デキャンタ(デカンタ)の目的や効果は? デキャンタージュ(デカンタージュ)でおいしくなるワインとは?

デキャンタ(デカンタ)の目的や効果は? デキャンタージュ(デカンタージュ)でおいしくなるワインとは?
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デキャンタ(デカンタ)とは、ワインに使う食卓用のガラス容器のこと。使い方次第でワインをさらにおいしくする魔法のアイテムでもあります。ここでは、ボトルからデキャンタに移し替える「デキャンタージュ(デカンタージュ)」の方法や目的、効果、デキャンタージュが必要なワインの条件などを紹介します。

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デキャンタ(デカンタ)とは?

デキャンタで赤ワインをキャンタージュ

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「デキャンタ」とは、ワインに使う食卓用のガラス容器のことで、「デカンタ」とも呼ばれます。

デキャンタには、あらかじめボトルから移しておいたワインをグラスに注ぐというピッチャーやポットのような役割にくわえて、ワインをおいしくする効果があるといわれています。それが、ワインをボトルからデキャンタに移し替える、「デキャンタージュ(デカンタージュ)」という方法です。

デキャンタージュ(デカンタージュ)の2つの目的

デキャンタージュの目的はワインを開かせ澱を取り除くこと

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デキャンタージュは、ワインをよりおいしく飲むためのプロセスとして知られています。デキャンタージュによって、ワインにどのようなプラスの効果がもたらされるのか、まとめてみました。

デキャンタージュの目的1:ワインを開かせる

デキャンタージュする目的のひとつに、「ワインの香りを開かせる」というものがあります。熟成が進んでおらず、香りに広がりが感じられないワインの状態を「閉じている」といいますが、デキャンタージュをして空気に触れさせ、酸化を促進させることで、このワインの香りを開かせることができるのです。

また、デキャンタージュによって空気に触れることで、まろやかな味わいになるといわれています。

デキャンタージュの目的2:ワインの澱(おり)を取り除く

デキャンタージュの目的のふたつめは、ボトルの底に沈殿している澱(おり)と呼ばれる堆積物を除去することです。

澱とは、赤ワインの成分であるポリフェノールやタンパク質、タンニンなどが熟成の過程で結合したもの。古いヴィンテージワインなどによく見られ、とても渋い味がします。

この澱を上手に取り除いて移し替えることも、デキャンタージュの重要な役割。ワインをデキャンタに移すときは、沈殿した澱がボトルの中で舞わないよう、上澄みだけをゆっくりと注ぐのがポイントです。

デキャンタージュでワインをおいしく

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デキャンタージュに期待できるその他の効果

デキャンタージュは香りや味の調整、澱の除去といった目的以外に、ワインの温度をコントロールするために行うこともあります。ワインは温度によって、味や香りの感じ方に変化が出るもの。

冷やしすぎてしまったワインの温度を、できるだけ早めに上げたいというときも、デキャンタージュは有効なのです。

ワインは、ボトルの上部と下部とで味わいが多少変わってきます。上のほうは淡く、下のほうが濃いといった違いは、熟成の進んだワインほど顕著に見られます。

少人数で味の変化をたのしみたい場合はそのままボトルからグラスに注ぎますが、グループで飲む場合など味を均等にしたいときは、デキャンタージュをすることで、味の偏りをなくすことができます。

デキャンタとカラフェ、デキャンタージュとカラファージュの違い

デキャンタとカラフェの違い

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デキャンタに似たものに、カラフェ(キャラフェ)という口の広いガラス容器があります。カラフェはフランス語で「水差し」という意味で、水をサーブするときなど、ピッチャーとして使われることも多い容器です。

デキャンタと同じくワインを提供するときにも使われますが、デキャンタとの違いはその用途にあります。

まず、ボトルからデキャンタにワインを移し替えることは「デキャンタージュ」、ボトルからカラフェにワインを移し替えることは「カラファージュ(キャラファージュ)」と呼びます。
デキャンタージュには前述のようにさまざまな目的がありますが、カファラージュの目的はおもに、ワインを空気に触れさせて香りを開かせること。どちらもワインをおいしくするために使われる容器ですが、用途が若干異なります。

デキャンタージュが必要なワインと不要なワインがある

デキャンタージュが必要なワインと不要なワインがある

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デキャンタージュはワインをおいしくするために行われますが、どんなワインでも等しく効果が現れるわけではありません。じつは、デキャンタージュが必要なワインと、そうでないワインがあるのです。以下で詳しくみていきましょう。

デキャンタージュでよりおいしくなるワインとは?

先述したとおり、デキャンタージュには、香りを開かせたり澱を除去したりする効果にくわえて、酸味やタンニンの渋味をやわらげ、まろやかな味わいや華やかな香りを引き出す効果が認められています。

一般に、デキャンタージュが必要とされるのは、酸味やタンニンが強くなりがちな赤ワイン。このようなワインは、デキャンタージュによって酸化を促進させることで、酸味やタンニンをやわらげ、華やかな香りをたのしむことができます。

まだ熟成の進んでいない赤ワインや香りが閉じているワイン、また澱が生じやすいヴィンテージワインなども、デキャンタージュによる理想的な効果が期待できます。

デキャンタージュでおいしくなるワインとは?

