ウイスキーとワイン、それぞれの魅力を比べてみよう

ウイスキーとワイン、それぞれの魅力を比べてみよう
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上級者が嗜むお酒といえばウイスキーとワイン。そんなイメージを持つ人も少なくないでしょう。初心者にとっては「手を出しにくい」と思われがちなお酒ですが、紐解いてみれば案外親近感がわいてくるかもしれません。今回はウイスキーとワインの魅力に迫ります。

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ウイスキーとワインの違いをおさらい

ウイスキーとワインの違いをおさらい

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ウイスキーは蒸溜酒、ワインは醸造酒

ウイスキーとワインの違いを知るために、まずはお酒の定義と種類について確認しておきましょう。

日本の酒税法では、アルコール度数1%以上の飲料を「酒類」と定義していて、酒類は以下の4つに大別されます。

◇醸造酒類
穀類や果実などの原料をアルコール発酵させて造ったお酒。清酒、果実酒、ワインなどが醸造酒にあたります。

◇蒸溜酒類
原料を発酵させたものを、蒸溜機で蒸溜して造ったお酒。ウイスキーやブランデー、焼酎などが蒸溜酒にあたります。

◇混成酒類
醸造酒や蒸溜酒に香料や糖を加えて味を変化させたお酒。リキュールや甘味果実酒、みりんなどが混成酒類にあたります。

◇発泡性酒類
ビールと発泡酒、およびそれ以外の酒類のうち、アルコール分が10度未満で発泡性を有するお酒。ビールや発泡酒、第三のビールなどが発泡酒類にあたります。

ウイスキーのアルコール度数はワインの約3倍!

銘柄や製法により多少の違いはありますが、一般的にウイスキーのアルコール度数は約40~43度、ワインは約12~15度といわれています。

アルコール度数の違いは、醸造酒と蒸溜酒の製造方法の違いに関係しています。原料を発酵させることで完成する醸造酒に対し、蒸溜酒では蒸溜を行います。蒸溜とは、もろみを加熱して気化したものを冷やすことで純度の高いアルコールを得る方法で、蒸溜を重ねるたびにアルコール分が凝縮していきます。そのため、醸造酒よりも蒸溜酒のほうが、アルコール度数が高くなるのです。

ちなみに、ビールは約4~7度、日本酒は約14~18度、焼酎は約25~35度が平均的なアルコール度数。ウイスキーがいかにアルコール度数の高いお酒なのかがわかりますね。

ウイスキーのアルコール度数とうまく付き合う飲み方

ウイスキーとワインの保存方法の違い

ウイスキーとワインの保存方法の違いも比べてみましょう

【ウイスキーの保管方法】

ウイスキーを保存する際は、開封・未開封に関わらず、容器を立てたまま、温度変化が少なく紫外線の届かない冷暗所に保管します。ウイスキーはアルコール度数の高いお酒なので、コルク栓の場合は、ウイスキーに長期間触れたままだとコルクの匂いが染み出す恐れがあります。そのため、コルクに触れさせないよう、寝かせるのではなく立てて保存するのが基本です。
また、天然素材のコルク栓は、時間の経過とともに収縮する特徴があるので、開封後はラップやアルミなどでしっかり密閉して、蒸発や酸化による味の変化を防ぐ必要があります。

【ワインの保管方法】

未開封のワインは、コルクの乾燥を防ぐために寝かせて保存します。コルクが乾燥すると、その隙間から空気が入ってワインの酸化が進みやすくなります。ワインは酸化しやすいので、ワインの味わいや香りを長くキープするためには、ワインセラーのようなワインに適した保管場所を用意する必要があります。
開封後はスクリューキャップなどの気密性が高い蓋を使い、冷蔵庫でボトルを立てて保存します。立てて置くことで、液体が空気に触れる接地面を減らし、酸化を遅らせることができます。キャップぎりぎりまで入る程度の大きさのペットボトルなど、小さめの容器に移し替えるのもおすすめ。またボトル内の空気を抜いたり、窒素ガスを注入したりする方法も有効です。

