奈良の日本酒【篠峯(しのみね)】純米酒にこだわる小規模蔵が造る珠玉の酒

奈良の日本酒【篠峯(しのみね)】純米酒にこだわる小規模蔵が造る珠玉の酒
出典 : siro46 / Shutterstock.com

「篠峯」は、明治6年(1873年)創業の小さな蔵元、千代酒造が醸す奈良の地酒。米作りから醸造まで、一貫した酒造りを行う蔵元が、時間と手間をかけて醸す日本酒は、少量生産ながら高い評価を得ています。ここでは、代表銘柄である「篠峯」と、もうひとつの人気銘柄「櫛羅(くじら)」の魅力を紹介します。

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「篠峯」を生んだ葛城山の大自然

「篠峯」を生んだ葛城山の大自然

Michaela Klenkova / Shutterstock.com

「篠峯」の造り手、千代酒造は奈良県御所(ごせ)市の小規模な蔵元です。
明治6年(1873年)の創業当初から、100年以上にわたって蔵と同名の「千代(ちよ)」という銘柄を醸してきましたが、近年になって新たな酒造りに挑戦。1995年に「櫛羅(くじら)」、1999年に「篠峯」を開発しました。いずれも少量生産ならではの、こだわりの純米酒として、地酒ファンの注目を集めています。

「篠峯」の蔵元・千代酒造は風土を醸す酒造りで高い評価を得る

「篠峯」の蔵元、千代酒造では、蔵内の井戸から汲み出した葛城山の伏流水を、そのまま仕込み水として使用しています。米にもこだわり、自家栽培の「山田錦」や契約栽培の「雄町」など地元産の米を、県内でも珍しい自社精米で磨き上げています。
奈良盆地の風土を最大限に活かした千代酒造の日本酒は、「全国新酒鑑評会」の金賞を通算16回、2004年からは9年連続で獲得しています。現在では出品をとりやめていますが、こだわりの少量生産で生み出される「篠峯」や「櫛羅」は、依然として高い人気を博しています。

「篠峯」は多彩な米で醸す限定流通品

「篠峯」は多彩な米で醸す限定流通品

出典:千代酒造サイト

「篠峯」は“変化”を感じさせる挑戦の日本酒

「篠峯」は、今から約20年前の1999年に限定流通商品として開発された銘柄。「篠峯」という名は、千代酒造の蔵のすぐ西にある葛城山の別称にちなんだものです。
「篠峯」のコンセプトは、蔵から出荷された後、日本酒に生じる味わいの“変化”を意識し、飲み手にその魅力を伝えること。季節によって表情を変える生酒をはじめ、熟成によって旨味が増すお酒、燗にすることでおいしさを増すお酒、料理との相性で魅力が増すお酒など、さまざまな“変化”をたのしめるラインナップが展開されています。

「篠峯」は多彩な酒造好適米を使い分けて醸す酒

「篠峯」が感じさせる“変化”には、原料米の品種による味わいの違いも含まれます。このため、契約栽培の「山田錦」をはじめ、「雄町」「愛山」など、さまざまな酒造好適米を使用。原料米だけでなく酵母も使い分けることで、幅広い味わいを実現しています。
多様な原料をもとに、冬から翌年の秋まで、季節ごとに豊富なラインナップが展開される「篠峯」は、年間と通じて、常に新たな魅力に出会える銘柄と言えるでしょう。

「篠峯」と並ぶ二枚看板「櫛羅(くじら)」

「篠峯」と並ぶ二枚看板「櫛羅(くじら)」

出典:千代酒造サイト

「篠峯」とともに千代酒造の人気を支える「櫛羅」のこだわり

「篠峯」と並ぶ千代酒造の代表銘柄が「櫛羅」です。「櫛羅」とは、もともと葛城山のふもとの一帯を指す地名で、「気候、土、水、米、すべての面で櫛羅の風土を映し込んだ酒を造りたい」との想いを込めて命名されたものだとか。
「櫛羅」の誕生は1996年のことですが、その歴史は、千代酒造が蔵近くの田で「山田錦」の自社栽培を始めた前年にスタートしています。肥料を控え、農薬もできる限り減らす方法で自社栽培された「山田錦」だけで醸す「櫛羅」は、まさに櫛羅の風土が生んだ酒と言えるでしょう。

「櫛羅」は4種類のラインナップで異なる味わいをたのしめる

「櫛羅」には、純米吟醸酒が2種類、純米酒が2種類と、計4種類をラインナップしています。
「櫛羅 純米吟醸」は、醸してから低温熟成させたもので、瓶燗火入れによる上品な吟醸香が特徴。「櫛羅 純米吟醸 中取り生酒」は、搾りの真んなか部分を別取りした中取りの無ろ過生原酒で、凝縮された旨味がたのしめます。
「櫛羅 純米 一火原酒」は、一回火入れならではのシャープな味わいの純米酒。「櫛羅 純米 無濾過生原酒」は、たっぷりの旨味とほのかな果実香、なめらかな口当たりが魅力です。

「篠峯」「櫛羅」を造る千代酒造の特徴は、地元産の水や米の魅力を活かした、土地の風土を醸す酒造り。季節ごとに表情を変える特別な味わいを、ぜひ、たのしんでみてください。

製造元:千代酒造株式会社
公式サイトはこちら

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