「獺祭(だっさい)」日本酒人気の火つけ役《きき酒師監修》

「獺祭(だっさい)」日本酒人気の火つけ役《きき酒師監修》
出典 : 旭酒造サイト

「獺祭」は、全国的に名酒として知られるようになった日本酒です。ある時期から急激に需要が増え、その人気から一時は「幻の酒」とも呼ばれました。山口県の定番酒「獺祭」の人気に迫ります。

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理由3:さまざまなメディアでの露出

「獺祭」は、安倍首相がプーチン大統領やオバマ大統領など各国トップにプレゼントした際に、各メディアで報じられました。
また、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の劇中に登場した際には、放映後にネットで「獺祭」を検索する人が続出したのだとか。
さらに、ユニクロでは、新店オープンの乾杯酒に「獺祭」を使用しており、新たな店舗が報じられる度に「獺祭」の樽が登場しています。
ちなみに、安倍首相とエヴァンゲリオンの庵野監督、またユニクロの柳井社長は3人とも「獺祭」と同じく山口県出身であることから、地元の名酒「獺祭」を使っているようです。

こうしたことが重なって「獺祭」は山口の地酒から、日本酒の代表格といわれるほどのお酒になっていったのです。

「獺祭」はもう幻の酒じゃない?

「獺祭」はもう幻の酒じゃない?

「多くの人に喜んでもらいたい」という蔵元の想いから、近年は比較的入手しやすくなった「獺祭」
出典:旭酒造株式会社

「獺祭」が「幻の酒」といわれるようになったのは、旭酒造が「獺祭」を取り扱える店を限定する「特約店制度」をとっていたことも理由のひとつです。

これは、いわゆる「限定品」商法ではなく、商品のブランドイメージを守ることが目的でした。自分たちが精魂を込めた「獺祭」を大切に思うがゆえに、「品質管理をしっかりとできるお店だけに扱ってほしい」という気持ちから、この制度がはじまったのだそうです。

しかし、人気が過熱するあまりに、飲みたいのに入手できない人が続出し、一部の転売業者によって価格が高騰するという事態は、蔵元にとって好ましいことではありませんでした。

より多くの人に「獺祭」をたのしんでもらおうと、生産体制を整えたことで、現在は十分な供給量を保たれるようになり、品薄状態も次第に解消へ。店頭やインターネットの通信販売でも定価で見かけるようになっています。

一度は飲みたい「幻の酒」から、何度でも飲みたい「定番のお酒」へと変化しつつある「獺祭」。日本酒好きにとっては、うれしいことですね。

製造元:旭酒造株式会社
公式サイトはこちら

監修者

伊東幸一

伊東幸一

(一社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ、きき酒師、焼酎きき酒師、日本ビール検定1級、ビアジャーナリスト、フードアナリスト。
好奇心旺盛なため、お酒であれば何でも試してきました。いま最も好きなカテゴリーはビール。時間があれば飲食店や各種お酒関係のイベントに参加。

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