沖縄の焼酎【琉球】沖縄最古の蔵元・新里酒造が琉球王国時代から受け継いだ技で醸す琉球泡盛ブランド
「琉球」は、弘化3年(1846年)創業の新里(しんざと)酒造が手掛ける琉球泡盛の代表銘柄。なかでも古酒(クース)は、沖縄鑑評会で名誉ある賞を何度も獲得しています。今回は、造り手の新里酒造の歴史やこだわり、「琉球」の特徴やラインナップについて紹介します。
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「琉球」は、沖縄に現存する最古の蔵元といわれる新里酒造が、伝統の手法と最新技術を駆使してていねいに育むこだわりの琉球泡盛ブランドです。
「琉球」の造り手は弘化3年(1846年)創業の老舗蔵元
出典:新里酒造株式会社Facebookページ
琉球泡盛「琉球」を手掛けるのは、沖縄県に現存する最古の蔵元といわれる新里酒造。その歴史は江戸時代にまで遡ります。
「琉球」の蔵元・新里酒造の歴史と伝統
「琉球」の蔵元・新里酒造の創業は、弘化3年(1846年)。当時の沖縄は琉球王国と呼ばれ、泡盛造りは琉球王府によって管理されていました。
琉球王国で泡盛の製造が認められていたのは、王府のすぐ近くにある「首里三箇(しゅりさんか:赤田、崎山、鳥堀)」と呼ばれる地域のみ。そこに住む酒造の権利を持った30名(のちに40名)の焼酎職だけが、泡盛の製造を許可され、王府から原料の米や泡を支給されていたそう。
新里酒造は、現在、沖縄市とうるま市に工場を構えていますが、創業の地は首里赤田。当時の焼酎職の伝統の技と精神を脈々と受け継ぎ、現在は7代目当主がのれんを守っています。
175年を超える長い歴史のなかで、新里酒造は多数の伝統の味わいを残してきましたが、特筆すべきは「泡なし酵母(泡盛101号酵母)」の分離という偉業でしょう。
従来の泡盛造りでは、酵母が活動を始めると容器からあふれんばかりに泡が立っていましたが、新里酒造が1988年に「泡なし酵母」の分離に成功・実用化してからは、泡管理の手間が不要になり、多くの蔵元が生産量を飛躍的に伸ばしたといいます。
出典:新里酒造株式会社ホームページ
「琉球」の蔵元・新里酒造の酒造りのこだわり
「琉球」を手掛ける新里酒造は、伝統の手法を大切にする一方で、最新技術を柔軟に取り入れ、「安心・安全な、質・量ともにすぐれた泡盛造り」を目指しています。
一番のこだわりは、温度管理。麹造りにももろみ(醪)の熟成にも、蒸溜や貯蔵においても、温度の変化は味わいに影響をおよぼす重要な要素です。このような課題に対し、蔵人全員で徹底した温度管理を行いながら、仕込みタンクなど要所要所に最新設備を導入して対応。質の高い酒造りを追求しています。
出典:新里酒造株式会社Facebookページ
「琉球」の造り手、新里酒造の国内外の評価
新里酒造は、「琉球」の古酒をはじめとする商品で、泡盛鑑評会において「沖縄県知事賞」や「沖縄国税事務所長賞」などの名誉ある賞に何度も輝いています。
琉球泡盛の老舗蔵元として知られる一方、新里酒造では、梅酒などのリキュールや珈琲泡盛などのスピリッツ、ウイスキー、もろみ酢など、多彩な商品を展開しています。
とりわけ注目を集めているのがウイスキー。2020年末には、スコットランドのブレンデッドウイスキーと樫樽貯蔵の泡盛古酒をベースにしたスピリッツをブレンドした沖縄ならではのウイスキー「新里WHISKY」をリリース。麦芽の力強い風味と米由来の繊細かつ柔らかな甘味で注目を集め、「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2022」洋酒部門で銀賞を受賞しています。
さらに、2020年にはウイスキーの製造免許を取得し、同年5月よりオリジナルのジャパニーズウイスキーの製造を開始。翌年末には、沖縄産シングルモルトウイスキー「金康(かねこう)」を海外向けに出荷しています。
「琉球」とは新里酒造が手掛ける琉球泡盛の看板銘柄
出典:新里酒造株式会社ホームページ
「琉球」は、新里酒造が造る琉球泡盛の主力銘柄です。その特徴を詳しくみていきましょう。
「琉球」は沖縄が誇る「琉球泡盛」ブランドのひとつ
泡盛のなかでも以下の条件を満たすものだけが「琉球泡盛」という地理的表示(GI)を認められていますが、「琉球」はもちろん「琉球泡盛」の1銘柄です。
<「琉球泡盛」を名乗る条件>
◇黒麹菌を用いて原料の米を全量米麹にし、仕込みは一度だけ行い、単式蒸溜機で蒸溜している(=泡盛である)
◇沖縄県の水を使用している
◇発酵から蒸溜、貯蔵、瓶詰めまでの全工程を沖縄県内で行っている
