ウイスキー原料は多種多彩! 原料ごとに異なる個性をたのしもう

ウイスキー原料は多種多彩! 原料ごとに異なる個性をたのしもう
出典 : Kirill Z/ Shutterstock.com

ウイスキーの原料は穀物ですが、一口に穀物といっても多種多様。どんな穀物を原料とするかによって、ウイスキーの味わいが大きく異なるもの。奥が深いお酒がウイスキー、ここではその原料による分類についてお話します。

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ウイスキーは原料となる穀物の種類によって大別される

ウイスキーは原料となる穀物の種類によって大別される

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ウイスキーの原料に定義があることを知っていますか?
一般的にウイスキーと呼ばれるには、3つの条件を満たす必要があります。
ひとつめは、穀物が原料であること。2つめは、糖化、発酵、蒸留を行っていること。3つめは木樽で熟成していることです。
この3つの条件のほかに、生産国によってそれぞれ細かい規定があり、それらを満たして、はじめてウイスキーと名のることができます。

ウイスキーの香りや味わいは、蒸留所のある産地に加え、周囲の気候によっても変わるとされるのが一般的です。また、ウイスキー原料は穀物ですが、穀物にもさまざまな種類があり、原料となる穀物の種類によっても、ウイスキーは多種多様に分類されるのです。

ウイスキー原料としておもに使用される素材には、次のようなものがあります。

モルト(大麦麦芽)

大麦の発芽部分を使用したもので、ウイスキー原料としてもっとも多く用いられているスタンダードな素材です。

ライ麦

ライ麦を使ったウイスキーは、少し辛味のあるシャープな味になる特徴があります。

トウモロコシ

ウイスキーのなかにはトウモロコシをおもな原料とするものもあり、まろやかな味が魅力です。

小麦

ウイスキーに小麦を使うと、やさしい味に仕上がります。

以上がウイスキーに使用されるおもな原料ですが、そのほかにも、アワ、キビ、栗、オーツ、そば、なかには米などの穀物が使われることもあります。

これらウイスキー原料によって、ウイスキーは大きく3つに分類されます。
まず、モルトを原料とした「モルトウイスキー」と、その他の穀物類を原料とした「グレーンウイスキー」。そして、この2つをブレンドしたものが「ブレンデッドウイスキー」と呼ばれます。

ここからは、原料ごとの分類にそって、それぞれのウイスキーの特徴を紹介していきます。

ウイスキー原料にモルト(大麦麦芽)を用いた「モルトウイスキー」

ウイスキー原料にモルト(大麦麦芽)を用いた「モルトウイスキー」

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ウイスキーの原料による分類のうち、「モルトウイスキー」とは、大麦麦芽「モルト」のみを原料に単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留したウイスキーです。
ポットスチルは大量生産のきかない伝統的な方法で、ウイスキーの個性が際立つのが特徴です。

大麦には二条大麦と六条大麦がありますが、ウイスキー原料としては、おもに二条大麦が使われます。近年では、ただ大麦を使えばよいというだけでなく、大麦の品種や生産地にまでこだわる蒸留所が増えています。
それだけ、原料となる大麦の質や個性が、ウイスキー造りに大きく影響するということでしょう。

モルトウイスキーのなかでも、いくつか種類があります。まずは「シングルモルト」。これは単一の蒸留所で造られた、複数の樽のモルトウイスキー(モルト原酒)を混ぜて造られたものです。蒸留所のこだわりや個性がはっきりあらわれるウイスキーとして、近年、ウイスキー愛好家の人気を集めています。

さらに、単一の樽(カスク)から瓶詰めされたモルトウイスキーは「シングルカスク」と呼ばれます。
シングルカスクは、通常の店頭では販売されることが少なく、入手できるのが蒸留所の限定販売などに限られているケースが多いようです。瓶に樽のシリアルナンバーが打たれていることもあり、希少性の高いウイスキーです。
それだけに、価格も高くなりますが、ウイスキー愛好家にとっては、ぜひとも手に入れたい逸品なのだとか。

モルトウイスキーを極める!

