シャンパン(シャンパーニュ)とは? お祝いの席に最適なお酒!

シャンパン(シャンパーニュ)とは? お祝いの席に最適なお酒!
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シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で造られる発泡性ワインのことで、法に定められた規定にのっとって醸造されています。今回は、シャンパンの特徴や種類、スパークリングワインとの違い、製法、たのしみ方、代表的な銘柄などについて紹介します。

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シャンパンとは?

シャンパンとは?

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シャンパンの特徴とスパークリングワインとの違いについて紹介していきます。

シャンパンの特徴

「シャンパン(仏:Champagne)」とは、フランスのシャンパーニュ地方で造られた発泡性ワインのことで、 フランスのワイン法(AOP法:原産地名称保護制度 ※2008年まではAOC法)に定められた規定どおりに造られた発泡性ワインのみが、シャンパンと名乗れます。
シャンパンは、「シャンペン」または「シャンパーニュ」と呼ばれることもありますが、日本ではソムリエなどのプロフェッショナルのあいだでは「シャンパーニュ」という呼び方が主流のようです。

シャンパンの大きな特徴は、繊細で濃密な「泡」。シャンパングラスの底から立ち上る細かい泡は、飲む人の気分を盛り上げます。フランスでは、この美しい泡のことを「ペルル(真珠)」、グラスの内側に沿って輪のように連なる泡を「コリエ・ド・ペルル(真珠の首飾り)」と呼ぶのだとか。

真珠のような泡を持つ、光り輝くシャンパンは、まさにハレの日にふさわしいお酒といえます。

シャンパンとスパークリングワインの違い

シャンパンはスパークリングワインの一種です。スパークリングワインとは、ガス圧が3気圧以上の発泡性ワインの総称で、シャンパンのほかに、スペインの「カヴァ」やイタリアの「スプマンテ」、ドイツの「ゼクト」などがあります。

シャンパンとその他スパークリングワインとの違いは、前述のとおり、フランスのシャンパーニュ地方でワイン法に規定された条件を満たして造られているか否か。同地・同製法で造られていたとしても、AOP法に準じたものでなければ、シャンパンと名乗ることはできません。

シャンパンの種類、シャンパンに使用できるブドウ品種

シャンパンの種類

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シャンパンは、色やグレード、甘辛度などによって複数の種類に分類されます。

シャンパンの色による分類

シャンパンといえばゴールドというイメージがありますが、シャンパンの色には、シャンパンゴールドの見た目が印象的な「白」と淡いピンク色の「ロゼ」の2種類があります。

<白>
シャンパンの「白」 は、ふつう「ピノ・ノワール」や「ピノ・ムニエ」という2種類の黒ブドウや「シャルドネ」種という白ブドウの両方を使って造られますが、それ以外に以下の2タイプが あり、特別に区別して呼ばれます。ます。

◇Blanc de Blancs(ブラン・ド・ブラン)
シャルドネ種のなど 白ブドウ100%で造られたシャンパン。

◇Blanc de Noirs(ブラン・ド・ノワール)
ピノ・ノワール やピノ・ムニエ などの黒ブドウのみで造られたシャンパン。黒ブドウ品種を使っても色素を抽出しないため、赤ワインのような色合いになることはありません。

<ロゼ>
アッサンブラージュ(調合)という工程で、ピノ・ノワールやピノ・ムニエで造った赤ワインを10%ほどブレンドして造られたシャンパン。ロゼの製法はこの「アッサンブラージュ法」が主流ですが、黒ブドウをつぶして果皮や種、果汁をタンクに入れて醸し、薄く色づいてきたところで上澄みの果汁のみを発酵させる「セニエ法」や、つぶした黒ブドウを圧搾していく過程でピンク色に色づいた果汁を発酵させる「直接圧搾法」で造られることもあります。

シャンパン造りに使用される主要なブドウ品種は、黒ブドウのピノ・ノワールとムニエ、白ブドウのシャルドネの3種類で、栽培面積の99パーセント以上を占めます。

ほかにプティ・メリエ、アルバンヌ、ピノ・ブラン、ピノ・グリの4品種が認められていますが、栽培面積は全体の1パーセント以下といわれています。

(2021年に8種類目の品種としてヴォルティス種が追加で承認されましたが、2024年時点では実験的認可で、実際のシャンパーニュの製品にはブレンドされていない)

地球温暖化の影響で、ワイン不毛の地と言われたイギリスでもワイン用ブドウ栽培が拡がり、高評価を獲得するスパークリングワインが続々と誕生しています。将来、シャンパーニュ地方でも栽培されるブドウ品種の種類や構成比が変化していくのかもしれませんね。

