「勝山(かつやま)」美食文化を受け継ぐ仙台の地酒【宮城の日本酒】

「勝山(かつやま)」美食文化を受け継ぐ仙台の地酒【宮城の日本酒】
出典 : 出典:勝山酒造サイト

「勝山」は、現在まで宮城県に残った唯一の「伊達家御用蔵」、勝山酒造が醸す酒。歴史をもつ銘柄ながら、若い世代からも人気を集める理由は、その飲みやすさと口あたりのよさにあるのだとか。ここでは、宮城を代表する地酒、勝山の魅力を紹介します。

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勝山酒造は仙台で現存する唯一の伊達藩御用蔵

勝山酒造は仙台で現存する唯一の伊達藩御用蔵

出典:勝山酒造サイト

「勝山」を生んだ勝山酒造は、伊達家の城下町として発展した仙台において元禄年間(1688~1704年)に創業した、300年以上の歴史をもつ老舗蔵です。
勝山酒造の酒造りに対する評価は当時から高く、安政4年(1857年)には伊達家から御酒御用酒屋を拝命。以来、「伊達家御用蔵」としての誇りと格式を汚さぬよう、酒造りの模範を示すべく研鑽を重ね、その伝統を今日までつないできました。

こうした歴史と伝統を大切にする一方で、時代の変化には迅速に対応。宮城県内でいち早く、吟醸酒や純米酒など「特定名称酒」へのシフトを打ち出すとともに、宮城県酒造組合の会長として「ササニシキ100%」の純米酒造りを呼びかけるなど、宮城の酒の高品質化を牽引しました。

さらに2005年には、「特定名称酒」制度からの脱却を図るべく、新たな酒造りへの挑戦を開始。必要な環境を整えるため、酒蔵を仙台市街から、やわらかな軟水の水源をもつ泉ヶ岳のふもとへと移転したのです。

勝山を育んだ酒造りへのこだわりとは?

勝山を育んだ酒造りへのこだわりとは?

出典:勝山酒造サイト

勝山酒造が新天地での酒造りでめざしたのは、決して量を拡大することではありません。それまで1,500石あった生産量を300石まで減産し、生産する銘柄も絞り込みました。
1日にタンク1本という“日仕舞い”が一般的なところを、1週間に1本という“週一仕込み”での酒造りを徹底。時間をかけてじっくりと造り込むことで、精緻な酒造りを追求しています。

また、日本にも数台しかないといわれる「遠心分離器」を導入。酒造りに遠心分離器を用いるというのは前例のないことで、当初は活用するためのノウハウがなく苦労を重ねたそうです。二年にわたる試行錯誤を通じて、独自のチューニングを施し、高純度のエッセンスだけを抽出することに成功。これまでになかった酒造りを実現しました。

勝山の多彩なラインアップをたのしもう

勝山の多彩なラインアップをたのしもう

出典:勝山酒造サイト

「勝山」という創業以来の銘柄は、2つの由来をもちます。ひとつは「勝ち星を山のように取る」という意味で、もうひとつは江戸時期の女性に流行したファッション「勝山髷(まげ)」からとったもの。こうした縁起のよさ、センスのよさは、現在の銘柄にも受け継がれています。
純米大吟醸の「勝山 伝(でん)」、純米吟醸の「勝山 献(けん)」、
そして遠心分離器による「勝山 暁(あかつき)」と、縁起のよい漢字一文字に、それぞれのイメージを象徴させています。

また、遠心搾りによる「暁」をベースに、さらに希少な極芯部分だけを低温抽出したエッセンスを瓶内に封じ込めた「DIAMOND AKATSUKI」は、まさに“液体のダイヤモンド”と呼ぶにふさわしい超高級酒です。

「勝山」のラインナップは今も拡大し続けていますが、すべてに共通するのは、仙台の美しいテロワール(気候や風土などを包括するフランスワインの概念)の恵みである水と米、そして「旨い酒」へのこだわり。宮城県、さらには日本を代表する地酒として、一度は味わってみたいものです。

「勝山」は、地酒マニアだけでなく初心者までを魅了する日本酒。長い歴史や風土の恵み、そして限りない情熱に育まれたその魅力を、ぜひ、味わってみてください。

製造元:仙台伊達家 勝山酒造株式会社
公式サイトはこちら

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