ウイスキー原料にトウモロコシやライ麦などの穀物を用いた「グレーンウイスキー」

ウイスキー原料にトウモロコシやライ麦などの穀物を用いた「グレーンウイスキー」

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ウイスキーの原料による分類のうち、「グレーンウイスキー」とは、原料にモルトのほかライ麦、トウモロコシ、小麦、未発芽の大麦などの穀物を使ったウイスキーのこと。穀物の種類や比率によって味わいが変わるのが特徴です。

ちなみに、アメリカンウイスキーのなかでも有名な「バーボンウイスキー」も、トウモロコシとライ麦を原料としたグレーンウイスキーです。トウモロコシが多いとまろやかに、ライ麦が多いとスパイシーでドライな味わいが強くなるとされています。

グレーンウイスキーのもうひとつの定義が、単式蒸留器(ポットスチル)ではなく、連続式蒸留器で蒸留させていること。
連続式蒸留器で蒸留する場合は、アルコール度数を95度まで上げることができ、しかも短時間で大量に蒸留することができます。
このため、モルトウイスキーに比べて香りが弱い傾向にあり、ブレンドされることを想定して製造されているものが多いようです。

複数の蒸留所のグレーンウイスキーとモルトウイスキーを混ぜ合わせた「ブレンデッドウイスキー」を造る場合、その味や香りを大きく左右するのが「ブレンダー」の存在です。
どのウイスキーメーカーでも、ブレンダーを務めるのは熟練ウイスキー職人で、蒸留所ごと、樽ごとの原酒の個性や熟成度合いを見極め、最適な配合を導きます。

なお、シングルモルトと同様に、単一の蒸留所で造られたグレーンウイスキーを「シングルグレーン」といいます。

グレーンウイスキーとはどんなもの?

ウイスキー原料に米を用いた「ライスウイスキー」をご存知ですか?

ウイスキー原料に米を用いた「ライスウイスキー」をご存知ですか?

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ウイスキー原料は穀物ですが、穀物という定義には、もちろん米も含まれています。ですから米から造られるウイスキーも存在します。

実際、かつて日本ではキリン・シーグラム社(現キリンディスティラリー)から「ライスウイスキー」というウイスキーが静岡県限定で発売されていました。

ライスウイスキーは、米をウイスキー原料としていますが、同じ米を原料とする米焼酎との違いが気になるところです。製造方法を調べてみると、立派にウイスキーとして成立していることがわかります。

ライスウイスキーの製造方法は、通常のウイスキーと同様に、原料となる米を糖化・発酵させて蒸留することによって造られます。この際、米にモルトを混ぜて発酵させることで、ウイスキーとしての製造に成功したのです。米とモルトの割合は、米が7割に対してモルトが3割というものだとか。

ちなみに、味は雑味がなく、すっきりしており、フルーティで甘味のある風味だったようです。色は通常のウイスキーのような琥珀色とは少し違い、透明感があって米焼酎に近いものです。
また、日本で作られた日本ならではのウイスキーということもあり、とくに和食と相性がよいとされていました。

このライスウイスキーですが、残念ながら1997年に生産が終了しており、製造されていた蒸留所にあるものはすべて製品として出荷済みです。
ただし、未開封のものはオークションなどで流通していることがあるほか、当時、限定販売されていた静岡県では現存している可能性もあるでしょう。
興味のある人は探してみるのも一興では?

ウイスキー原料に、健康食品として知られる「キヌア」を使った変わり種ウイスキー

ウイスキー原料に、健康食品として知られる「キヌア」を使った変わり種ウイスキー

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ウイスキー原料として、あまり一般的には知られてない穀物を用いているケースもあります。
たとえば、アメリカのクラフトディスティラリー(手作業でウイスキーを製造する小規模な蒸留所)として知られるコルセア蒸留所では、キヌアを原料にウイスキーを製造しています。
キヌアとは南米を原産地とする穀物で、近年、健康食品として注目を集めています。

とくに原産地である南米では、同じく健康食品として知られるチアシードよりも知名度が高いとされています。その栄養価はとても高く、食物繊維やビタミン、ミネラルに加え、タンパク質も豊富であることから、NASAが機能性の高い宇宙食として認定している食品でもあるのです。

このキヌアを原料としたウイスキーは単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留されています。キヌアには糖度が少ないため、キヌア2割程度に対して、モルト8割程度を混ぜることで、造られているそうです。

キヌアのような珍しいウイスキー原料は、手作業でのウイスキー造りを行うクラフトディスティラリーだからこそ使用できるもの。
コルセア蒸留所の創始者であるダレク・ベル氏は、新しく自由なアイデアのもとでのウイスキー作りに取り組む第一人者として知られます。ほかにもオートミールやジュズダマなど、これまでウイスキー原料には用いられなかった穀物も、積極的にウイスキー原料に取り入れているそうです。

気になるキヌアウイスキーの味は、角がなくて軽い風味。さらに、フルーティな甘さや、ナッツのような風味も感じられ、水割りにするとすんなりと口から喉に通り抜ける感覚なのだとか。個性的ながら飲みやすい味わいは、ウイスキー好きはもちろんのこと、普段、あまりウイスキーを飲まない人にもやさしいでしょう。

ウイスキーは、製造方法はもちろんのこと、原料によってもかなり違った香りや味わいを醸し出してくれます。そのなかで、人それぞれに自分が好きな味わいのウイスキーを探し出すのもたのしみのひとつでしょう。

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