バーボンウイスキーはアメリカンウイスキーの代表格!【ウイスキー用語集】

バーボンウイスキーはアメリカンウイスキーの代表格!【ウイスキー用語集】
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バーボンウイスキーは、アメリカンウイスキーのなかでもっともポピュラーな存在です。では、同じくトウモロコシを主原料とするコーンウイスキーやテネシーウイスキーとはどう違うのでしょう? バーボンウイスキーの定義や歴史、代表銘柄などを紹介します。

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バーボンウイスキーはケンタッキー州生まれのコーンウイスキー

バーボンウイスキーはケンタッキー州生まれのコーンウイスキー

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バーボンウイスキーを名乗るための条件とは?

バーボンウイスキーとは、どのような特徴を持ったウイスキーなのでしょうか。アメリカの法律では、以下4つの条件を満たしたもののみが「バーボンウイスキー」を名乗ることを認められます。

1.アメリカ国内で造られている
2.原料となる穀物のうち、トウモロコシの比率が51%以上
3.アルコール度数は、蒸溜時で80%以下、瓶詰め時で40%以上
4.内側を焦がした新品のオーク樽で2年以上熟成

バーボンウイスキーには、その発祥地であるケンタッキー州産というイメージがあり、実際、約9割までが同州で造られますが、他の州で造っても「バーボン」を名乗ることができます。

バーボンウイスキーが生まれたのはアメリカの独立当初

バーボンウイスキーは、アメリカ合衆国が建国間もない1789年、エライジャ・クレイグ牧師がケンタッキー州でウイスキー造りを始めたのが起源とされています。
その後、独立戦争のため膨大な負債を抱えこんだアメリカ政府は、財政再建のためウイスキー税を導入。これに反対したウイスキー生産者たちが、当時まだアメリカ領でなかったケンタッキー州へと逃れたことで、バーボンウイスキーの生産が活発化しました。

バーボンウイスキーの「バーボン」の由来は?

バーボンウイスキーの「バーボン」とは、ケンタッキー州の州都のひとつ、「バーボン郡」に由来します。
もともとの語源は、フランスの王家として知られる「ブルボン」。イギリスとの独立戦争に際し、フランスがアメリカに味方したことを感謝して、地名としたものです。
その起源や由来を調べると、バーボンウイスキーには、アメリカ独立当時の歴史が大きく影響していることがわかります。

「バーボンウイスキー=アメリカンウイスキー」ではない

「バーボンウイスキー=アメリカンウイスキー」ではない

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バーボン以外にも多彩なアメリカンウイスキーが

バーボンウイスキーは“アメリカンウイスキーの代名詞”とされ、なかには「バーボン=アメリカンウイスキー」と誤解している人もいるようですが、バーボン以外にも、アメリカンウイスキーにはさまざまな種類があります。
トウモロコシを80%以上使ったコーンウイスキー、ライ麦を主原料とするライウイスキー、小麦が主原料のホイートウイスキー、大麦麦芽主体のモルトウイスキー、ライ麦麦芽主体のライモルトウイスキー、さらにはこれらを混ぜたブレンデッドウイスキー。穀物が豊かに実るアメリカらしく、造られるウイスキーの種類もじつに豊富です。

バーボンウイスキーとテネシーウイスキーはどう違う?

バーボンウイスキーとコーンウイスキーは、主原料となるトウモロコシの比率によって明確に区別されています。では、同じくトウモロコシを主原料とするテネシーウイスキーとはどう違うのでしょう?
テネシー州はケンタッキー州のすぐ南に位置し、当初は一体となってバーボン文化を育んできました。しかし、1860年代の南北戦争で敵味方に分かれたことから対抗意識が芽生え、バーボンとは異なるテネシー独自のウイスキー造りが行われるようになりました。
テネシーウイスキーの最大の特徴が、蒸溜した原酒をサトウカエデの炭でろ過する「チャコールメローイング製法」。この工程によって荒々しいフレーバーが取り除かれ、テネシーウイスキーの個性であるやわらかい口当たりが生まれます。

バーボンウイスキーの代表銘柄

バーボンウイスキーの代表銘柄

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バーボンウイスキーの魅力は甘味とまろやかさ

「バーボンウイスキー」と一口に言っても、その魅力は銘柄ごとにそれぞれ異なります。一般的な傾向としては、トウモロコシ由来の甘味とまろやかさ、アクセントとして加わるライ麦のスパイシーな風味などが挙げられます。
カクテルのベースとしても好まれ、ウイスキー初心者から上級者まで広く愛される、そんなバーボンウイスキーのなかから、代表的な銘柄を紹介します。

【I.W.ハーパー】

「I.W.ハーパー」は、高級バーボンウイスキーの草分け的な存在で、その都会的なイメージから贈答品としても人気。トウモロコシの比率を86%まで引き上げることで、やわらかな甘味と心地よい口当たりを実現し、多くの支持を集めています。

「I.W.ハーパー」は洗練された味わいのスタイリッシュなバーボンウイスキー

【ワイルドターキー】

「ワイルドターキー」の特徴は、蒸溜時のアルコール度数を低く抑えていること。法律上の基準は「蒸溜時で80度以下」ですが、「ワイルドターキー」は60~65度と、かなり低めです。
これにより、熟成を終えてボトリングする際に加水が少なくて済み、原料の豊かなフレーバーをそのまま味わうことができるのです。

輸入販売元:CT Spirits Japan
公式サイトはこちら

【ブラントン】

「ブラントン」は、数あるバーボンウイスキーの中でも「唯一無二のバーボン」と称される存在です。
通常、ウイスキーは樽ごとの味のばらつきをなくすため、複数の樽の原酒をブレンドします。「ブラントン」は、ブレンドを一切せず、1樽ごとにボトリングしていく「シングルバレルバーボン」。8年かけて熟成された上質の味わいは、ケンタッキーの風土と職人の技の結晶です。

独特なバーボンウイスキー「ブラントン」その魅力を知る

建国以来、200年にわたるアメリカの歴史、そのほぼすべてを共に歩んできたバーボンウイスキー。その魅力を味わいながら、現在に至るアメリカの歴史に思いを馳せてみるのも、ウイスキーのたのしみ方のひとつと言えるでしょう。

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