石川の日本酒【菊姫(きくひめ)】“加賀の菊酒”の伝統を今に受け継ぐ
「菊姫」は、安土桃山時代に“天下の美酒”と謳われた「加賀菊酒」の伝統を今に受け継ぐ日本酒です。原料米にこだわり抜いた酒造りを続ける老舗蔵の歴史とともに、その蔵の名を冠した「菊姫」の味わいの秘密と、おいしい飲み方を探ってみました。
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「菊姫」が背負う伝統 - まぼろしの銘酒のふるさと -
出典:菊姫サイト
「菊姫」が誕生したのは、日本三名山にも数えられる霊峰、白山から清らかな水が涌き出る白山市鶴来の里。美しい水がある土地に、おいしい酒が生まれるのは、どの時代も変わらない普遍的な原則です。
鶴来の地では、古くから“加賀の菊酒”という美酒が造られていたという伝承があり、安土桃山時代の貴族である山科言継の日記「言継卿記」をはじめ、数々の史書にその名が残されています。
「菊姫」と同名の蔵元がこの地で産声を上げたのは、まさに“加賀の菊酒”が歴史に名を残した安土桃山時代の天正年間(1570~1600年)のこと。400年以上も昔のことだけに、菊酒との関係までは知るよしもありませんが、“天下の美酒”と謳われた酒造りの伝統を、この地で守り続けてきたことは揺るぎない事実です。
良質な水と、名水に育まれた良質な米、そして歴史に残る酒造りの技術に恵まれた地で、400年の歴史を重ねてきた「菊姫」の味わいは、他の日本酒にはない奥深さが感じられるというものです。
「菊姫」は派手さを抑えた大人がたのしむ酒
出典:菊姫サイト
菊姫の酒造りの特徴は、最上質の原料米へのこだわりです。早くから注力してきた吟醸酒は、香りと味のバランスが絶妙。華美すぎない上品な味わいから、“大人がたのしむ日本酒”ともいわれています。
なかでも「菊姫 大吟醸」は、米の旨味をしっかりと引き出し、じっくりと熟成させたまろやかな風味と、独特の「熟成香」が特徴。なめらかな舌触りはそのままに、深みのある味わいに仕上がっています。
また大吟醸の新しいたのしみ方として、「菊姫」ブランドでは新酒の商品化にも挑戦。毎年登場する「B.Y.大吟醸」のフレッシュな味わいは、若い人からも支持される魅力があります。
「山廃吟醸原酒」は、熟成前の個性的な香りが際立つ日本酒。山廃らしい味の厚みと芳しい香りに加えて、造り立てのおいしさを堪能できます。
「菊姫」は中華料理・西洋料理にも負けない存在感
出典:菊姫サイト
「菊姫」のしっかりとした味わいは、日本料理だけでなく、中華料理や西洋料理などと合わせてもたのしめます。とくに“濃醇旨口”の「菊姫 純米酒」は、濃厚な味わいのメニューと組み合わせても、日本酒の味が打ち消されることなく、料理の味をも引き立てます。
たとえば、こんな組み合わせをたのしんでみるのはいかがでしょうか。
「菊姫 山廃仕込純米酒」 × 肉料理
山廃酒母由来のアミノ酸が多く、どっしりとした味わいの「山廃仕込純米酒」は肉料理によく合います。ステーキやソテーとたのしむもよし、中華風の肉団子と合わせるもよし。異なる味わいが重なることで、至福のマリアージュが生まれます。
「菊姫 山廃仕込純米酒」 × チーズ
山廃酒母には乳酸菌が入っていて、ヨーグルトやチーズのような酸味がかった香りを感じます。ワインのように個性的なチーズと合わせて飲むには、非常に適した日本酒。同じく乳製品のバターを使ったメニューともマッチします。
菊姫は日本酒を無形文化財と考え、伝統を今に受け継ぐ酒造りに徹しています。年月を経ても錆びることなく、未来永劫愛される日本酒として、引き続きの活躍が期待されます。
製造元:菊姫合資会社
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