えっ! カレーと日本酒は好相性⁉ 食の専門家二人がペアリングに挑戦

えっ! カレーと日本酒は好相性⁉ 食の専門家二人がペアリングに挑戦

日本酒に合うおつまみは何ですか? と質問されてカレーを思い浮かべる人は、まずいないのではないでしょうか。今回、日本の国民食とも言える「カレー」に焦点をあてて、「カレーと日本酒は合うのか? はたまた合わないのか?」を食の専門家とカレー・スパイスの専門家を招いて実際に食べ合わせてみて検証しました。

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日本酒とカレーとのペアリングは?

日本酒とカレーとのペアリングは?

今回のカレーと日本酒のペアリング体験会にお呼びしたのは、国内外で幅広く活躍されているフードジャーナリストの里井真由美さんと、酒処、新潟出身のカレー・スパイス研究家で、全国を飛び回り年間800食のカレーを食べる一条もんこさんのお二人です。

タイプが違うカレー4種と日本酒5種、20通りを検証

カレーはこの4タイプをチョイス

カレーはこの4タイプをチョイス

上部左からZ順に
①ネゴンボ33監修 ラムキーマカレー
(製造者:合同会社36チャンバーズ・オブ・スパイス)
2009年西所沢にオープンした、全国からカレー好きが集まる人気店、ネゴンボ33の人気メニュー。新鮮な粗挽きラム肉を、スパイスと赤ワインで煮込んだキーマカレー。ラム肉の旨味と花椒の抜けるような刺激が癖になるカレーです。

②新宿中村屋 本格麻辣 花椒カリー 鮮烈なしびれ、香る青花椒
(製造者:㈱中村屋)
青唐辛子、生姜の爽やかな辛味に豚鶏挽き肉の旨味をきかせた「辛さとコク」、中村屋オリジナルスパイス・本場四川の青花椒・青花椒油をきかせた「香りとしびれ」が特徴の青花椒カリーです。香りとしびれの「特製花椒(四川山椒)」の小袋入り。

③からだシフト 糖質コントロール バターチキンカレー
(製造者:宮島醤油㈱)
完熟トマトとバターのコクがきいたバターチキンカレー

④五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレー 鯛の出汁×チーズ
(製造者:ごと㈱/長崎県五島市)
ルーに溶けたチーズが五島の新鮮な鯛からとった出汁とからみ合い、コクのある濃厚な味わいに。使っているチーズは一番合うものをシェフが追求しました。最先端の機械を導入し保存料・着色料不使用でおいしさを保ちます。チーズが甘味を出し、お子さんにも食べやすい味です。

*上記①②④は、カレー・スパイス研究家の一条もんこさんがセレクトしたレトルトカレーです。

カレーに合わせる日本酒はこの5種類をチョイス

カレーに合わせる日本酒はこの5種類をチョイス

左から、
◇松竹梅白壁蔵 澪(みお)
甘味のあるスパークリング清酒。アルコール度/5% 

◇白川郷 純米にごり酒
もろみがたっぷり残る非常に濃いにごり酒。アルコール度/14~15%、日本酒度/-25

◇朝日山 純米酒
「まるみ」と「酸味」を両立した「メリハリ」タイプの純米酒。アルコール度/15%

◇八海山 貴醸酒
水のかわりに日本酒で仕込んだやわらかで上品な甘さの日本酒。アルコール度/17.5%、日本酒度/-36

◇上撰 金冠ワンカップ大関
すっきりと飲み飽きしない、バランスのよい味わいのカップ酒、アルコール度/15%

*日本酒は、「たのしいお酒.jp」編集部のシニアソムリエセレクト。15度前後の温度で提供しました。

カレーと日本酒のペアリング検証スタート!

カレーと日本酒のペアリング検証スタート!

