「ダルウィニー」は、ハイランド地方のクラシックシングルモルト

「ダルウィニー」は、ハイランド地方のクラシックシングルモルト
出典 : Niccolo Bertoldi/ Shutterstock.com

スコットランドのハイランド地方にあるダルウィニー蒸溜所では、クラシックシングルモルトとして名高い「ダルウィニー」を製造しています。ここでは「ダルウィニー」が育まれるハイランド地方の特徴や味わい、蒸溜所の歴史、おすすめの銘柄などを幅広く紹介します。

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「ダルウィニー」とは? 蒸溜所のある立地と味わいの特徴

「ダルウィニー」とは? 蒸溜所のある立地と味わいの特徴

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「ダルウィニー」は標高約326mの高地にある蒸溜所で生まれる

「ダルウィニー」は、スコットランドのなかでも標高の高い山岳地帯で造られています。「ダルウィニー」とはゲール語で「落ち合う場所」を意味する言葉で、かつてこの地はハイランドの北方や西方からローランド地方の市場へと家畜を運ぶ際に、家畜を集める中継地だったといわれています。

蒸溜所のある一帯は年間平均気温約6度と冷涼な気候が特徴です。ウイスキーの熟成がゆっくり進むことから、「天使のわけまえ」と呼ばれる樽の中から減っていく液体の量も少ないそう。

またこの辺りは、グレートブリテン島の人が住む地域のなかでもっとも寒く、荒涼としていて風雨の激しい環境にあります。そのため蒸溜所は政府の気象観測所も兼ねていて、スタッフが毎朝気温と湿度を計測するといった、ちょっと珍しい役割も担っています。

「ダルウィニー」を育むのはハイランド地方の中央エリア

スコットランド北部に広がるハイランド地方は、バグパイプやタータン柄のキルトの発祥地として知られるエリアです。広大なムーアの土地にウイスキーの蒸溜所が点在していて、多くの場合、東西南北と4つの地域に区分され、それぞれの個性や特徴について語られます。

しかし、ダルウィニー蒸溜所はハイランド地方の中央付近に位置するため、区分があいまいです。北ハイランドに分類されることが多いですが、中央ハイランドの蒸溜所として紹介されることもあります。

「ダルウィニー」の基本的な味わい

ハイランドのスコッチは、全体的にまろやかで芳醇な味わいのものが多いのが特徴です。なかでも4つの地域に隣接した特異な立地で生まれる「ダルウィニー」は、北のリッチさ、南の軽やかな口当たり、東のフルーティーさ、西のライトな風味など、各地域のよさを感じられるスコッチに仕上がっています。

グランピアン山脈の雪解け水と、スコットランドの国花であるヘザー(ツツジ科の低木)が彩りを添える「ダルウィニー」の味わいは、ピート香が少なくライトで、口当たりはやわらか。そのうえ芳醇で、ハチミツのような香りと余韻をもたのしめる、バランスのよいスコッチです。

「ダルウィニー」の歴史と原酒の特徴

「ダルウィニー」の歴史と原酒の特徴

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ダルウィニー蒸溜所は創業120年以上の老舗蒸溜所

「ダルウィニー」を製造しているダルウィニー蒸溜所は、1898年設立以来、スコットランドで120年以上もの長い間、良質なスコッチを造り続けてきた老舗蒸溜所です。

創業当初、ダルウィニー蒸溜所は「ストラススペイ蒸溜所」と呼ばれていました。「ストラススペイ」とはゲール語で「喜びの集結場」という意味。現在の名称に変わったのは、蒸溜所がアメリカの会社に売却された1905年ころといわれています。

その後も何度かオーナーが変わり、現在はMHDモエ・ヘネシー・ディアジオ(ディアジオ社)が所有しています。

「ダルウィニー」はクラシックシングルモルトのひとつ

「ダルウィニー」は、クラシックシングルモルトとして人気の銘柄です。ディアジオ社では、自社で所有するアイラの「ラガヴーリン」、アイランズの「タリスカー」、西ハイランドの「オーバン」、スペイサイドの「クラガンモア」、ローランドの「グレンキンチー」、そして北ハイランドの「ダルウィニー」の6銘柄を、「クラシックモルトシリーズ」としてリリースしていました。蒸溜所の個性を活かすため、なんとほぼすべての原酒をバーボン樽のサードフィルで熟成させるという、こだわりのシリーズだったのです。

現在はこのシリーズ名ではラインナップされていませんが、 いずれも各地域の特性がよく現れている名酒で、今でも多くのウイスキー愛好家に親しまれています。

「ダルウィニー」の原酒のほとんどは、キーモルトとして使われる

「ダルウィニー」は、自家製麦、木製のウォッシュバック(発酵槽)、ストレートヘッド型の単式蒸溜器、木製のワームタブ(蛇菅型冷却装置)を使用するなど、伝統的な手法にこだわって造られているモルトです。

年間生産量は約130万リットルで、じつはそのほとんどが、ブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使われています。有名どころでは「ブラック&ホワイト」や英国王室御用達の「ロイヤルハウスホールド」などが挙げられます。

一方、シングルモルトとしてボトリングされるのは全体の5%程度。流通量が少ないため、「ダルウィニー」は希少性の高い銘柄といえるでしょう。

「ダルウィニー」を代表するおすすめ銘柄

「ダルウィニー」を代表するおすすめ銘柄

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ダルウィニー15年

「ダルウィニー15年」は、「ダルウィニー」特有のヘザーやハチミツのような風味、バニラ香、柑橘系のフルーティーなさわやかさ、デリケートなスパイシーさを感じられるシングルモルトです。熟成期間が長めのため、クリーミーでやわらかい口当たりやスムースで深みのある味わい、そしてやさしい余韻をもたのしめます。親しみやすいスコッチなので、初心者にもチャレンジしてほしい1本です。

ダルウィニー ディスティラーズエディション

ディアジオ社のディスティラーズエディションシリーズは、シェリー樽やワイン樽などで、3か月から半年ほど仕上げ熟成(カスクフィニッシュ/ダブルマチュアード)を行ってからボトリングされています。

「ダルウィニー ディスティラーズエディション」の再熟成には、オロロソシェリーを貯蔵した古樽を使用。それによってワインのような甘さとリッチさが加わり、ピート香やヘザーハニーの風味、スパイシーさなどが際立ち、複雑な味わいをたのしめるスコッチに仕上がっています。

「ダルウィニー」のシングルモルトは、ハイランド地方の特性を備えた「クラシックモルト」として注目されている人気銘柄です。流通量は少ないですが、バランスがよくとても飲みやすいので、出会ったらぜひ試してみてください。

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