ウイスキーとワインの共通点

ウイスキーとワインの共通点

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ウイスキーもワインも「樽」で熟成させる

ウイスキーとワインの相違点を見てきましたが、両者には共通する部分もあります。そのひとつが、樽による熟成です。ウイスキーは蒸溜後、ワイン(一部のワイン)は発酵後に、樽に移し替えて熟成させます。ウイスキーのなかには、熟成の際にワインを保存していた古樽を使うケースもあります。

また、「長期間の熟成によって味や香りが変化する製品が存在する」という点も、ウイスキーとワインの共通点といえるでしょう。ただし、ウイスキーの品質は、必ずしも熟成期間に比例するものではありません。またワインの場合は、熟成度合いに関わらず、原料となるブドウの品種や品質に仕上がりが大きく左右されます。

希少なウイスキーやワインには桁違いの価値がつく!

スーパーやコンビニで手軽に買えるものから、プレミア価格がつくものまで、価格帯が幅広いのもウイスキーとワインの共通点です。

プレミアものの価格は桁違いで、希少性が高い銘柄には、オークションなどで数百万円もの値がつくこともあります。なかには数千万や数億円の値がついたものも。もはやただの嗜好品ではなく、宝石や芸術品のような扱いです。

個性豊かで奥が深く、マニアが多いのもウイスキーとワインの特徴のひとつ。いわゆる「沼」にハマるお酒ともいわれます。そのため、希少価値が高まりやすいお酒といえるでしょう。

国産ウイスキーと国産ワインのこれから

国産ウイスキーと国産ワインのこれから

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日本国内で製造されたウイスキーとワインの表記

ウイスキーとワインのこれからを語る前に、「国産」などの表記について触れておきましょう。

【国産ウイスキー(ジャパニーズウイスキー)】

日本では、日本国内で蒸溜したウイスキーだけでなく、海外から輸入した原酒と日本国内で蒸溜したウイスキーを日本国内でブレンドしたものや、輸入もののウイスキーだけをブレンドして瓶詰めしただけの銘柄も、「国産ウイスキー」や「ジャパニーズウイスキー」と名乗ることができます。なかには、サトウキビなどの搾りかすで造ったブレンド用アルコール(醸造アルコール)や、ウォッカなどのスピリッツをブレンドしている銘柄も存在します。
なぜこのような商品があるのかというと、日本の酒税法では、ウイスキーの原産地表記や混ぜ物、熟成年数についての厳格な規定がないからです。これは世界の5大ウイスキー産地のなかでも日本だけの特徴です。

【国産ワインと日本ワイン】

ワインも同様の状況でしたが、近年は、海外から輸入したブドウや濃縮果汁を使って国内で製造したワインを「国産ワイン」、国産ブドウを100%使用して国内で製造したワインを「日本ワイン」と区別しています。
じつは、2つが明確に区別されるようになったのはつい最近のこと。法律が完全に施行されたのは2018年10月からです。国産ワインと日本ワインの違いが、消費者側に浸透するにはまだまだ長い時間がかかりそうです。

日本国内で製造されるウイスキーとワインに対して、私たちができること

ウイスキーブームは留まることを知らず、世界的に見てもジャパニーズウイスキーの需要は高まるばかりです。またワインについても、日本のブドウ栽培技術やワインの醸造技術が格段に進歩したことで、「日本ワイン」の注目度が徐々に高まってきています。

製造に関する定義を明確化させることは、日本の国内で(日本の原料を使って)蒸溜する本来の意味での「国産ウイスキー(ジャパニーズウイスキー)」や、国産の原料を使って国内で醸造する「日本ワイン」の魅力を高めることに繋がります。

とくに、ウイスキー業界では従来の定義の見直しに迫られています。「国産ウイスキー」や「日本ワイン」の価値を高めるために、消費者側もそれぞれの背景や違いをきちんと理解しておきたいものですね。

まったく別の線上にいるようで、少なからず共通する部分もあるウイスキーとワイン。それぞれの違いや共通点を知ることで、ウイスキーとワインをより身近に感じられるかもしれませんね。

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