アペリティフ(食前酒)で仲間や家族とたのしいひとときを!

アペリティフ(食前酒)で仲間や家族とたのしいひとときを!
出典 : Elena.Katkova / Shutterstock.com

アペリティフ(食前酒)とは、夕食前に飲む軽めのお酒のことですが、夕食前にお酒やおつまみをたのしむ習慣のことも意味します。フランスでは欠かせない習慣、アペリティフのたのしみ方や、アペリティフに適したお酒、おすすめのおつまみなどを紹介します。

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アペリティフ(食前酒)とは?

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アペリティフは食前にお酒と軽食をたのしむ習慣のこと

「アペリティフ」はフランス語で「食前酒」を意味する言葉で、略して「アペロ」ともいわれます。アペリティフは、お酒そのものを指すだけでなく、夕食前に軽めのお酒とおつまみをたのしむ習慣を指す言葉としても用いられています。

食をたのしみ、プライベートな時間を重視するフランス人にとって、夕食前に軽くお酒を飲みながら、家族や友人たちと会話をたのしむアペリティフは大切なひとときであり、欠かせない習慣となっています。

フランス農水省では、このようなアペリティフの習慣を世界に広げることを目的に、2004年から毎年6月の第一木曜日を「アペリティフの日」と制定。以降、「アペリティフの日」には世界中でさまざまなイベントを開催し、その普及に努めています。

なお、アペリティフと同様の習慣は、フランスと同様にワイン文化の伝統をもつイタリアにもあり、イタリア語では「アペリティーヴォ」と呼ばれています。

アペリティフのたのしみ方

フランス人は残業をあまりせず、定時に仕事を終える傾向があります。また、フランスでは夕食の時間は20~21時ごろと遅め。日本と比べると、仕事を終えてから夕食をとるまでの時間が長くなり、その時間にアペリティフをたのしむのが、フランス人のライフスタイルです。

アペリティフは、スタンディングバーなどのお店でたのしむこともあれば、自宅に仲間を招くこともあります。どちらの場合も、アペリティフでお酒を飲みすぎたり、おつまみを食べすぎたりして夕食に影響しないよう、適量をゆったりとたのしむのがポイントです。

アペリティフには何を飲む?

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アペリティフに適したお酒とは

アペリティフに飲むお酒に、明確な定義があるわけではありませんが、一般的には、アルコール度数が低めですっきりとした、飲みやすいお酒が多く用いられる傾向があります。

また、炭酸のあるお酒も食欲を増進させる効果が期待できるため、アペリティフに適しているといえるでしょう。

アペリティフにおすすめのワイン

フランスはワイン大国だけに、アペリティフとしてよく選ばれるのも、やはりワイン。なかでも次のようなワインがアペリティフにおすすめです。

【スパークリングワイン】
さわやかな炭酸が食欲を増進させてくれるスパークリングワインは、アペリティフにぴったり。アペリティフの場合、複雑な味わいのものよりも、カジュアルで飲みやすいタイプのものを選ぶとよいでしょう。

【ロゼワイン】
重すぎず、軽すぎないロゼワインは、どんなシーンにも合わせやすく、アペリティフにもよく用いられます。ロゼのスパークリングワインは見た目も美しく、テーブルが華やぐでしょう。

【辛口の白ワイン】
スティルワインの場合は、辛口の白ワインもおすすめ。すっきりと軽い飲み口で、果実感のあるものが人気です。

【ワインベースのカクテル】
アペリティフにはワインをベースにしたカクテルも人気です。アペリティフ向きの代表的なカクテルを紹介しましょう。

◇スプリッツァー
氷を入れたグラスに白ワインを注ぎ、同量の炭酸水を加えたカクテル。レモンやライムを加えてもよいでしょう。

◇ミモザ
冷やしたスパークリングワインとオレンジジュースを同量注いだカクテル。「この世でいちばん贅沢でおいしいオレンジジュース」と呼ばれています。

◇キール
冷やした辛口の白ワインとクレーム・ド・カシスを4対1の割合で注いだカクテル。白ワインの代わりにシャンパーニュを用いると「キール・ロワイヤル」になります。

アペリティフにおすすめのおつまみ

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アペリティフのお供は手軽につまめる軽食が基本

アペリティフのおつまみは、簡単に用意でき、手でつまんで食べられるフィンガーフードが基本です。チーズやナッツ、ドライフルーツのほか、缶詰やスナック菓子など、調理のいらないおつまみも多く用いられます。

調理する場合も、クラッカーやタルト生地に食材をのせるだけのものなど、手軽に作れるメニューが人気です。

アペリティフでは、お酒とおつまみのペアリングは、あまり気にする必要がありません。夕食に影響が出ない程度の軽食を、適度な分量で用意しましょう。

アペリティフのお供におすすめの簡単アレンジメニュー

手軽に用意できる定番のおつまみも、工夫次第でさまざまなアレンジがたのしめます。アレンジの一例を紹介しましょう。

【カナッペ】

クラッカーやバケットなどに生ハムや野菜、チーズなどをのせたカナッペは、アペリティフの定番のひとつ。のせる食材によって幅広いバリエーションがたのしめるほか、土台部分にズッキーニや大根などの野菜を使えば、サラダのようなさっぱりとしたカナッペが作れます。

【スティックサラダ】

ニンジンやキュウリなどのスティックサラダは、ディップソースを工夫することでたのしみが広がります。味噌マヨネーズやツナマヨネーズ、クリームチーズとコンビーフを混ぜたソースなど、複数のディップソースを用意するのもおすすめです。


夕食前に軽いお酒やおつまみとともに会話をたのしむアペリティフは、心豊かなくつろぎの時間を与えてくれるでしょう。アペリティフのお酒やおつまみは、特別なものを用意する必要はありません。家族や気の合う仲間たちとともに、たのしんでみてはいかがでしょうか。

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