熟成芋焼酎が人気急上昇?!
一般的に芋焼酎は蒸留後、酒質を落ち着かせるために3か月ほど、貯蔵してから出荷します。しかし、中にはより風味をアップさせるために長期熟成を施したものも。それらは「熟成芋焼酎」と呼ばれ、年々種類が増えているだけでなく “新酒”ものとはまた違う味わいに魅了される焼酎ファンも増えているようです。
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熟成芋焼酎とはどんなもの?
写真/鹿児島観光サイト
焼酎の熟成というと沖縄の泡盛、または麦焼酎を思い起こす人が多いかもしれませんが、芋焼酎の中にもタンクやかめ壺、中にはオーク樽で長蔵熟成させる蔵元も。その狙いはより奥深い香り、旨み、そしてコクのある味わいを醸し出すため。
3年以上の熟成を得ると「熟成香」と呼ばれる独特の香りが生まれます。中には5年ものや8年もの、さらに15年以上熟成させ、その中から選りすぐりのものだけを出荷するというレアものも。長い時間をかけて造られるので、蒸留して3か月ほど貯蔵してから出荷する、いわゆる“新酒”ものよりお値段は高め。しかも数量限定。日々の一杯というよりは、ハレの日に開けたい焼酎ですね。
「天使の誘惑」
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富乃宝山を作る西酒造が製造する熟成芋焼酎。鹿児島県産の焼酎用のサツマイモ、コガネセンガンで仕込んだ焼酎を、欧米の樽で約8年間、長期熟成。こうして出来上がった薄い琥珀色の産物は、強い旨みもコクを備え、複雑で、厚みがありながら、甘みもはっきり存在した逸品に。凝縮した味わいとその余韻の長さをたのしむなら、ぜひ、ロックで。ソーダやジンジャーエールなどの炭酸割りにも合います。また、バニラアイスにかけ、ラムレーズンのような味わいをプラスするなど、大人のデザートとしておすすめです
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「佐藤 黒」
写真/公益社団法人 鹿児島県観光連盟
入手困難なプレミアム焼酎のひとつである「黒麹仕込佐藤」、通称「佐藤 黒」も熟成芋焼酎のひとつ。鹿児島を代表する焼酎用のサツマイモ、コガネセンガンをひとつひとつタワシで丁寧に下処理し、黒麹、そして霧島連山の伏流水と共に仕込み、昔ながらの常圧式で蒸留。サツマイモのしっかりした甘さのほか、力強い香りと味わいも併せ持った焼酎ができますが、そのままさらに数年、丁寧に熟成。より繊細かつなめらかな舌触りが生まれました。
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「蔵の師魂 喜」
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1833年創業、鹿児島県日置市にある小正醸造。その代表銘柄が「蔵の師魂」。サツマイモ作りの名人といわれ、黄綬褒章も受章した東馬場伸氏が育てる上質のコガネセンガンを用い、素焼きのかめ壺にて貯蔵。芳醇な香りと優しい口当たりが特徴の上品な芋焼酎ですが、この原酒をさらにかめ壺に入れ、15年以上熟成。その中でも選りすぐりのものが「蔵の師魂 喜」として世に送られます。長い年月を重ねることで生まれる円熟の香り、甘み、深み、そして丸み。数量限定で、かつ通常価格でも1万円を超える希少かつ高級な1本。大切な方への贈り物はもちろん、特別な日の一献にもおすすめです。
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いつも飲んでいる焼酎とどんな味わいの違いがあるのか、機会があったらぜひ試してみてください。