日本酒のテイスティングの仕方を覚えよう!
日本酒をテイスティングしたことはありますか? 難しいことは考えずにたのしく飲むのもよいですが、香りや味わいなどを意識しながら飲むと、日本酒への愛着が深まってさらに満喫できます。正しいやり方を覚えて、テイスティングに挑戦してみましょう!
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日本酒をテイスティングする前に知っておきたいこと
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日本酒のテイスティングとは?
日本酒のテイスティングは、色や香り、味わいの特徴を評価し、言葉で表現するもので、「きき酒」ともいいます。もともとは蔵元が出荷前に日本酒の品質をチェックするために行うものでしたが、日本酒のタイプが多様化したことから、愛飲家を中心に「日本酒をテイスティングする」という発想が広がってきています。
テイスティングと一言でいっても、きき酒師や製造元などのプロが行うものは、香味を的確に判断し、日本酒の情報を正確に分析し、必要に応じて伝えることが主目的。一方、一般で行われるテイスティングはもっと気楽なもので、日本酒をより深く理解し、たのしむためのものと捉えられています。
日本酒をテイスティングするときの注意点
日本酒は温度や飲む器によって、香りや味わいの印象ががらりと変わります。そのため、テイスティングをするときは、一定の条件下で行うのがポイントです。
【日本酒の温度】
テイスティングに向いている日本酒の温度は約18~20度。いわゆる「常温」がよいといわれています。常温にすると、日本酒本来の香りや味わいの特徴、香味のバランスを判別しやすくなります。
【器の種類】
テイスティングには通常、白磁製の「きき猪口(ちょこ)」が用いられます。白地で、底に「蛇の目(じゃのめ)」と呼ばれる青い二重丸が描かれたお猪口は、日本酒の色味や透明度をチェックするのに役立ちます。なお、近年は、香りをきき分けるのに適した「ワイングラス」を使う場面も増えています。
【器のサイズ】
「きき猪口」にはさまざまなサイズがあります。プロが用いるのは1合(180ミリリットル)分が入る「本きき猪口」というもの。一般には、半量以下の小ぶりのものが用いられることが多いようです。
日本酒テイスティングのチェックポイント
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日本酒をテイスティングするときはまず目で外観を見る
日本酒のテイスティングで最初に行うのは、目で色味などの外観をチェックすることです。「きき猪口」に注ぎ、「色合い」「透明度」「気泡」などを確認しましょう。
【色合い】
「きき猪口」の白い部分で色合いや色の濃淡を確認しましょう。にごり酒は別として、日本酒といえば無色透明なイメージがあるかもしれませんが、本来搾りたての日本酒はかすかに黄色や緑がかった色をしています。長年、「水のようにクリアな外観がよい」とされてきましたが、近年は色味も日本酒の個性として考えられるようになってきています。
【澄明度(ちょうめいど)・透明度】
「きき猪口」の青い二重丸の部分で、日本酒の澄明度(透明度)や、光沢=冴え(さえ)などを確認します。一般的に、青っぽくクリアなものは若くて淡麗なお酒、黄金色のものは熟成が進んでいてコクがあるといわれています。なお、「澄明度」は自然な透明感を、「透明度」はろ過などによって精製された透明感を指します。
【気泡】
発泡性の日本酒では気泡も確認します。粒の大きさや、量・持続性をチェックしましょう。
日本酒のテイスティングでは、口に含む前に鼻で香りをきき分ける
テイスティングでは、日本酒から立ち上る香りもチェックします。目でチェックしたあとは、口に含まず、鼻で香りを感じ取りましょう。
香りの印象は、身近なものにたとえて表現するのが一般的です。たとえば、りんごやバナナなどの果物や、ヨーグルト(乳製品)などにたとえられます。何の香りに近いのかイメージしながら、香りを確認してみてください。
日本酒を口に含んで、「4つの味」を感じとる
いよいよ「味わい」のチェックです。日本酒を少量口に含み、テクスチャー(飲み口)や鼻から抜ける香りを確認します。とろみやなめらかさなどの舌触りも捉えましょう。
それから、日本酒を舌全体にいきわたらせて、甘味、酸味、旨味、苦味をチェック。まずは、最初に感じられる甘味の強弱を捉えます。それから甘味と酸味のバランス、旨味、苦味(苦味がほとんど感じられないものもあります)と、順番に印象を確認していきます。最後に、「アフターフレーバー」と呼ばれる余韻も意識して感じとりましょう。
プロが行うテイスティングでは、口に含んだあとに日本酒を吐き出すのが一般的ですが、自宅で挑戦する場合はそのまま飲み込んでしまってもよいでしょう。
実際に日本酒をテイスティングするときのコツ
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日本酒のテイスティングでは、「2つの香り」の違いに注目
日本酒をテイスティングするときに確認する香りは、以下の2種類です。香りは日本酒の個性を特徴づける要素なので、しっかり確認してみましょう。
◇上立ち香(うわだちか)
日本酒をグラスに注ぎ、鼻を近づけたときに感じる香り。たとえば、吟醸酒からは、フルーティーな吟醸香が感じられます。酸化(劣化)している場合は、「老香(ひねか)」という不快な香りを感じ取れます。
◇含み香(ふくみか)
日本酒を少量口に含んで舌の上で転がし、鼻から息を出すときに感じられる香り。「口中香(こうちゅうか)」や「アフターフレーバー」ともいいます。上立ち香とほとんど変わりがなければ、バランスのとれたお酒ということになります。
日本酒をテイスティングするときの表現方法
日本酒をテイスティングするときは、外観、香り、味わいを言葉で表現します。それぞれの表現方法をいくつか確認しましょう。
【外観】
透明度や輝き、色合いなどを表現します。透き通っている場合は「冴え」、艶がある場合は「照り」、少し濁っている場合は「ぼけ」などの言葉を使います。色合いは「黄金色」「山吹色」といった和名を使うこともあれば、国際的に通用する「イエロー」や「ゴールド」などの言葉で表現することもあります。また、「トパーズ」など宝石にたとえることもあります。これら色の表現に、濃淡を加えて外観の印象を表しましょう。
【香り】
「上立ち香」と「含み香」を表現します。香りの種類を大きく分けると、「華やか」「爽やか」「穏やか」「ふくよか」の4つ。華やかな香りは熟した果物や香りの強い花など、爽やかな香りはハーブや酸味のある果物など、穏やかな香りは苦味のある野菜やナッツなど、ふくよかな香りはスパイスや乳製品などにたとえられます。なお、日本酒の香りは複雑なため、複数の香りを織り交ぜて表すことも多くあります。
【味わい】
甘味・酸味・旨味・苦味、飲み口などを表現します。たとえば、甘味は「まろやか」「やさしい」など、酸味は「シャープな」「フレッシュな」など、旨味は「ふくらみのある」「芳醇な」など、苦味は「スッキリした」「ハーブのような」などの表現が使われます。また飲み口は、「サラサラ」「穏やかな」「まるみのある」といった言葉で表しましょう。
日本酒のテイスティングは奥が深く、チャレンジすればするほど日本酒をもっと知りたくなります。慣れてきたら、「ブラインドテイスティング」もオススメ。銘柄を隠した状態でテイスティングを行うと、先入観なく自分が好きな日本酒の傾向がわかります。一度、試してみてはいかがでしょう。