ギネスビールの魅力を解剖!香り、味、クリーミーな泡の秘密
ギネスビールの深い香り、味わい、そして特有のクリーミーな泡を徹底解説!アイルランドの名品「ドラフトギネス」の秘密とおいしい飲み方を紹介します。
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目次
ギネスビールは、日本の江戸時代にアイルランドで誕生した黒ビール。まずは概要からみていきましょう。
ギネスビールとはどんなビール?
Brett Downen / Shutterstock.com
ギネスビールの歴史やビールとしての位置づけなど、知れば知るほどたのしくなる、その背景について確認していきます。
ギネスビールはアイルランド生まれの黒ビール
ギネスビールは、アイルランドで生まれた世界に名だたる黒ビール。その歴史は1759年の大晦日、創業者のアーサー・ギネス氏が、使われていなかったダブリンの醸造所を9,000年のリース契約で借り受けたところから始まりました。当時のギネス氏は34歳。アイルランド東部のキルデア州から、同国の首都に上京してすぐの行動というから、そのバイタリティには驚かされます。
ギネスといえば、ビールのほかに「ギネスブック」を連想する人も多いでしょう。「ギネスブック」は、1955年に「The Guinness Book of Records」の名で刊行された、さまざまな世界一の記録をまとめた本の略称で、ギネス社のマネージング・ディレクターが狩りのあとに交わした議論をきっかけに誕生したといいます。2001年には別の会社に版権が移りましたが、「ギネス世界記録」として現在も毎年新版が発行されています。
出典:ギネスビールブランドサイト
ギネスビールはスタウトの代表格
ギネスビール社が設立された18世紀半ばごろ、英国では「ポーター」と呼ばれる濃色エールビールが流行していました。創業者のアーサー・ギネス氏は、このポーターを研究し尽くし、独自のレシピを作り上げます。
当時は麦芽に税金がかけられていたことから、原料の一部に麦芽化されていない大麦をローストした「焙煎大麦(ローステッドバーレイ/ローストバーレイ)」を使用。色がより濃く、アルコール度数も高く、香ばしい苦味を持ったギネス氏のポーターは、「スタウト(強い)ポーター」として世に送り出されましたが、やがて「スタウト」と呼ばれるようになります。これが英国でも人気を博し、さらに世界へと広がっていきました。
ギネスビールの香りと味わいは? 焙煎した大麦の香味が魅力
出典:ギネスビールブランドサイト
ギネスビールの特徴はなんといっても、ひと目でわかるような黒い色と、飲むときに感じられるコーヒーのような香ばしい香り、そして豊かな味わいでしょう。
コーヒーのような香りの秘密は、前述した焙煎大麦にあります。ギネスビールは材料となる大麦を摂氏111度(華氏232度)で焦がすことで、ギネスらしい黒い色と深い香味を引き出しているのです。
ギネスビールは2種類! 瓶入りと缶入りそれぞれのアルコール度数と魅力は?
ギネスビールにはいろんなバリエーションが存在していて、それぞれにアルコール度数や味わいに違いがありますが、日本でおもに流通しているのは以下の2商品です。
ドラフトギネス 330ml缶
画像提供:キリンホールディングス株式会社
焙煎大麦がもたらす甘く香ばしいアロマと、苦味と甘味のバランスが絶妙な味わい、そしてなめらかでクリーミーな泡が特長の黒ビール。
1986年の発売以来、約150の国や地域で親しまれています。
アルコール度数:4.5%
国内発売元:キリンビール株式会社
公式サイトはこちら
ギネス オリジナルエクストラスタウト 330mlびん
画像提供:キリンホールディングス株式会社
ギネスビールの創業者である、アーサー・ギネス氏が最初に造ったレシピを引き継ぐ、伝説の黒ビール。
重厚にして爽快、苦味と甘味が見事なバランスで調和した、ロースト香が際立つ1本です。
アルコール度数:5.0%
国内発売元:キリンビール株式会社
公式サイトはこちら
家飲み派におすすめの「ドラフトギネス」! 最大の特長はクリーミーな泡
画像提供:キリンホールディングス株式会社
ギネスビールのなかでも、家飲み派の人にぜひ飲んでもらいたいのが缶入りの「ドラフトギネス」です。おすすめの理由は、特許製法によるクリーミーでムースのような泡。日本でよく飲まれている生ビールの泡とは違う、シルクのようになめらかなテクスチャーが、自宅でも手軽にたのしめるのです。
ここからは、「ドラフトギネス」の魅力について深掘りしていきます。
「ドラフトギネス」の特徴的なクリーミーヘッドの秘密
「ドラフトギネス」に特徴的なクリーミーヘッド(泡)をもたらすのは、窒素と炭酸の混合ガス。この抽出用窒素混合ガスによって、グラスに注ぐときに、炭酸飲料などに含まれる炭酸ガスの泡の10分の1程度の微細な泡が発生します。
この窒素混合ガスが独特のクリーミーヘッドを生み出すのですが、その過程で生じる泡のうねりも「ドラフトギネス」の特長のひとつです。
「ドラフトギネス」ならではの泡のうねり「カスケードショー」とは?
