バーボンとコーヒーの相性がよいってほんと?
原料のトウモロコシ由来のまろやかさが魅力のバーボンと、産地ごとの多彩な個性がたのしめるコーヒー。この2つが、じつはとっても相性のよい関係ということを知っていますか? 今回は、バーボン×コーヒーの魅力や、たのしみ方などについて紹介します。
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バーボンとコーヒーの意外な関係
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コーヒーにも関係している? バーボンウイスキーの特徴
バーボン×コーヒーの魅力を紹介する前に、かんたんにバーボンについておさらいしましょう。
バーボンとは、おもにケンタッキー州で造られる、トウモロコシを主原料としたアメリカンウイスキーのことです。「アメリカンウイスキーといえばバーボン」と、想起する人が多いかもしれませんが、じつは「アメリカンウイスキー=バーボン」ではありません。
さまざまなアメリカンウイスキーがあるなかで、以下の4つの条件を満たしたもののみがバーボンを名乗ることができます。
◇アメリカ国内で製造されていること
◇原料となる穀物のうち、トウモロコシの比率が51%以上であること
◇アルコール度数が蒸溜時に80%以下、瓶詰め時に40%以上であること
◇内側を焦がした新品のオーク樽で2年以上熟成させていること
バーボン樽はコーヒー豆の貯蔵にも使われる?
バーボン樽は、お酒の貯蔵だけでなく、古くから砂糖やチョコレートの保管、風味づけなどにも使用されてきました。
なかでも、近年注目を集めているのが、コーヒーの生豆をウイスキー樽に貯蔵して熟成させた、「樽熟成コーヒー(バレルエイジドコーヒー)」です。香りを吸収しやすいコーヒー豆をウイスキー樽に詰めて貯蔵することで、樽由来の芳醇な香りとコクが加わり、風味が増すといわれています。
アメリカンウイスキーのひとつである、テネシーウイスキーの代表格「ジャックダニエル」からも、ウイスキー樽貯蔵のコーヒー豆が販売されています。
大手コーヒーメーカーも参戦! バーボン樽貯蔵のコーヒー豆
世界規模で展開する大手コーヒーチェーン「スターバックス」でも、バーボン樽貯蔵のコーヒー豆「ウイスキー バレル エイジド コーヒー」の販売を開始しています。
グアテマラの生豆を、ケンタッキー州クレモントのクラフトバーボンブランド、「ノブクリーク®」のバーボン樽に貯蔵。手動で定期的に樽を回転させながら、バーボン樽の甘いフレーバーを吸収させ、チョコレートやフルーツのような風味がたのしめる「樽熟成コーヒー」に仕上げられています。
なお、焙煎時に強い熱がかかるため、コーヒー豆にアルコール分は付着していません。
バーボンとコーヒーを組み合わせた「ケンタッキーコーヒー」とは?
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バーボンとコーヒーで作るカクテル「ケンタッキーコーヒー」とは?
バーボンとコーヒーを組み合わせる飲み方のなかでも、とくにメジャーなのが、「ケンタッキーコーヒー」です。
「ケンタッキーコーヒー」とは、バーボンに温かいコーヒーを加え、ホイップクリームまたは生クリームを乗せたカクテルのこと。
存在感のあるホイップクリームや生クリームがいかにも甘そうな印象を与えますが、コーヒーの苦味とバーボンの風味がしっかりしているため、飲んでみると見た目ほどの甘さは感じられません。
香ばしくて甘い香りが特徴の「ケンタッキーコーヒー」は、「〆の一杯」としても人気があります。
「ケンタッキーコーヒー」を作るには、どんなバーボンやコーヒーが必要?
「ケンタッキーコーヒー」は、バーボンとホットコーヒー、ホイップクリーム、砂糖があれば、家庭でも作ることができます。
バーボンのなかでも、甘くて飲みやすい口当たりの「メーカーズマーク」や、香りと味わいのバランスに優れた「ジムビーム」などは、入手しやすくておすすめです。
コーヒーは、インスタントコーヒーでもよいですが、豆を挽いて、ていねいに淹れたコーヒーを使ってもよいでしょう。
「ケンタッキーコーヒー」の作り方
「ケンタッキーコーヒー」を、以下の手順で作ってみましょう。
1.耐熱グラスにバーボンを30ミリリットル程度注ぎます。
2.お好みで、砂糖やクリームリキュール、ヘーゼルナッツシロップを適量加えます。
3.そこに、カップ1杯分(180ミリリットル程度)のホットコーヒーを注ぎ入れます。
4.最後にホイップクリームか生クリームを乗せて完成!
なお、ケンタッキーコーヒーを作る際は、耐熱性のある透明グラスを使いますが、背が高くて持ち手と足がついた「アイリッシュコーヒーグラス」を代用してもよいでしょう。
ケンタッキーコーヒーだけじゃない! ウイスキーとコーヒーを使ったレシピ
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ウイスキーとコーヒーを使ったレシピ1:アイリッシュコーヒー
「ケンタッキーコーヒー」は、じつはアイルランド発祥のカクテル「アイリッシュコーヒー」をアレンジしたものです。
作り方はほとんど同じで、アイリッシュウイスキーを使えば「アイリッシュコーヒー」に、バーボンを使えば「ケンタッキーコーヒー」に名称が変わります。
アイリッシュコーヒーを作るときは、ナッツやバニラの香りがたのしめる「ジェムソン」や、ライトな飲み心地の「タラモア・デュー」などがおすすめです。コーヒーの苦味にも合います。
なお、前述のとおり、アイリッシュコーヒー専用の「アイリッシュコーヒーグラス」が販売されているほど、このカクテルはメジャーな飲み物です。
ウイスキーとコーヒーを使ったレシピ2:ゲーリッシュコーヒー
コーヒーにバーボンやアイリッシュウイスキーではなく、スコッチウイスキーを合わせると、「ゲーリッシュコーヒー(ゲーリックコーヒー)」になります。
作り方はほとんど同じですが、こちらはコーヒーのアロマとスコッチ特有のスモーキーなフレーバーをたのしめる、大人のカクテルに仕上がります。
なお、ドリップしたコーヒーを使う場合は、甘さと苦味の対比がたのしめる中深煎り~深煎りの豆がおすすめです。
ウイスキーとコーヒーを使ったレシピ3:カフェ・コレット
「カフェ・コレット」は、エスプレッソに少量のグラッパを加えたイタリア発祥のコーヒーカクテルです。イタリア以外では「エスプレッソ・コレット」という名で知られ、ウイスキーやブランデー、リキュールなどさまざまなお酒で作られています。
基本的な作り方は、エスプレッソにウイスキーを少量加えて、ホイップクリームを乗せるだけ。お好みで砂糖をプラスすれば、さらに飲みやすい一杯に仕上がります。
バーボンを飲んだあと、〆の一杯にコーヒーを飲みたくなる人も多いのではないでしょうか。近年は、本格的なコーヒーマシンを設置しているバーも珍しくありません。これを機に、コーヒーとバーボンを使ったカクテルに挑戦してみてはいかがでしょう。