「ちろり」が燗をたのしくする? 「ちろり」のあれこれ教えます【日本酒用語集】

「ちろり」が燗をたのしくする? 「ちろり」のあれこれ教えます【日本酒用語集】
出典 : Sunwand24/ Shutterstock.com

「ちろり」という酒器を知っていますか? 日本酒をお燗するときに使う酒器の一種で、名前は知らなくても、居酒屋などで見かけたことがあるのではないでしょうか。今回は、この「ちろり」について紹介します。

  • 更新日:

「ちろり」とは日本酒を温めるための酒器

「ちろり」とは日本酒を温めるための酒器

Sunwand24/ Shutterstock.com

「ちろり」は、お燗した日本酒をそのまま注げる酒器

「ちろり」とは、日本酒を温めるときに使う酒器のこと。銅や錫など金属製のコップに取っ手と注ぎ口がついていて、お酒を注いでお湯に入れて燗酒にすると、そのままお猪口などに注げます。
金属製なので熱伝導率が高く、湯煎ですばやく日本酒を温めます。また、日本酒全体を均一に温めるため、やわらかで雑味が抑えられ、燗酒をおいしくたのしめます。

「ちろり」の登場で、「直火燗」から「湯煎燗」の時代へ

「ちろり」は、江戸時代後期に登場したと言われていて、当時の庶民の様子を記した資料にも「ちろり」が描かれています。
「ちろり」が普及するまでは、日本酒を鍋ややかんに入れて、そのまま火にかける「直火燗(じかびかん)」が一般的でしたが、温度や火力の調整が難しく、味わいを損ねることも少なくなかったのだとか。「ちろり」の登場によって、現在のような「湯煎燗」が広まったと考えられています。

「ちろり」の名前の由来には諸説あり

「ちろり」は中国から伝わったとも言われていて、漢字では「銚釐」と書きます。
その名の由来には諸説があり、囲炉裏に埋めて温めていたから「ちろり(地炉裏)」と呼ばれたという説もあれば、ちょっとの時間で日本酒が温まることから「ちろり」になったという説もあります。
ちなみに、「ちろり」という呼び方は関東が主体で、関西地方では「酒タンポ」と呼ばれるのだとか。

「ちろり」の材質はさまざま、それぞれの特徴は?

「ちろり」の材質はさまざま、それぞれの特徴は?

Photographer_Cage/ Shutterstock.com

「ちろり」はもともと銅製が主流

「ちろり」が登場した江戸時代には、その材質は銅製が主流でした。銅は熱伝導性が高く、燗をつけるのにはピッタリ。また、江戸時代は日本が銅の産出のピークを迎えた時期で、身近な金属だったことも理由でしょう。

錫(すず)製の「ちろり」は憧れのアイテム

「ちろり」は、現在ではさまざまな材質のものが登場していますが、とくに人気が高いのが錫製の「ちろり」です。
錫には「抗菌作用」と「錫イオン作用」があり、日本酒の雑味が抜けて味が整い、まろやかに感じられます。
稀少な金属で高価なため、錫製の「ちろり」は日本酒愛飲家にとって憧れの酒器と言えるでしょう。

「ちろり」にはアルミ製やステンレス製、ガラス製も

「ちろり」には、このほかにも、お手頃価格がうれしいアルミ製や、直火も可能でアウトドアにもピッタリなステンレス製など、さまざまな素材のものがあります。
変わったところでは、中身の見える耐熱ガラス製の「ちろり」も登場しているので、予算やお好みに合わせて選んでください。

「ちろり」を買うならどれがよい?

「ちろり」を買うならどれがよい?

https://tanoshiiosake.jp/2910

普段使いの「ちろり」ならアルミ製がオススメ

自宅で気軽に使うなら、アルミ製の「ちろり」がおススメです。1,000円前後から購入できるコストパフォーマンスの高さが魅力ですが、熱伝導率もそれほど遜色はなく、居酒屋気分でお燗をたのしめます。軽いので、キャンプなどにも便利です。

「ちろり」をプレゼントするならスペシャル感のあるものを

錫製の「ちろり」は機能、風情ともに本格的で、愛飲家へのプレゼントにはピッタリ。取っ手の藤巻きも含め、伝統工芸としての側面もあり、高級感も備えているので、日本酒好きならきっと喜んでくれるでしょう。

「ちろり」の使い勝手を高めた商品も

「ちろり」は、陶製の徳利に比べて熱伝導率が高いため、温まりやすい分だけ冷めやすいという面もあり、また日本酒が空気に触れる面積が大きいため、温めている間に蒸発したり、香りが逃げたりしてしまうことも。
これを解決するために、蓋つきの「ちろり」や、陶器の壺とセットになった「ちろり」も登場しているので、ぜひ、試してみてください。

「ちろり」は本来、お酒を温めるための酒器ですが、冷酒を入れると冷たいままに保ってくれる効果もあります。燗酒も冷酒もおいしくたのしめる「ちろり」が自宅にもあれば、日本酒ライフはもっとたのしくなります。お気に入りの「ちろり」を見つけてみてください。

おすすめ情報

関連情報

日本酒の基礎知識