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デキャンタージュが必要ないワインとは?

デキャンタージュは、熟成が進んでいないワインを飲む場合や、栓を抜いたワインが思ったよりも若かった場合などに行うもの。熟成しているワインをデキャンタージュするのは、かえって逆効果になる場合があります。

デキャンタージュに向かないワインの代表格とされるのが、白ワインとスパークリングワインです。冷やして飲むタイプのワインということで、温度を上昇させる必要がないうえ、タンニンもあまり含まれず、また澱も生じにくいからです。

ただし、一部のヴィンテージものや閉じ気味と判断された白ワインやシャンパーニュでも、コンディションによっては、例外的にデキャンタージュを行う場合もあります。

また、赤ワインであっても、ブルゴーニュタイプのワインなど、一般的にデキャンタージュに不向きな種類も存在します。なかでもピノ・ノワールなどは、繊細な味わいや香りが損なわれてしまう可能性があるため、めったにデキャンタージュは行われません。

すでに香りが十分に開いている赤ワインや、熟成していても澱が気にならない赤ワインの場合も、デキャンタージュは不要です。開栓して、そのままボトルからグラスに注いで味わいましょう。

デキャンタージュの正しいやり方を知っておこう

デキャンタージュの正しいやり方

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デキャンタージュの効果を理解したところで、具体的なやり方を紹介します。

デキャンタージュの基本的な方法

まずは、ワインの栓を抜くところから。横置きにして保存していた場合は、開ける前にボトルを立てて置き、澱を沈めておきましょう。

栓を抜くときも澱が舞わないように、なるべく衝撃を与えず、静かに行うのがポイントです。開栓したら、ボトルの口を清潔な布で拭きます。

次に、ボトル内に沈殿している澱を見やすいよう、ボトルの首のあたりに照明の光が当たるようなポジションで、傾けたボトルの口を傾けたデキャンタの口の内側に近づけます。

あとは、ワインがデキャンタの側面に沿って流れ落ちるように、一定の速度で静かに注ぐだけ。この動作をゆっくり行うことで、沈殿物がデキャンタに移るのを防ぐだけでなく、ワインが空気に触れる時間もできて、香りや味わいが開きやすくなります。

デキャンタージュの時間はどれくらいがベスト?

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デキャンタージュの時間はどれくらいがベスト?

デキャンタージュをしたワインはすぐには飲まず、しばらく休ませるのがポイントです。飲みごろについては、ワインの熟成具合や醸造過程、原料となるブドウの種類や産地などさまざまな要因が複雑に重なり合っているため、いつでも同じ時間というわけにはいきません。

一般的には、ラベルに印字されている年代が新しいワインほど長め(2〜3時間程度)に、古いものほど短め(30分〜1時間程度)におくのがよいとされています。

同じワインでも開栓後に時間をおかずにボトルから直接グラスに注いだものと1時間前、2時間前などデキャンタージュしてからの時間を変えたものでは印象が違って感じられるもの。

デキャンタージュしてから飲むまでの時間を少しずつ変えてみるなどして、香りや味の変化をたのしみつつ、よりよいタイミングを探すのも一興です。グラスの形状や大きさ、注ぐ量によっても印象は変わってくるので、いろいろと試してみてください。

デキャンタの形状と選び方

デキャンタの形状と選び方

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デキャンタの魅力のひとつに、そのフォルムの美しさがあります。ユニークなデザインのデキャンタは、食卓とワインライフをスタイリッシュに彩ってくれます。

デキャンタの形状は、大きく胴体部分が細いものと広いものに分けられます。細いタイプだとワインが空気に触れにくく、広いタイプはワインが空気に触れやすいのが特徴です。

ボトル内熟成が十分に進んだヴィンテージもののワインの場合、デキャンタージュの際に空気に触れさせるよりも、おもに澱を取り除くことが目的になります。この場合は細口のデキャンタを用いるとよいでしょう。

逆に、まだ熟成年月が浅く、いわゆる「ボトル内熟成」が進んでいない若いワインは、空気に触れさせやすい、胴体が広いタイプのデキャンタを選ぶとよいでしょう。

サイズも豊富で、小さいものは200ミリリットル程度、大きいものになると1,500ミリリットルほどのものまで、さまざまな種類があります。

素材はガラスが一般的ですが、耐熱ガラスからソーダガラス、クリスタルガラスと、こちらもさまざま。形状やサイズをはじめ、用途や耐久性、材質、デザイン性など、セレクトする際のポイントは多岐にわたります。

テーブルにセッティングしたときに映えるデザインでも、形状によっては洗いにくく、管理がたいへんなものも。よく考えて、日常的にデキャンタージュ可能な、お気に入りのデキャンタを探してみてはいかがでしょうか。

デキャンタージュの魔法は、奥深いワインの世界をさらにたのしませてくれます。見た目にもスタイリッシュなそのフォルムは、デキャンタージュの効果と合わせて食卓を優雅に彩ってくれることでしょう。自宅でワインを飲むとき、ホームパーティーをするときなどに、ぜひトライしてみてください。

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