シャンパンのグレードによる分類

シャンパンは製法により、最高級のプレステージやヴィンテージ、ノン・ヴィンテージなどの種類に分類されます。

◇プレステージ・シャンパン
各生産者が威信をかけて造った最高級シャンパン。グラン・クリュ(特級畑)で収穫されたブドウを使用したり、熟成年数を長くしたりと、随所にこだわって造られます。

◇ヴィンテージ・シャンパン(ミレジメ)
できのよかった年のブドウ100%で造られたシャンパン。瓶内で最低3年熟成させてから出荷されます。ラベルには製造年が記載されます。

◇ノン・ヴィンテージ・シャンパン(ノン・ミレジメ)
スタンダードなシャンパンで、シャンパンのおよそ8割が該当。その年に造ったワインに、複数年のワインをブレンドして造られます。最低15カ月瓶内熟成させてから出荷されます。

シャンパンの甘辛度による分類

シャンパンは、打栓前に「門出のリキュール」と呼ばれる糖分をワインに溶かしたものが添加され、味わいが調整されます。この工程を「ドサージュ(ドザージュ)」といいます。

ドサージュの工程で添加される糖分の量によって、極辛口から極甘口まで大きく6つに分けられます。

<甘辛度による分類>
Extra Brut(エクストラ・ブリュット):極辛口
Brut(ブリュット):辛口
Extra Sec(エクストラ・セック)、Extra-Dry(エクストラ・ドライ):中辛口
Sec(セック):中甘口
Demi Sec(ドゥミ・セック):甘口
Doux(ドゥー):極甘口


なお、近年人気の門出のリキュールが添加されない無糖タイプや、糖分添加量が極少ない(3g/L以下)超辛口のシャンパンは、以下のように呼ばれます。

Non Dose(ノン・ドゼ)
Pas Dose(パ・ドゼ)
Dosage Zero(ドサージュ・ゼロ)
Brut Zero(ブリュット・ゼロ)
Ultra Brut(ウルトラ・ブリュット)
Brut Nature(ブリュット・ナチュール)


このほかにもさまざまな呼称があります。

シャンパンのきれいな泡を作り出す製法

シャンパンのきれいな泡を作り出す製法

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シャンパンのきれいな泡を作り出す製法は、おもに3つありますが、「シャンパン(シャンパーニュ)」を名乗ることができるのは次にあげる「メトード・トラディショネル(トラディショナル製法)=伝統製法(メトード・シャンプノワーズ=シャンパーニュ製法)」のみです。

トラディショナル方式(シャンパーニュ製法)

瓶詰めしたワインに糖分と酵母を加えて瓶内で二次発酵させる伝統製法。瓶内二次発酵を2カ月ほどかけて行うことにより、酵母の働きで糖分がアルコールと炭酸ガスに分解され、シャンパン特有の泡が作られます。

発酵後は瓶口を下にして、毎日少しずつ回転させて澱(おり)を集める「ルミュアージュ(動瓶)」や、瓶の口付近に集まった澱を取り除く「デゴルジュマン(澱抜き)」などの作業が行われます。

なお、シャンパーニュ地方以外のフランス国内でこの方式で造られたスパークリングワインは「クレマン」と呼ばれます。

以下のふたつの製法は「シャンパン」では使用されません。

■トランスファー方式

瓶内二次発酵させたワインを加圧式のタンクに移し、冷却・ろ過して澱を抜いてから再び瓶に詰める製法。いわばトラディショナル方式を簡略化したもので、動瓶や澱抜きの作業は行われません。

■リュラル方式(田舎式製法)

一次発酵の途中で瓶に詰め、残りの発酵を瓶内で行う製法。澱は取り除かれず、多くの場合そのまま出荷されます。トラディショナル製法よりもさらに古くからある製法といわれています。

リュラル方式では、発酵の最適なタイミングを見計らわなければならないため手間がかかりますが、今も南フランスのガイヤック地方で用いられています。なお、ガイヤック地方で用いられていることから、「メトード・ガイヤコワーズ」と呼ばれることもあります。

シャンパンのたのしみ方

シャンパンのたのしみ方

Mariyana M/ Shutterstock.com

シャンパンの開け方や注ぎ方とともに、お祝いの場で好まれる理由を紹介します。

シャンパンの開け方

シャンパンを開ける前に大切なのは、まずはよく冷やしておくこと。次になるべくボトルを揺らしたり振動をあたえないのが前提です。
そして、シャンパンの開栓は、一般に以下のような手順で進めます。

1.瓶口のシールを剥がす。
2.瓶の首部分を握り、親指で栓の上から押さえながら、もう片方の手で針金をゆっくりとゆるめる。このとき針金は外さない。
3.吹きこぼれ防止のために瓶口を布(トーション)などで覆い、再び瓶の首を握って、親指で栓をしっかり押さえる。
4.瓶を立てたまま、もう片方の手で瓶の下のほうを握り、ゆっくりと瓶を回す。
5.ガス圧で栓が上がってきたら瓶を持ち上げ、栓が飛び出さないように押さえ込むようにしながら少しずつ抜いていく。
6.最後に栓を少し傾けて隙間からガスを逃し、栓を抜く。


