都」と呼ばれる福井県大野市に蔵を構える南部酒造場。その歴史は古く、享保18年(1733年)に初代の七右衛門が、大野藩の御用商人として「茶の木屋」という金物店を開業したのが始まりです。

日本酒造りを開始したのは明治34年(1901年)のこと。初めて出来上がったお酒のふくよかで華やかな味わいは、まるで満開の桜並木のようだと評判になったそうです。爛漫と咲き誇る桜の様子は花の垣根に例えられ、この酒は「花垣」と命名されました。

そんな縁起のよい名をもつ「花垣」の特徴は、少量生産に徹していること。南部酒造場の酒造りの理念は「手造りに徹して目の届く量をていねいに醸し、より高品位の酒を世に送り出す」。米と水にこだわり、醸造アルコールは用いず、手造りに徹して量産はしない。そんな造り手の顔が見えるような酒造りこそ、南部酒造場の理想にほかなりません。

「花垣」が復活させた幻の米「亀の尾」

「花垣」が復活させた幻の米「亀の尾」

出典:南部酒造場サイト

「花垣」の蔵元がある越前は、「御清水」が名水百選にも選ばれた名水の里。また酒造好適米「五百万石」の有数の産地でもあります。

南部酒造場では、この日本酒造りに適した地で育った原料にこだわっています。1990年から地元の篤農家の力を借りて「五百万石」の自社栽培に着手。自然農法による健康的でおいしい米作りを始め、2003年には「有機農産物加工酒類」の認証を取得しました。(2022年4月現在、有機の商品は休売しています)

さらには、“幻の酒米”と呼ばれていた古代品種「亀の尾」の栽培を復活させることにも成功。「花垣」の個性的な味わいは、亀の尾を原料に使用することで実現したものです。酸味と旨味が絡み合う複雑な味わいを、ぜひたのしんでみてください。

「花垣」は若い人にも飲んでほしい酒

「花垣」は若い人にも飲んでほしい酒

出典:南部酒造場サイト

「花垣」は基本に忠実に、そしてていねいに造られている日本酒。その受賞歴も華々しく、直近では「IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2021」の純米大吟醸酒の部で「至極の花垣 大吟醸」がGold(金メダル)、「七右衛門 純米大吟醸」がBronze(銅メダル)、大吟醸酒の部で「究極の花垣 大吟醸」がSilver (銀メダル)を獲得しました。

「IWC」は、世界で最も大きな影響力を持つと言われるワインのコンテストです。2007年、このIWCに「SAKE部門」が誕生して以来、受賞酒は外国人の口にもあう日本酒として国内外で注目を集めており、「花垣」を自信をもっておすすめできる証明といえるでしょう。

南部酒造場は、伝統を重んじる蔵元であると同時に、新たな挑戦にも意欲的です。ウイスキーのようにオーク樽で熟成させた日本酒など、その斬新な取り組みは、“日本酒離れ”といわれる若者層にも、大きなインパクトを与えることでしょう。

花垣の蔵元に並ぶ建物は、「南部酒造場旧酒造前蔵」として文化財に登録されています。毎年春に「花垣 酒造まつり」で蔵を開放しているので、機会があれば、その歴史や伝統を肌で感じてみてください。

製造元:株式会社南部酒造場
公式サイトはこちら

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