食事をよりたのしむ「アペリティフ」とは?アペリティフに合うお酒やおつまみレシピを紹介!
アペリティフとは、「食前酒」を意味するフランス語。食前酒そのものを指すだけでなく、食前酒をたのしむ時間や習慣を表すこともあります。ここでは、アペリティフの基本情報や、アペリティフとして飲まれるお酒の種類、アペリティフに合うおつまみなどを紹介します。
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近年日本でも注目されているアペリティフについて、深掘りしていきます。
アペリティフ(apéritif/アペリチフ)とは?
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レストランなどでよく耳にするアペリティフ。フランス語で「食前酒」を意味します。まずはアペリティフの概要や、本場フランスではどのようにたのしまれているのかについてみていきましょう。
「食前酒」を意味するフランス語
アペリティフとはフランス語で、食欲増進のために食前に飲むお酒のこと。一般的には、食事の前に飲む「食前酒」を指し、略して「アペロ」と呼ばれることもあります。
アルコールには消化酵素の分泌や、胃の血流を促進して胃の動きを活発にし、消化運動を促す効果が認められていることから、食前に飲めば食欲増進につながるといわれています。
アペリティフは「食前酒」を意味する言葉ですが、食前酒をたのしむ時間や習慣を指す場合もあります。
日本ではまだあまりなじみがないかもしれませんが、夕食の前に「アミューズ(アミューズブーシュ/アミューズグール)」と呼ばれるおつまみとともにアペリティフを飲んでリラックスすることは、オンからオフへの切り替えタイムにもなっています。食事の時間をたのしむフランス人らしい、粋な食文化といえるでしょう。
フランスのアペリティフ事情
実際にフランスでは、アペリティフをどのようにたのしんでいるのでしょうか。
プライベートな時間を大切にするフランス人にとって、夕食前のアペリティフは小腹を満たす以上に重要な役割を担っています。フランスでのディナータイムが20時〜21時と日本よりも遅めなこともあり、仕事が終わり、夕食までのひとときはのんびりとアペリティフをたのしむ時間にあてられているようです。
日常的なプライベートタイムを充実させて、人生をより豊かに彩ること。そんなフランス人らしいライフスタイルを広めようと、フランス農水省は2004年から、毎年6月の第1木曜日を「アペリティフの日」として、世界各国でさまざまなイベントを企画するようになりました。その甲斐あってか、日本でも少しずつアペリティフの習慣が浸透しつつあります。
アペリティフに何を飲む?
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アペリティフにはどんなお酒がおすすめなのでしょうか。決まりやルールがあるのかについても確認していきます。
実はアペリティフに飲むお酒に決まりはない
アペリティフには明確な定義がなく、アペリティフとして飲まれるお酒の種類にも決まりはありません。
とはいえ、空腹時にアルコール度数の高いお酒を飲んでしまうと、血中アルコール濃度が上昇し、体の負担になるばかりか悪酔いしてしまう可能性もあります。アペリティフをたのしむことで食欲増進につながるとされているのは、あくまで適量の場合。その後の食事の妨げにならないよう、アペリティフにはアルコール度数が低めでスッキリとした味わいのものを選びましょう。
スパークリングワインやワインをベースにしたお酒が人気
フランスはワイン大国だけに、アペリティフとしてよく選ばれるのもやはりワインです。
主流はなんといっても、シャンパンなどのスパークリングワイン。さわやかな炭酸が食欲をほどよく増進させてくれます。アペリティフの場合、複雑な味わいのものよりも、カジュアルで飲みやすいタイプのものを選ぶとよいでしょう。
シェリー酒やポートワインなどの酒精強化ワイン(フォーティファイドワイン)、ベルモットに代表されるフレーバードワインも人気です。カクテルが好きな人には、ミモザやキールなど、ワインベースのカクテルがイチオシです。
非発泡性のワインをアペリティフに選ぶ場合は、スッキリとした辛口白ワインやフルーティーなロゼワインを選ぶとよいでしょう。
薬草・香草系リキュールやカクテルも人気
ワイン系のほかに、スピリッツに薬草や香草を浸出して造るアブサンやカンパリ®、ペルノなどのリキュールや、ビターズのような苦味の強いリキュールも人気です。
飲みやすいのはやはりカクテルですが、炭酸水などで割るだけでも美味しくたのしめるので、アルコール度数を調整しながら、アペリティフにぴったりの飲み方を探してみてください。
アペリティフに合うおつまみは?
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アペリティフは食前に飲むお酒ですが、空きっ腹に入れるよりは、おつまみと一緒にたのしみたいもの。アペリティフにぴったりのおつまみをみていきましょう。
手軽につまめる軽食
アペリティフはディナー前のちょっとしたおたのしみといったポジションなので、すぐに準備ができて、片手でつまんで食べられるフィンガーフードが基本です。
おすすめは、チーズやナッツ、ドライフルーツ、スナック類など。お酒とともに会話をたのしんだり、ひとりでゆったりとしたひとときを満喫するための時間ですから、そこまで気合いを入れる必要はなく、ペアリングを気にする必要もありません。
クラッカーにパテやクリームチーズなど市販のものを利用してもよし、常備菜として保存してあるものでもよし。その後の食事に影響が出ない程度に、適度な量をたのしみましょう。
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アペリティフタイムを彩るかんたんレシピ3選
アペリティフにぴったりのおつまみレシピを紹介します。
ハムチーズのクラッカーサンド
どんなお酒とも好相性な、市販のクラッカーを使った時短レシピです。ほどよい塩気と歯ごたえで、食欲を刺激してくれます。
<材料>
クラッカー…8枚
ハム…2枚
ピザ用チーズ…30グラム
粒マスタード…小さじ2
クラッカーに粒マスタードを塗り、ハムとピザ用チーズを挟んでオーブントースターで焼くだけと作り方もかんたん。
お好みクラッカーピッツァ
クラッカーをピザ生地に見立てて多彩な具材とチーズを乗せてオーブントースターで焼くだけ。見た目もカラフルな一口サイズのおつまみに仕上がります。
<材料>
クラッカー …8枚
ミニトマト…2個
ブロッコリー…1/8個
むき海老…4個
アボカド…1/4個
アンチョビ…2枚
ピザ用チーズ …適量
タバスコ® …適量、お好みで
オーブントースターのトレイにクラッカーをすき間なく並べ、ミニトマトやブロッコリー、海老、アボカド、アンチョビなどを乗せてピザ用チーズをふりかけるだけ。チーズにこんがりと焼き色がついたら完成です。
まぐろとアボカドの山わさびかけ
ピリッとわさびが食欲をそそる、魚介のおつまみです。
<材料>
まぐろ…60グラム
アボカド…1/2個
山わさび(すりおろし)…大さじ1
白だし…小さじ1
まぐろとアボカドをスライスしてお皿に並べたら、3:1の割合で混ぜた山わさびと白だしをかけてできあがり。ワイン系のアペリティフに合わせる場合は、オリーブオイルをプラスしても美味しく仕上がります。
アペリティフは食欲を増進させ、リラックスした雰囲気作りにもぴったりの食前酒。ライフスタイルに取り入れることで、いつもの食事が至福のひとときに変わるかもしれません。夕方以降のスケジュールが空いた日は、軽いおつまみを準備して自宅でアペリティフをたのしんでみてはいかがでしょうか。