「水芭蕉(みずばしょう)」ナガイスタイルを世界ブランドへ【群馬の日本酒】
「水芭蕉」の蔵元、永井酒造は、群馬県最北部の川場村において、大自然の恵みを活かしたていねいな酒造りを続けています。日本酒の魅力を世界に広めるべく、その新しい味わい方「ナガイスタイル」を提唱する永井酒造と、その代表銘柄である「水芭蕉」の魅力を紹介します。
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「水芭蕉」の蔵元、永井酒造の酒造り
出典:永井酒造サイト
「水芭蕉」を醸すのは、群馬県の最北部にある利根郡川場村において、明治19年(1886年)から酒造りを続ける永井酒造です。
「水芭蕉」や「谷川岳」など、永井酒造の日本酒の銘柄には、いずれもこの地の“自然美”が表現されています。こうした銘柄名に象徴されるように、大自然の恵みである「水」と「米」、そして職人の「技」の融合こそ、永井酒造の日本酒造りの基本と言えます。
永井酒造では、こうした日本酒造りの文化を世界に広めるには、世界で愛されているワイン造りに学ぶべきと発想。ワイン造りの本場・フランスのシャンパーニュ地方で習得した知識を日本酒造りに応用しました。
こうして生まれたのが、「シャンパン」の製法を活かした「Sparkling(スパークリング) Sake」や、長期熟成された「Vintage(ヴィンテージ) Sake」といった従来の固定観念を覆した日本酒でした。永井酒造では、これら個性の異なる日本酒を料理のコースに合わせて提供する「NAGAI STYLE(ナガイスタイル)」を広く世界に発信し、日本酒の新たな可能性を切り開いています。
「水芭蕉」を支える「水」「米」そして「技」へのこだわり
出典:永井酒造サイト
「水芭蕉」は明治以来の歴史を持つ永井酒造が、平成の時代を迎えて新たに生み出した銘柄です。
培ってきた伝統や技術を大切にする一方で、近代化すべきところは大胆に変革する――こうした発想のもと、水と米と技、すべてにこだわり抜き、ていねいに醸された日本酒が「水芭蕉」です。
「水」へのこだわりは、永井酒造の創業以来の伝統です。そもそも永井酒造が誕生したのも、初代、永井庄治氏が川場村の名水と出会ったことがきかっけでした。
尾瀬の大地でろ過された、清らかな天然水は、「水芭蕉」の清冽な口当たりの源です。この水を守るため、永井酒造では付近の森を自ら買い取り、川場村の自然ごと守る取り組みを続けています。
「米」へのこだわりとしては、兵庫県産の「山田錦」や長野県産の「ひとごこち」など最高級の酒造好適米を、生産者との信頼関係のもとに調達しています。その一方で、ワイン造りにおける「テロワール」(その土地ごとの気候風土に特徴づけられた農産物を酒造りに活かすことなど)に学び、地元・川場村産米を活かした酒造りにも取り組んでいます。
「技」へのこだわりを象徴するのが、1994年に新設された「水芭蕉蔵」です。伝統の技術と先端の設備を融合させたこの蔵で、「吟醸造り」にこだわった酒造りによって、「水芭蕉」は造られています。
「水芭蕉」のラインナップにはスパークリングも
出典:永井酒造サイト
「水芭蕉」のラインナップは、吟醸酒を主体とした定番の「水芭蕉」を軸に、瓶内二次発酵によるスパークリング清酒「MIZUBASHO PURE」、マイナス2度のセラーで10年以上熟成された「水芭蕉VINTAGE」、食後にデザート感覚でたのしめる「水芭蕉DESSERT SAKE」という4つのカテゴリーで構成されています。
それぞれ「ナガイスタイル」では「Still Sake」、「Sparkling Sake」、「Vintage Sake」「Dessert Sake」と位置づけられます。
なかでも注目されているのが、日本で初めてシャンパン製法によって造られた「MIZUBASHO PURE」。シルキーな微細泡と澄んだ味わいは、ナガイスタイルの食前酒としてコース料理を彩っています。
2018年には、「Sparkling Sake」の新たなラインナップとして、川場村産の「雪ほたか」を使った「MIZUBASHO 雪ほたか Awa Sake」を開発しました。「雪ほたか」は川場村の名水で育てられる厳選されたコシヒカリのことで、一般には流通しないことから“幻の米”とも呼ばれています。
この「雪ほたか」を使った「MIZUBASHO 雪ほたか Awa Sake」は、しっかりとした炭酸感と米の旨味がたのしめる1本で、「水芭蕉」に新たな魅力を加えています。
「水芭蕉」は地元・川場村への感謝の気持ちを込めて醸され、世界を見据えた進化を続けています。3つ星レストランでも愛されるナガイスタイルは、ワイングラスでたのしむのがおすすめ。日本酒文化を世界へ届ける「水芭蕉」の魅力を、存分に味わうことができます。
製造元:永井酒造株式会社
公式サイトはこちら
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