検証方法は、一つのカレーに対して5種類の日本酒を飲み、その味わいや相性について里井さん(写真左 以下、里井)と一条さん(写真右 以下、一条)に感想を語っていただきます。
日本酒5種とカレー4種なので、全部で20通りのペアリングです。

まずは「五島の鯛で出汁をとった なんにでもあうカレー」から

まずは「五島の鯛で出汁をとった なんにでもあうカレー」から

里井:カレーに鯛の出汁が使われているので、口に含んだ最初に「和」のカレーの味わいが強く感じられます。そのためふくよかな旨味のある朝日山純米酒がしっくりきますね。また、このカレーにチーズが入っているので、そのコクを一旦リセットするには、スパークリング清酒の澪もよいと思います。

一条:このカレーは、鯛出汁とチーズがバランスよく調和したカレーで、カレー自体がまろやかな味わいになっています。そこがワンカップとなじみやすいと思います。購入しやすいワンカップ大関と合わせることで、日常的なフィット感があります。

二人:鯛出汁カレーには、ワンカップ大関か朝日山純米酒が合うと思います。

一条:“出汁“を使ったカレーなので、日本酒との相性はそもそもよいと思います。

2種類目のカレーは「花椒カリー」

2種類目のカレーは「花椒カリー」

「辛さとコク」「香りとしびれ」が特徴のシビ辛カレー。これは、見事にお二人同意見。

二人:このカレーは八海山貴醸酒がピッタリ合います。

里井:カレーのラー油の辛味と、相反する甘味のある八海山貴醸酒が、口の中でうまく辛味を和らげてくれて、どんどんと食べ進められそう。

一条:貴醸酒の次に合うのは、松竹梅の澪ですね。スパークリングのはじける感じとカレーのしびれ感がバランスよく調和します。澪の甘味も絶妙に合います。

2種類目のカレーは「花椒カリー」


里井:辛味があるカレーですが、甘味も感じます。澪の甘味がカレーの甘味と共調してよりおいしくなり、甘味の余韻が広がります。このおいしさは、やみつきになります!
中華風のカレーと日本酒って一番対局にありそうですが、澪と合わすと女性にも好まれると思うし、辛いものが苦手という人も合わせられると思います。
中華風なので紹興酒が頭に浮かびますが、このカレーの味わいには合わない気がします。

3種類目のカレーは「バターチキンカレー」

3種類目のカレーは「バターチキンカレー」

一条:糖質30%オフのバターチキンカレーなのに、しっかりとコクもある味わいでおいしいカレーですね。
最初に、どろっとした白川郷の純米にごり酒を合わせてみたら、にごりのとろみとミルクが入ったバターチキンの乳感がそれぞれ主張して、食感に重さがでてしまいました。
スパークリングの澪と合わせたほうが軽く感じます。バターチキンカレーは、カレーの中でも特徴的でずっしり感があります。食べ進めるためには軽やかなお酒がいいと思います。

里井:チキンもしっかり入っていて生クリーム感もありおいしい。このカレーには、はじけるタイプで香りが穏やかな日本酒がよく合うと思います。
松竹梅 澪との相性はいいですね。ややこってりして塩味のある味わいのカレーをスパークリングの炭酸が軽やかにしてくれます。

4種類目のカレーは「ラムキーマカレー」

4種類目のカレーは「ラムキーマカレー」

4種類目のカレーでもお二人の意見が一緒に。

お二人:ラムの粗挽き肉とホールスパイスがしっかりと入った「ラムキーマカレー」には、白川郷純米にごり酒がピッタリです。

4種類目のカレーは「ラムキーマカレー」

一条:ラムの粗挽き肉と、普通はレトルトカレーに使用しないホールスパイスがいくつも入ったスパイシーなカレーには、どろっとした甘酒のような味わいを持つ白川郷純米にごり酒が合います。
カレーのシャープな辛味に、クリーミーな舌触りのにごり酒がかぶさることで、あまり体験しない食感のギャップがすごく新鮮です。

里井:スパイシーで激しめの味わいのカレーと、どぶろくのようなにごり酒がやわらかく、カレーとお酒の食感のギャップがよ
いです。

二人:ノンアルコールの甘酒も、このカレーには合うと思います。

結論:カレーと日本酒は、両者の特長を掴んで組みあわせれば好相性に

結論:カレーと日本酒は、両者の特長を掴んで組みあわせれば好相性に

一条:カレーの味わいの違いと、日本酒の味わいの違いがはっきりしている試食・試飲だったので結果もわかりやすくなっています。
日本酒の米由来の旨味やコクが、カレーの旨味との相乗効果でより味わいに深みがでることを再認識しました。
カレーの刺激的な辛味やしびれ感は、スパークリング清酒 澪の泡がスッキリ流してくれて、口内をリセットしてくれますね。

