「ザ・フェイマスグラウス」は雷鳥で有名なブレンデッドスコッチウイスキー! 味わいや種類も紹介
「ザ・フェイマスグラウス」は、スコットランドをはじめ英国でNo.1の売上を誇るブレンデッドスコッチウイスキーです。「あの有名な雷鳥のウイスキー」で親しまれています。今回は「ザ・フェイマスグラウス」の特徴や味わい、種類などについて紹介します。
- 更新日:
ラベルに描かれた雷鳥が目印のブレンデッドスコッチウイスキー、「ザ・フェイマスグラウス」の魅力を探ります。
「ザ・フェイマスグラウス」とは?
Anne Coatesy / Shutterstock.com
「ザ・フェイマスグラウス」の特徴や名前の由来などについてみていきます。
「ザ・フェイマスグラウス」はスコットランド生まれのブレンデッドウイスキー
「ザ・フェイマスグラウス」は、スコットランドのハイランド地方で生産されているブレンデッドウイスキーです。スコットランドでは長くNO.1の人気を誇り、ロングセラー商品として愛されています。
製造元は、1800年にスコットランドのパースで創業したマシュー・グローグ(マシュー・グローグ&サン)社です。創業者の孫にあたるマシュー・グローグ氏が、1897年にウイスキーブランド「ザ・グラウス・ブランド(ザ・グラウス)」を生み出したことを契機に、「ザ・フェイマスグラウス」の歴史は始まりました。
1960年代ごろまではイギリス国内を中心に流通していましたが、1970年にハイランド・ディスティラリーズ社(現エドリントングループ)に買収されたことで、世界規模で流通するようになりました。1980年代には売上が大幅に拡大。英国市場ではそれまで「ベル」に次ぐ第2位のブランドでしたが、「ベル」を抜いてNo.1スコッチに躍り出ました。
「ザ・フェイマスグラウス」は今も、「ザ・マッカラン」や「ザ・グレンロセス」などを有するスピリッツメーカー、エドリントングループの傘下にあり、「世界一有名な雷鳥のウイスキー」として親しまれています。
なお、「ザ・フェイマスグラウス」は日本でも購入することができますが、正規輸入品は2019年で終売。現在は並行輸入品が流通しています。
Marco Bicci / Shutterstock.com
「ザ・フェイマスグラウス」の名前の由来と歴史
「ザ・フェイマスグラウス」の「グラウス(grouse)」は、「雷鳥」を意味します。雷鳥はスコットランドの国鳥で、「ザ・フェイマスグラウス」のラベルでも見ることができます。「ザ・フェイマスグラウス」の原型である「ザ・グラウス・ブランド」のラベルにも、「ザ・グラウス・ブランド」の生みの親であるマシュー・グローグ氏の娘がデザインした雷鳥が描かれていました。
ウイスキーに国鳥の名を冠したのには理由があります。開発当時のハイランドには、毎年夏になると上流階級の人々がゴルフや釣り、雷鳥狩り(グラウスシューティング)に訪れていたそうで、彼らにアピールするために「ザ・グラウス・ブランド」と名づけたといわれています。
その狙いが当たって、「ザ・グラウス・ブランド」の売上は発売から数年ほどで上昇。人々は「あの有名な雷鳥のウイスキーをくれ」とオーダーするようになります。それを知ったマシュー・グローグ氏は、1905年にブランド名を「ザ・フェイマスグラウス」に変更し、有名な雷鳥のウイスキーとして英国中に知られるようになりました。
「ザ・フェイマスグラウス」のキーモルトと味わいの特徴
DJN Studios / Shutterstock.com
ブレンデッドウイスキーである「ザ・フェイマスグラウス」には有名銘柄がブレンドされています。その一部を紹介します。
「ザ・フェイマスグラウス」のキーモルトにはあの銘柄も!
