海外向けの日本酒「日本刀(かたな)」ってどんなお酒?

海外向けの日本酒「日本刀(かたな)」ってどんなお酒?
出典 : Anneka/ Shutterstock.com

「日本刀」は、静岡県浜松の老舗蔵、花の舞酒造が海外向けブランドとして開発した日本酒。国内でも、飲食店や販売店を限定して流通しています。日本人の魂を象徴するかのような名を持つ「日本刀」とはどんな日本酒なのか、その秘密に迫ります。

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「日本刀」は海外仕様の日本酒

「日本刀」は海外仕様の日本酒

Vudhikrai/ Shutterstock.com

「日本刀」を造る花の舞酒造とはどんな蔵元?

「日本刀」は、静岡県浜松市に蔵を構える、元治元年(1864年)創業の老舗、花の舞酒造が、海外市場向けに造り出した銘柄です。
花の舞酒造では、蔵と同名の代表銘柄「花の舞」をはじめ、地元浜松の水と米、そして人材にこだわった酒造りで、長きにわたって地元に愛されてきました。浜松の地酒「花の舞」の魅力は、いつしか全国に広がり、海外向けブランド「日本刀」によって世界にも広がろうとしています。

「日本刀」はアメリカ市場にあわせた辛口の日本酒

「日本刀」は、アメリカに販路を持つバイヤーからのオファーをきっかけに開発された海外向けブランドです。「日本刀」の開発にあたっては、バイヤーのアドバイスのもと、味わいからブランド名まで、アメリカ市場を意識した日本酒造りが徹底されました。
アメリカでは辛口が好まれていたことから、「Extra Dry」の超辛口に仕上げた、スッキリ、キリッとした淡麗辛口タイプに。
また、日本らしさをアピールしつつ、アメリカ人が発音しやすく、覚えやすい名前を検討した結果、「日本刀(KATANA)」と名づけられました。

「日本刀」の蔵元、花の舞酒造のチャレンジ精神

「日本刀」の蔵元、花の舞酒造のチャレンジ精神

Kazu Inoue/ Shutterstock.com

花の舞酒造の魅力は、伝統にあぐらをかかないチャレンジ精神

「日本刀」を造る花の舞酒造は、150年以上の歴史を持つ老舗でありながら、その伝統にあぐらをかくことなく、斬新な発想で新たなチャレンジを続ける蔵元です。
たとえば、ワイン酵母を用いた「花の舞Abysse(アビス)」、地元産のヨーグルトを用いた「花の舞ヨールグルト酒」など、日本酒業界の常識を覆す独創的な商品を次々に開発し、日本酒ファンの注目を集めています。

海外市場への開拓精神から生まれた「日本刀」

花の舞酒造のチャレンジ精神は、海外市場の開拓にも発揮されています。
1997年には、いち早く日本酒の海外輸出を開始。当初の輸出先は香港でしたが、その後、中国、台湾、韓国、シンガポール、タイ、ベトナム、オーストラリア、そしてアメリカと、アジアを中心に世界各地に販路を拡大しています。
そうした流れのなか、2003年頃に「日本刀」が誕生したことで、海外展開にさらに弾みがつきました。2014年にはバイヤーに頼らず、自らの手で海外ビジネスを拡大すべく、社内に輸出部を設立。日系食品店や和食店だけでなく、現地の小売店やフレンチ・イタリアンレストランへの展開も含め、さらなる販路拡大を図っています。

「日本刀」の新商品「日本刀PREMIUM」が発売!

「日本刀」の新商品「日本刀PREMIUM」が発売!

kazoka/ Shutterstock.com

「日本刀」が純米大吟醸にグレードアップ!

「日本刀」は純米吟醸酒として開発されましたが、アメリカで「日本刀」を扱う販売代理店から「よりグレードの高い日本酒を提供したい」と要望されたことをきっかけに、2018年に純米大吟醸「日本刀PREMIUM(かたなプレミアム)」が誕生しました。

「日本刀PREMIUM」は、米と酵母にもさらなるこだわりが

「日本刀PREMIUM」は、精米歩合を50%まで引き上げ、雑味を少なくするだけでなく、原料となる米や酵母も見直しました。原料米には“酒造好適米の王様”と言われる「山田錦」を、静岡産にこだわって使用。和食との相性をさらに高めるべく、穏やかな味をもたらす酵母を用いています。

「日本刀」は海外向けに造られた日本酒のため、国内でも販売店限定で流通・販売されているとはいえ、実際に出会う機会は少ないでしょう(製造元の公式サイトにも掲載されていません)。もしお店で出会ったときは、「一期一会」と思って、ぜひ飲んでみてくださいね。

製造元:花の舞酒造株式会社
公式サイトはこちら

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