韓国のビールの特徴は? 味わいの傾向や人気の銘柄、一風変わった飲み方まで紹介

韓国のビールの特徴は? 味わいの傾向や人気の銘柄、一風変わった飲み方まで紹介
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韓国のお酒といえばマッコリや韓国焼酎(ソジュ)を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、じつは韓国内でもっとも消費されているのがビール。近年は韓国産のおいしいビールが登場し、人気を集めています。ここでは、韓国の特徴や歴史、代表的なビールメーカーと人気銘柄を紹介します。

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韓国ビールの特徴や人気銘柄、独特の飲み方についてみていきましょう。

韓国ビールの特徴

ゴクゴクと飲みやすい韓国のビール

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ビールは生産される国は地域によって、好まれる味や個性があります。韓国のビールには、どのような特徴があるのでしょうか。

韓国のビールは苦味が少ない!? 日本のビールとの違いは?

韓国には輸入ビールをはじめ、さまざまな銘柄のビールが流通していますが、韓国産のビールも人気を集めています。

主流となっているのは、大手ビールメーカーが手がけるビールで、苦味が少なく、スッキリ爽快なのどごしを特長に持つ銘柄。苦味とコクのある日本のビールよりも軽めの印象です。アルコール度数は4.5~5%程度のものが多く、日本よく飲まれているビールと同等か少し低いといわれています。

韓国のビールは日本のビールに比べて「味が薄い」と表現されることがありましたが、近年は日本と同様にクラフトビール人気が高まり、苦味の強いビールなども注目されています。また、大手ビールメーカーからも、従来のイメージを覆す人気商品が登場しています。

韓国におけるビールの歴史

キリンホールディングス株式会社が独自にまとめた「2022年 世界主要国のビール消費量」によると、韓国は「国別一人当たりビール消費量」において、日本をリードしています。韓国というとマッコリや焼酎(ソジュ)が飲まれている印象がありますが、ビールの人気も高いことがうかがいしれます。

といっても、韓国のビールの消費量がマッコリを抜き、お酒全体の消費量の約半分を占めるようになったのは比較的最近のことです。

韓国のビールの歴史は比較的浅く、その幕開けは20世紀以降といわれています。主要なビールメーカーの前身が創業したのは1930年代のことで、国産ビールが飲まれるようになったのはさらにあとの話です。

韓国のビールは、OBビールとハイトビール(現在のハイト眞露)という、大手2大メーカーによって成長を遂げてきました。
また、国際的なイベントもビールを広める要因に。1988年開催のソウルオリンピック、2002年の日韓共催FIFAワールドカップをきっかけに韓国国内における消費が拡大。といっても、現在のようにビール人気が高まるにはまだまだ時間を要します。

韓国のビール事情が大きく変化したのは、2010年代に入ってからのこと。輸入ビールが増えて日本のビールをはじめ、ドイツやアメリカなど海外の銘柄がお店に並ぶようになりました。

酒税法改正による規制緩和も追い風になりました。韓国では2002年のワールドカップをきっかけに、小規模醸造所でもビールの製造・販売が行えるようになり、クラフトビールが台頭。近年ではスーパーマーケットやコンビニなどにも出回るようになりました。

輸入ビールやクラフトビールの人気を受け、韓国国産ビールは多様性の時代へ突入。スッキリ爽快なビールだけでなく、さまざまな味わいの商品が市場を賑わせています。

韓国の代表的なビールメーカーと人気銘柄

韓国のビール市場は、長年ハイトビールとOBビールのほぼ独占状態でしたが、2014年にロッテグループのロッテ七星(チルソン)飲料が「KLOUD」をひっさげビール業界に参入して以来、3強によるシェア争いが続いています。

ここでは、韓国を代表するビールメーカーによる人気銘柄を紹介します。

韓国ビール界の超新星「TERRA(テラ)」|ハイト眞露

韓国で人気爆発中の新ブランドビール「TERRA」

出典: PR TIMES

「TERRA」は韓国の大手酒造メーカー、ハイト真露から2019年に発売されたビールブランド。企画から5年かけて開発した「TERRA」は、発売からわずか100日で出荷本数が1億本を突破するほどの勢いでヒット。その後も大手航空会社の機内ビールに採用されたり、ドラマで話題を集めたりと、発売からわずか数年で韓国の定番ビールブランドに成長しました。

