美しい銘柄名も目を引く。鹿児島の注目焼酎2
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淡い琥珀色が美しい「天使の誘惑」
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鹿児島の焼酎といえば、もちろん芋焼酎。現在、鹿児島にある蔵元は100軒以上で、そのほとんどが芋焼酎を造っています。個性豊かな芋焼酎の中には、全国的に有名なものも多数あります。数多くの人気銘柄がある鹿児島の芋焼酎ですが、地元でも人気の美しい銘柄名のものを紹介します。
1845年に創業の西酒造は、人気銘柄「富乃宝山」で知られる酒蔵です。「天使の誘惑」は、樫樽で10年ほど長期熟成されているため、薄い琥珀色をした芋焼酎です。熟成によりまろやかな甘味とコクが生まれ、凝縮した味わいが口の中に残ります。2014年に「インターナショナル ワイン&スピリッツ コンペティション(IWSC2014)」で最高金賞&部門最高賞 ”トロフィー”を ダブル受賞しています。
天使の甘い誘惑に負けないように、急がずゆっくりと淡い琥珀色をたのしみながらグラスをかたむけたい焼酎です。
地元に愛される「白玉の露」
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幻の芋焼酎として手に入りにくく、「森伊蔵」「村尾」と共に「3M」と呼ばれた「魔王」。その魔王を造っているのが白玉醸造です。「白玉の露」は、明治の創業以来から銘柄名とラベルが変わっていない伝統のある代表銘柄。地元の人にも長く愛されています。美しい銘柄名は、若山牧水の歌集「路上」の「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」に由来しています。
地元大隅産のサツマイモ、コガネセンガンを原料に白麹で醸した焼酎は、やさしい芋の香りとまろやかでキレのよい飲み口です。地元の人はお湯割りで飲みますが、香りを感じるロックもおすすめです。
こだわりの甕壺仕込み「華奴」
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伝統の製法「甕壺仕込み」による芋焼酎造りを行う大久保酒造。「華奴」は、このこだわりの製法で造られた本格芋焼酎です。美しいネーミングは、若い女性に焼酎にもっと華やかな印象を持ってもらいたい、という思いから命名されたそう。
わずかな人数で作っている小さな蔵ですが、量を売るよりも質のよいものを、というのが信条。サツマイモは有機栽培のものを手作業で傷んだ部分を取り除き、水は島津公御光越の際に献上されたことで知られている志布志の名水「御前の水」を使っています。
甕壺仕込みで仕上げた芋焼酎は、風味や甘味が抑えられスッキリと飲みやすいと評判です。お湯割りにすると、ふくよかな香りはふんわりと漂い心地よい余韻が続きます。「芋焼酎のお湯割りは苦手」という人にも、試してほしい銘柄です。
美しい名前を持つ芋焼酎は味わいもまろやかでやさしいものばかり。気に入った銘柄名から好みの焼酎を探すのも、おもしろいかもしれませんね。