ライトな味わいのウイスキーが好例なスコットランド・ローランド地方

ライトな味わいのウイスキーが好例なスコットランド・ローランド地方

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ローランドモルトとは

ローランドモルトとは

BURDE Photography/ Shutterstock.com

エジンバラやグラスゴーといった日本にもよく知られた大都市を擁するスコットランド・ローランド地方。スコッチが生産されているほかの地域に比べて都会的な場所であり、国境を接するイングランドの影響もうけやすいことから、大資本の手が入りやすいという特徴がありました。

こうした立地特性がローランドのウイスキー業界には大きく影響。初期投資にコストのかかる連続式蒸留機を導入することが可能になり、そのことがグレーンウイスキーとブレンデッドウイスキーを登場させるきっかけにもなりました。

このようにローランドはグレーンとブレンデッド誕生の地ではありますが、もともとは当然モルトウイスキーの生産地。アイリッシュの影響を受けた3回蒸留を行っている蒸留所など個性的なウイスキーもありますが、全体的にはハイランドやスペイサイドに比べるとはるかにライト、そしてドライで都会的。やはり風土とウイスキーの味わいは大きく関係しているという好例です。

グレーンウイスキーの生産が多いローランド地方では昔ながらの蒸留所は減る傾向にありましたが、近年、新しい蒸留所がオープンするなど、また新しい風が吹き始めています。

歴史ある「グレンキンチー」

歴史ある「グレンキンチー」

gueriero93/ Shutterstock.com

年々減る傾向にあったローランド地方の歴史ある蒸留所。そのなかで現存する数少ない昔ながらの蒸留所が「グレンキンチー」です。スコットランドの首都・エジンバラの近郊にありますが、蒸留所のまわりは広大な大麦畑が広がるのどかな環境。

ローランドモルトらしく、すっきりとまろやか、かつライトな味わいが特徴のシングルモルトです。グレンキンチー蒸留所ではシングルモルトとしてボトリングされるのはわずか10%。残りはすべてブレンデッドウイスキーの原酒に。「ジョニーウォーカー」に使われていることでも知られています。

ローランドの伝統を守る「オーヘントッシャン」

ローランドの伝統を守る「オーヘントッシャン」

Sergiy Palamarchuk/ Shutterstock.com

ローランド地方を代表する大都市グラスゴー近郊にある蒸留所「オーヘントッシャン」。一番の特徴は、アイリッシュの影響を受けたローランド伝統の3回蒸留を行っていること。製品の一部を3回蒸留する蒸留所はほかにもありますが、すべてを3回蒸留している蒸留所はスコットランドではここだけです。

3回蒸留による味わいの特徴は、アルコール度がより高くクリアなモルト原酒になること。磨きをかける分、強烈な個性は少なくなりますが、さわやかで軽快な飲み口は飲む人を選ばず、シングルモルト入門としてもおすすめの銘柄です。

様々な味わいのあるスコッチウイスキー。いろいろなスコッチをオーダーして試してみてください。

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