ハイト眞露は1933年創業の朝鮮ビールを前身に持つハイトビールが、眞露グループを買収する形で誕生した会社。日本法人もあり、「JINRO」や「チャミスル」の名で知られています。2023年春からは「TERRA」の正規輸入が始まり、日本のコンビニやスーパーなどでも販売がスタートしました。

気になるお味は、スッキリとした味わいと爽快な炭酸感が特長。ラガースタイルらしい爽快なのどごしがたのしめます。原料の麦芽は、清涼な空気と豊かな水源、最適な日照量と降水量のあるオーストラリア産のものだけを使用。旨味と苦味のバランスがとれた飲みやすい1本に仕上がっています。

アルコール度数:4.5%

国内販売元:眞露株式会社
ブランドサイトはこちら

ソウルで人気の非加熱ビール「CASS(カス)」|OBビール

爽快なのどごしのラガービール

Aleksandar Karanov / Shutterstock.com

「CASS」は、長年韓国ビール市場でハイト眞露と双璧をなしてきたOBビールの看板ブランド。さわやかな味わいで韓国国内市場シェアNo.1を誇る国民的ビールブランドでもあります。

OBビールは、1933年創業の昭和麒麟麦酒を前身に持つビール専門メーカー。現在は「CASS」や「OBラガー」に加えてクラフトビールや発泡酒を手がけるかたわら、サントリーの「ザ・プレミアムモルツ」や、「バドワイザー」「ヒューガルデン」「コロナビール」など海外有名ブランドの提携販売も行っています。

「CASS」などさまざまな人気商品がありますが、イチオシは定番の「CASS Fresh」。非加熱処理工法により、ライトな味わいのなかにもピリッとした爽快感を実現したラガータイプの人気ビールで、飲みやすさには定評があります。

アルコール度数:4.5%

製造元:OBビール
公式サイトはこちら(韓国語)

麦芽100%のビール「KLOUD(クラウド)」ロッテ七星(チルソン)飲料

韓国発の麦芽100%ビール

jazzman / PIXTA(ピクスタ)

「KLOUD」は、ロッテ系列の飲料会社、ロッテ七星飲料から2014年に発売されたビールブランド。2021年からはK-POPグループBTSが「クラウド生ドラフト」のアンバサダーを務めたことでも話題に。日本や世界で、その存在が認知されることに一役買いました。

名前の「KLOUD」は、「Korea」の「K」と、ビールの品質を左右する泡からイメージする雲「Cloud」を組み合わせたもので、韓国を代表するビールにしたいという思いが込められています。

最高品質の原料を厳選して、ヨーロッパの本格的なビールの味を目指した「KLOUD」は、発酵後の原液に水を混ぜないオリジナルグラビティ製法で、飲みやすさのなかにも深い味わいを実現。「味が薄い」とされた従来の韓国ビールにはないほろ苦い味わいで大きな話題を集めました。

アルコール度数:5.0%

製造元:ロッテ七星飲料
ブランドサイトはこちら(韓国語)

焼酎のビール割り!? 韓国ドラマに登場する爆弾酒とは?

焼酎をビールで割る「爆弾酒」

Brent Hofacker / Shutterstock.com

韓国といえば、強いお酒の消費量が多いことでも知られています。そんな韓国ならではの、独特のビールの飲み方が、「爆弾酒(ポクタンチュ)」です。

「爆弾種」の正体は、焼酎のビール割り。韓国語では焼酎を「ソジュ」、ビールを「メクチュ」と呼ぶことから、その頭文字を取って「ソメク」とも呼ばれています。「ビールと焼酎を混ぜる!?」と驚く人もいるかもしれませんが、韓国ではごく一般的な飲み方のひとつです。

「爆弾酒」の作り方は、焼酎とビールを混ぜるだけといたってシンプル。

「爆弾酒」の黄金比率は、焼酎:ビール=3:7とされていますが、飲み慣れていない人には1:9から始めてもいいでしょう。ビールの味をたのしむというより、焼酎にビールの風味を足したいという場合は、4:6、5:5……と焼酎の割合を増やしていってもOK。その比率に対するこだわりを熱く語る人もいますが、「爆弾酒」のたのしみ方は自由。気になる人は、ぜひ一度試してみてください。

韓国ビールの特徴やビールブランド、焼酎とビールと合わせた「爆弾酒」という飲み方についてまとめましたが、日本とは違うビール文化が垣間みえたことで、より興味を持った人もいるのではないでしょうか。韓国のビールは日本でも入手可能ですが、現地を訪れたときに飲み比べてみるのもたのしそうですね。

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