里井:スパークリング清酒の澪は、ちょうどよいバランスの炭酸感なので、どのカレーにも合う万能選手だと思います。

一条:澪のスパークリング感が、スパイスの感覚とリンクするように感じます。舌の上で感じる炭酸の刺激とスパイスから来る辛味の刺激が少し似ています。

里井:「今日の食事はレトルトカレーだから食卓が少し寂しいな」と思うような時や、カレーパーティーの時に澪があれば、最初に乾杯して始めると一気に食卓が華やかになりますね。心強い味方です。

里井:ワンカップはどこでも買える日本酒なので、「ワンカップには、カレーも合いますよ」的なアピールをするのもよいかと思います。

まとめ

今回のペアリング体験の結果は、以下の相性となりました。
◇「鯛の出汁×チーズのカレー」には「朝日山純米酒」「ワンカップ大関」
◇辛さとコク、香りとしびれの「花椒カリー」には「八海山貴醸酒」
◇「バターチキンカレー」には「松竹梅白壁蔵 澪」
◇「ラムキーマカレー」には「白川郷純米にごり酒」

一口に「カレー」と言っても、非常に多くの種類・味わいがあります。
今回、“このカレーには、この日本酒が合う“としましたが、カレーも日本酒も味わいの感じ方は、人ぞれぞれかと思いますので、あくまでも参考としてとらえていただければと思います。

現在の飲食業界を見ると、カレーと日本酒のペアリングがたのしめる飲食店もあります。
機会がありましたら、ぜひ、カレーと日本酒のペアリングにもチャレンジしてみてください。驚きの発見があるかもしれません。

■大関(ワンカップ)
https://www.ozeki.co.jp/product/nihonshu/oc_josen.html
■朝日酒造  
https://www.asahi-shuzo.co.jp/
■八海山
https://www.hakkaisan.co.jp/
■宝酒造(松竹梅白壁蔵 澪)
https://shirakabegura-mio.jp/
■三輪酒造(白川郷純米にごり酒)
http://www.miwashuzo.co.jp/

里井真由美さん プロフィール

里井真由美さん プロフィール

フードジャーナリスト。1級フードアナリストや米・食味鑑定士、唎酒師など多くの食資格を持つ。 世界の高級レストランから和食・デパ地下グルメスイーツなど幅広い分野で情報発信し、テレビ出演も多数。現在、農林水産省 食料・農業・農村政策審議会委員、フードアクション・ニッポンアンバサダー。農水省の甘味資源(お砂糖)の委員として国産砂糖やスイーツを応援する「ありが糖運動」も発足、活動中。

一条もんこさん プロフィール 

一条もんこさん プロフィール 

カレー・スパイス料理研究家。新潟県出身。家庭科教諭免許保持。年間カレー800食、レトルト3000食研究。カレー料理人を経てレシピやメニューのプロデュース業、開発をしています。カレー研究会、スパイス料理教室主宰。自作レトルト『あしたのカレー』。著書『レトルトカレーのアレンジレシピ』。よこすかカレー大使。新潟カレー大使。
Youtube「もんこのカレー教室TV」を2020年2月からスタート。

一条もんこさん プロフィール 

販売10万食突破!構想期間10年を経て完成した、今日食べられる熟成2日目の味。
テレビ、メディアで大活躍のカレー研究家、カレー大學講師の一条もんこさん監修のレトルトカレーです。『毎日食べたい』をテーマに2日目の味を忠実に再現。
国産野菜を100%使用し、大きめにカットした具材たっぷりのレトルトカレー。お子様から大人までたのしめる優しい味のカレーです。

監修者

里井真由美

里井真由美

フードジャーナリスト。
1級フードアナリストや米・食味鑑定士・きき酒師など多くの食資格を持つ。
世界の高級レストランから和食・デパ地下グルメスイーツなど幅広い分野で情報発信し、テレビ出演も多数。
現在、農林水産省 食料・農業・農村政策審議会委員、フードアクション・ニッポンアンバサダー。
農水省の甘味資源(お砂糖)の委員として国産砂糖やスイーツを応援する「ありが糖運動」も発足、活動中

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