なお、シャンパンは購入後数日~1週間ほど冷暗所で寝かせる、開栓前に冷蔵庫などでよく冷やすなどの事前準備も必要です。

シャンパンの注ぎ方

シャンパンは開栓してすぐにグラスに注がず、少し待って泡を落ち着かせてから注ぎ始めます。グラスはフルートグラスがおすすめです。

注ぐ際は、泡がグラスから吹きこぼれないよう、2~3回に分けて静かにゆっくりと注ぐのがポイント。最終的に注ぐ量は、グラスの6分目くらいが目安です。

シャンパンを注いだグラスは、体温が伝わらないように、ステム(脚)の下のほうを持つようにします。

シャンパンがお祝いの場に好まれる理由

シャンパンがお祝いの場で好まれるようになったのは、17世紀後半に遡ります。それまでシャンパーニュ地方のワインといえば赤ワインで、発泡したワインは失敗作とされ造り手たちに忌み嫌われていたとか。しかし、ベネディクト会の修道士ドン・ペリニヨン氏が発明した製法によって発泡性ワインの味わいが格段に向上すると、風向きは変わります。

じつは、ドン・ペリニヨン氏は黒ブドウから非発泡の白ワインを造るべく研究を重ねていたのですが、生産した白ワインの一部が発泡性ワインになっていたそう。皮肉なことにこの泡のある白ワインが好評で、パリの社交界で王侯貴族たちに好んで飲まれるようになりました。

大流行のシャンパンは、フランス国王の戴冠式後に開かれる祝宴でも振る舞われるようになり、それ以来「シャンパン=お祝いのお酒」というイメージが定着したといわれています。ちなみに、19世紀までの戴冠式は、シャンパーニュ地方の中心都市ランスにあるノートルダム大聖堂で行われていたそうです。

シャンパンは世界に広がり、結婚式などのお祝いの場に欠かせない存在になっていきました。

シャンパンの有名銘柄

最後に、お祝いの日に一度は飲んでみたい、シャンパンの有名銘柄を紹介します。

ドン ペリニヨン(ドン・ペリニヨン)

ドン ペリニヨン(ドン・ペリニヨン)

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社

とくに知名度の高いシャンパンのひとつが、フランスのモエ・エ・シャンドン社が生産する「ドン ペリニヨン」。その名は17世紀にシャンパン造りに大きな功績を残した修道士、ドン・ピエール・ペリニヨン氏に由来しています。

「ドン ペリニヨン」が高級とされる大きな理由のひとつが、ブドウのできがよい年に造られる「ヴィンテージ」のみを生産していること。スタンダードな「ブラン」のほか、シャルドネとピノ・ノワールの完璧なハーモニーを表現する「ロゼ」、長期熟成された「プレニチュード2」「プレニチュード3」などがラインナップされています。

販売元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社
ブランドサイトはこちら(日本語版)

クリュッグ(KRUG)

クリュッグ(KRUG)

出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社

「クリュッグ」は「シャンパンの帝王」と称され、世界中に「クリュギスト」と呼ばれる熱狂的なファンを持つ。クリュッグ社は、伝統的な製法でプレステージ・キュヴェのみを造っています。

ブランドを代表する「クリュッグ グランド・キュヴェ」は、120種類以上のワインがブレンドされています。ほかに、力強くエレガントな「ロゼ」、単一年のブドウだけで造られた「ヴィンテージ」などがあります。

販売元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社
「クリュッグ」は世界の愛好家を魅了する”シャンパンの帝王”!

ルイ・ロデレール

ルイ・ロデレール

出典:ルイ・ロデレール

1776年に創業し、家族経営を続けるルイ・ロデレール社は世界最高峰のメゾンとして知られ、シャンパン「ルイ・ロデレール」は「手仕事の芸術品」と称されています。

19世紀にロシア皇帝に捧げられたという、世界的に名高いプレステージ・キュヴェ「クリスタル」のほか、スタンダード・キュヴェの「コレクション」(2022年3月現在は「ルイ・ロデレール コレクション 242 」が販売中)や、「ブリュット・ヴィンテージ・ロゼ」などのラインナップがあります。

製造元:ルイ・ロデレール
輸入販売:エノテカ

シャンパン「クリスタル」は老舗メゾンの最高傑作

シャンパンは、シャンパーニュ地方で伝統製法とフランスのワイン法に準じて造られる、スペシャル感のある発泡性ワイン。お祝いの席や特別な日には、真珠のように美しい泡を愛でながら、じっくりと堪能したいものですね。

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