「琉球泡盛」は、麦焼酎の「壱岐焼酎」や米焼酎の「球磨焼酎」、芋焼酎の「薩摩焼酎」と並ぶ、世界貿易機関(WTO)のTRIPS(トリプス/トリップス)協定で地理的表示が認められた日本屈指の焼酎ブランド。ワインの「シャンパーニュ」や「ボルドー」、ブランデーの「コニャック」や「アマルニャック」ウイスキーの「スコッチ」や「バーボン」など、世界の名だたるお酒にも引けを取らないインパクトがあります。
出典:新里酒造公式Instagram
「琉球」の製法と特徴
「琉球」は、蒸溜方法の使い分けや貯蔵熟成、ブレンドなどの技術を駆使し、多様な商品展開をする琉球泡盛銘柄です。全商品に共通する特長として、フルーティーな香りと深みのあるコクが挙げられます。
新里酒造では、泡盛の原料として一般的に使われる砕米ではなく、表面積が小さいため麹菌がつきにくく蒸し時間の管理が難しい丸米を使用。低温発酵や低温蒸溜によって、多彩な香りや味わいを引き出しています。
また、蒸溜は常圧と減圧を使い分け、常圧蒸溜特有の濃厚な味わいと減圧蒸溜ならではの淡麗な味わいをブレンドすることで、旨味やコク、フルーティーな味わいのバランスを整えています。
さらに、貯蔵・熟成容器や熟成期間にこだわり、異なる原酒同士をブレンドすることで、バラエティに富んだラインナップを展開。新酒(一般酒)、古酒ともに愛飲家の支持を集めています。
なお、新里酒造では「かりゆし」という泡盛銘柄も手掛けていますが、こちらはおもに特徴の異なる2種類の原酒を独自の技術でブレンドして造る新酒の銘柄。フルーティーな香りと甘味、スッキリとした飲み口が特徴です。
琉球泡盛「琉球」のおすすめ商品を紹介
伝統の手法と最新技術で育まれた「琉球」のおすすめラインナップを紹介します。
「琉球」の新酒(一般酒)
日々の晩酌酒として親しまれる「琉球」の新酒(一般酒)は、まろやかでフルーティーな香りが魅力です。
琉球パック(30度)
出典:新里酒造株式会社ホームページ
「琉球」らしいフルーティーな香りと豊かなコクがたのしめる定番商品。常圧蒸溜の原酒と減圧蒸溜の原酒をブレンドしています。
おすすめの飲み方はロックと水割り。冷蔵庫のポケットに保存できるのも魅力です。
容量:1,800ミリリットル
琉球 43度(古酒60%ブレンド)
出典:新里酒造株式会社ホームページ
香りと旨味、余韻をテーマに、古酒を60%ブレンドして仕上げた一押し商品。芳醇な古酒香と深いコク、静かに消える甘味が魅力で、オリジナル古酒を育てている人には仕次ぎ用の泡盛としても人気です。
おすすめは水割り。水との比率を5:5程度にしてアルコール度数を20度程度に調整すると、「琉球43度」本来の味わいを堪能できます。寒い時期には香味が引き立つお湯割りも試してみてください。
容量:1,800ミリリットル
琉球GOLD 30度(古酒60%ブレンド)
出典:新里酒造株式会社ホームページ
低温発酵、常圧蒸溜と減圧蒸溜という個性の異なる原酒のブレンド技術、そして鑑評会向けの秘蔵古酒ブレンドにこだわりを持つ工場長が、手塩にかけて育て上げた甕(かめ)貯蔵古酒ブレンドの逸品。バニラのような甘い香りとなめらかな口当たり、クリアな余韻がたのしめます。
第33回 沖縄市産業まつり 沖縄市長賞、インターナショナル ワイン&スピリッツ コンペティション(IWSC)2011最高銀賞受賞。
容量:720ミリリットル、1,800ミリリットル
「琉球」の古酒(クース)
華やかな香りとまろやかなコクをたのしみたい人には、「琉球」の古酒がおすすめです。
古酒琉球クラシック 25度
出典:新里酒造株式会社ホームページ
低温発酵特有のフルーティーな香りと、まろやかでコクのある味わいが際立つ3年古酒。雑味の少ない軽快な味わいは、食中酒にもぴったり。多彩なペアリングがたのしめますが、脂っこい料理との相性は格別です。
容量:720ミリリットル、1,800ミリリットル
古酒琉球プレミアム 35度
出典:新里酒造株式会社ホームページ
新里酒造人気No.1の秘蔵古酒。6代目当主が3年・5年の秘蔵古酒甕からとくに香り高いものだけをチョイスし、黄金比でブレンドした数量限定品です。古酒ならではのふくよかな熟成香と旨味を堪能して。
容量:720ミリリットル
「琉球」は、まろやかで深いコクと飲みやすさが見事に共存した、クセになる泡盛。フルーティーな香りのお酒が好きな人は、ぜひ一度味わってみてください。
製造元:新里酒造株式会社
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