ギネス社の創業から200年後に誕生した「ドラフトギネス」は、窒素を溶け込ませた世界初のナイトロジェンビア。この窒素混合ガスが、グラスに注ぐ際に、グラスの中を滝のように流れる泡のうねりとクリーミーヘッドを生み出します。
一般的なビールの泡は、まっすぐ上方へと浮き上がるものですが、「ドラフトギネス」ではグラスの中で細かい泡が小滝(カスケード)のように下方へ落ち、波のようにうねる現象が見られます。「カスケードショー」と呼ばれるこの現象は、窒素ガスと炭酸ガス、そして注ぐときのグラスの傾斜によって生み出されるもの。飲む前から視覚的にもたのしめることも、「ドラフトギネス」の魅力といえるでしょう。
出典:ギネスビールブランドサイト
「ドラフトギネス」の缶の中にある「玉(フローティング・ウィジェット)」の正体
「ドラフトギネス」の缶の中には「フローティング・ウィジェット」と呼ばれる白い玉(カプセル)が入っています。この玉も、クリーミーな泡のためにとても重要な役割を担っています。
この玉の表面には小さな穴が空いていて、中は空洞になっています。缶を開ける前は、缶内の圧力によって玉はビールで満たされていますが、缶を開けることで圧力が通常に戻り、玉の中のビールが穴から一気に噴出。窒素混合ガスと合わせて、繊細でクリーミーな泡作りに一役買っているのです。
「ドラフトギネス」のおいしい飲み方は? 王道の注ぎ方も解説
画像提供:キリンホールディングス株式会社
「ドラフトギネス」の魅力を存分に味わうためには、いくつかの秘けつがあります。
「ドラフトギネス」の魅力を最大限に引き出すには準備が大切
「ドラフトギネス」ならではのクリーミーな泡を堪能するためには、缶から直に飲むのではなく、グラスに注いで飲むようにしましょう。
(準備1)
「ドラフトギネス」は、冷蔵庫で3時間程度冷やしておきます。
(準備2)
グラスはしっかり洗ったあと自然乾燥させ、「ドラフトギネス」と同じくらいの温度(5〜7度)に冷やしておきます。
泡の美しさを追求するなら、英国式のパブで使われているような大きめのグラスがおすすめ。「ドラフトギネス」専用のパイントグラスがあれば完璧です。
画像提供:キリンホールディングス株式会社
「ドラフトギネス」の正しい注ぎ方とは? 119.5秒間のカスケードショーをたのしもう!
「ドラフトギネス」は、缶の開け方も重要なポイントです。冷蔵庫から取り出したら、なるべく刺激を与えないように平らな場所に移し、静かにタブを引きます。缶の中の泡が上がってきたら、グラスを45度に傾けて、数センチほど離れたところからゆっくりと注いでいきます。
グラス上端から2センチほどのところまでギネスを注いだら、グラスを平らな場所に置きましょう。
注いだ直後のギネスは、一般的なビールのように泡はすぐには上がりません。神秘的な波模様を描きながら滝のように下へと落ちていく様子は、「カスケードショー」と呼ばれるギネス独特の現象です。上部に泡が落ち着くまでの119.5秒。グラス内の対流が落ち着いたら、残ったビールを注ぎ足します。今度はグラスを傾けず、泡の冠がグラス上部にふわっと盛り上がるまで静かに注いでくださいね。
こうした見た目の美しさを堪能できるのも、「ドラフトギネス」の醍醐味です。グラス内で繰り広げられる繊細な泡のショーをたのしみながら、おいしく飲めるその瞬間を心待ちにしてはいかがでしょうか。
ギネスビールは、焙煎大麦ならではの香ばしさが、なかでも「ドラフトギネス」はクリーミーな泡が特長の黒ビール。18世紀にアイルランドで誕生して以来、世界で愛されてきた歴史があります。ギネスにまつわるノウハウをぜひ、豊かなビールライフに役立ててみてください。