「スモールバッチ」は高品質なウイスキーの証? 【ウイスキー用語集】

「スモールバッチ」は高品質なウイスキーの証? 【ウイスキー用語集】
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「スモールバッチ」とは、ウイスキーの世界では、アメリカンウイスキーの代名詞とされるバーボンウイスキーの用語として知られています。「スモール」という言葉から「少量限定生産」をイメージすると思いますが、それだけでは表し切れない魅力も含め、「スモールバッチ」とは何かを説明します。

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「スモールバッチ」は少量限定生産のウイスキー

「スモールバッチ」は少量限定生産のウイスキー

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「スモールバッチ」とはどんなウイスキーか?

「スモールバッチ」という言葉に法的な定義はありませんが、一般的には、「少量限定生産のウイスキー」という意味で用いられることが多いようです。
もともとは、アメリカンウイスキーの代表格であるバーボンウイスキーの用語で、少数の選び抜かれた良質な樽からのみ瓶詰めした、数量限定で造られるバーボンを指します。
これをさらに進めて、厳選した単一の樽からのみ瓶詰めしたものが、「シングルバレル」(バーボン以外では「シングルカスク」)となります。

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「スモールバッチ」はバーボン以外でも

もともとはバーボンウイスキーの用語とされるだけあって、「スモールバッチ」と銘打たれた商品は、「フォアローゼス スモールバッチ」や「ノブ クリーク スモールバッチ」「エライジャ・クレイグ スモールバッチ」など、バーボンの人気銘柄が揃っています。
しかし近年では、「ボウモア スモールバッチ」のように、スコッチウイスキーの銘柄にもスモールバッチが登場していて、決してバーボンのみとは言えなくなっています。

「スモールバッチ」には異なる意味合いも

「スモールバッチ」という言葉の意味を紐といてみると、「スモール(Small)」は「小さい」、「バッチ(Batch)」は「一束」とか「一群」といった意味がありますが、食品などの分野では「一回分の加工・調理でできる量」のこと。
この意味のとおり、発酵から蒸溜に至るプロセス1回当たりの量が少ない場合も「スモールバッチ」と呼ばれることがあります。この意味での「スモールバッチ」は、おもに独立資本系や、少量生産にこだわる蒸溜所などで使われているようです。
どちらの意味も「質や個性へのこだわり」は共通していますが、「スモールバッチ」のウイスキーを飲む際は、どのように造られたものかを調べてみると、より深くたのしめるでしょう。

「スモールバッチ」で造られるウイスキーの魅力は造り手の個性

「スモールバッチ」で造られるウイスキーの魅力は造り手の個性

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スモールバッチのウイスキーは個性が魅力

スモールバッチで造られるウイスキーの魅力は、厳選された少数の樽のみから瓶詰めすることで、多くの樽から瓶詰めする通常のウイスキー以上に、造り手のこだわりや個性をたのしめることでしょう。
もともとウイスキーは蒸溜所ごと、さらには熟成される樽ごとに個性が異なるもの。とは言え、強すぎる個性は「クセの強さ」「品質のバラツキ」とも取られがちです。このため多くの場合、数多くの樽からブレンドして品質を整え、より飲みやすく万人受けする洗練された味わいのウイスキーにして販売を行っています。
スモールバッチの場合、混ぜ合わせる原酒が少ないため、通常のウイスキーよりもさらに個性が際立つ味わいとなるのです。

スモールバッチのウイスキーが「高級品」とされる理由

スモールバッチで造られるウイスキーは、本来は造り手の個性をたのしむものですが、少量限定生産という希少性もあって、「高級品」と認識されることもあるようです。
確かに、造り手が自信を持って選び抜き、「多くの樽とブレンドしなくとも市場に出せる」と判断した樽のみを使用しているので、必然的に質も高くなります。
スモールバッチを飲む機会があれば、そうした“本質”を踏まえたうえで味わうことで、より深くたのしむことができるでしょう。

「スモールバッチ」の代表格、クラフトバーボンの魅力

「スモールバッチ」の代表格、クラフトバーボンの魅力

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スモールバッチの魅力を知るなら、クラフトバーボンを

スモールバッチの代表格として語られるのが、バーボンウイスキーのなかでも「クラフトバーボン」と呼ばれるウイスキーです。
クラフトバーボンとは、「ジムビーム」で知られるビーム家の6代目、ブッカー・ノウ(ノー、ノオ表記の場合も)氏が生み出した新たなカテゴリー。ウイスキー造りのあらゆる工程で、造り手の思想やこだわりを色濃く反映させた少量限定生産のバーボンウイスキーを意味しています。

クラフトバーボンに込められた“原点回帰”の思想

クラフトバーボンは、もともと、禁酒法以前の力強いバーボンへと原点回帰しようという思想のもと始まりました。これをきっかけに、バーボンの本来あるべき姿が見直され、蒸溜所ごとの個性を活かしたクラフトバーボン造りが広がっています。
近年、小規模な蒸溜所の広がりとともに、クラフトバーボンもその数を増やしており、日本にも徐々にクラフトバーボンの波が広がりつつあるので、機会があれば、その個性をたのしんでみてください。

スモールバッチで造られるウイスキーからは、造り手のウイスキーに対する思想や理念を垣間見ることができます。造り手のこだわりや想いに触れてみたいなら、一度スモールバッチのウイスキーを手にとってみることをオススメします。

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