「ザ・フェイマスグラウス」のキーモルトには、同じエドリントングループの「ザ・マッカラン」や「ハイランドパーク」「ザ・グレンロセス」、かつては同グループ傘下にあった「グレンタレット」「タムドゥー」など名だたる銘柄が使われています。
これらのキーモルトを含めて、40種類以上のモルト原酒とグレーンウイスキー原酒を熟練の技でブレンドし、約1年間シェリー樽で後熟したのちにボトリングされて世に送り出されています。なお、モルト原酒はすべて熟成期間6年超えのものを使用。後熟には、マシュー・グローグ社がスペインのシェリー酒業者に10年間無償で貸与したシェリー樽が使われています。
「ザ・フェイマスグラウス」の製造に欠かせない後熟は、原酒をブレンドしたあとに再び樽に詰めて熟成させる製法で、「ダブルマリッジ製法」とも呼ばれます。100年以上変わらぬ製法により、「ザ・フェイマスグラウス」特有のクリーミーでなめらかな味わいが生み出されています。
vvoe / Shutterstock.com
「ザ・フェイマスグラウス」は上品でフルーティーな味わい
「ザ・フェイマスグラウス」はスムースで口当たりがよく、バランスのよい味わいで、とても飲みやすいのが魅力です。キーモルトのなかでも重要な役割を果たしているのが「ザ・マッカラン」と「ハイランドパーク」。「ザ・マッカラン」のシェリー樽由来の上品な香りや、「ハイランドパーク」のほのかなピート香やフルーティーな味わい、スパイシーさが、味わいに花を添えています。
「ザ・フェイマスグラウス」はストレートやロック、ハイボールなどどんな飲み方にも合うブレンデッドウイスキーで、日本のバーなどではハイボールにもよく使われています。
また、「ザ・フェイマスグラウス」はカクテルベースとしても活躍します。コーラやグレープフルーツジュースとの相性も抜群なので、ぜひ試してみてください。エスプレッソと合わせたホットカクテルもおいしいですよ。
「ザ・フェイマスグラウス」の種類
Igor Normann / Shutterstock.com
「ザ・フェイマスグラウス」の多彩なラインナップのなかから、ぜひチェックしておきたい種類を紹介します。
ザ・フェイマスグラウス ファイネスト
「ザ・フェイマスグラウス」のスタンダードボトルであり、ブレンデッドスコッチウイスキーの定番的存在。ライトな口当たりで、後熟によるシェリー樽由来の甘い香りや、オーク樽由来の芳醇な香り、ナッツの香ばしさやフルーティーな味わいが特長です。シナモンやジンジャーを想わせるスパイス感もあります。
スムースでバランスのよい味わいで、ロックやハイボールで飲むのにぴったり。飲みやすく手ごろな価格なので、初心者にも最適です。
ザ・フェイマスグラウス スモーキーブラック
「ザ・フェイマスグラウス ザ・ブラックグラウス」の後継商品としてリリースされたブレンデッドウイスキー。「ザ・フェイマスグラウス」のキーモルトに加えて、グレンタレット蒸溜所のピーテッドモルト(ピートを豊富に使ったモルト)をブレンドしているのが特徴で、フルーティーな味わいのなかに、やわらかなスモーキーさが感じられます。
複雑な味わいながら親しみやすく、甘くなめらかなブレンドで、ロックや水割りなどさまざまな飲み方に合います。スモーキーさを存分に味わうなら、まずはストレートで飲んでみてください。
barmalini / Shutterstock.com
ザ・フェイマスグラウス ルビーカスク
「ザ・フェイマスグラウス」カスクシリーズの第2弾。第1弾はバーボン樽で後熟したものでしたが、こちらはポートワイン樽で後熟しています。バニラの香りや、シナモンやクローブのスパイシーさを感じられ、ポートワイン樽ならではのフルーティーさもたのしめます。リッチな味わいで、食後にゆったりとストレートで飲むのにも適しています。
ザ・フェイマスグラウス シェリーカスクフィニッシュ
2022年に新登場した、「ザ・フェイマスグラウス」ではこれまでにはないタイプのブレンデッドウイスキー。数種類のスペイサイド産モルト原酒をブレンドし、ヘレス産のスパニッシュオークのシェリー樽で仕上げられています。
スタンダードボトルに通じるやや甘くリッチな味わいで、口当たりはなめらか。飲み方は、カットオレンジを添えた、ハイボールがイチオシです。
ラベルに描かれた雷鳥のデザインのタッチがいつもと異なるので、そちらにも注目してみてください。
スコットランドをはじめ世界中で愛飲されている「ザ・フェイマスグラウス」は、手ごろな価格で飲みやすく、初心者にもぴったりのブレンデッドウイスキーです。ロックやハイボールなど、ぜひいろいろな飲み方で味わってみてくださいね。