【バイオレットリキュール編】リキュールのおいしい飲み方
バイオレットリキュールは、香り高いニオイスミレの花を原料とするリキュール。“飲む香水”とも称される芳香と気品あふれる色彩で、世界の女性をとりこにしているバイオレットリキュールの魅力やたのしみ方を紹介します。
- 更新日:
バイオレットリキュールは写真映えする美しいお酒
Marek Mierzejewski/ Shutterstock.com
バイオレットリキュールは、ニオイスミレを原料とする、世界でも数少ない花のリキュールです。
スミレ属の植物は、世界に約450種ほどありますが、バイオレットリキュールに使われるニオイスミレは、英語名を「スイート・バイオレット」という園芸用のもの。バイオレットリキュールは、「その美しい紫色と香りを写し取った」とたとえられている、エレガントな印象のリキュールです。
バイオレットリキュールの種類は、「パルフェタムール系」と「クレーム・ド・バイオレット系」の2タイプに大別できます。
そのうち、バイオレットリキュールの元祖と伝えられているのが、パルフェタムール。18世紀後半にフランス北東部のロレーヌ地方で生まれ、フランス語で「完全な愛」を意味する「パルフェタムール」と名づけられて、異性を惑わすことができるという宣伝文句とともに広まったといわれています。
パルフェタムールに次いで19世紀に誕生したのが、ニオイスミレの香りを強調し、上品なイメージを打ち出したクレーム・ド・バイオレット。やがて、その流れをくむ商品「クレーム・ド・イヴェット」がアメリカで開発されて人気を呼び、バイオレットリキュールの存在は、広く世界に知られるようになります。
近年は、お酒になじみの薄い人の間でも、その美しい色彩が写真映えすると話題を集めており、リキュールファンのすそ野を広げています。
リキュールのおいしい飲み方【パルフェタムール編】
バイオレットリキュールの種類別おすすめカクテル
Brent Hofacker/ Shutterstock.com
バイオレットリキュールを使うカクテルといえば、「ブルームーン」や「バイオレットフィズ」が定番ですが、そのほかにも数多く知られています。
ここでは、パルフェタムール系とクレーム・ド・バイオレット系、2つのタイプ別に、比較的ポピュラーなカクテルを紹介しましょう。
【パルフェタムール系/アズール】
フランス語で「青系の色」を意味する名のとおり、青紫色が鮮やかなカクテルです。
作り方は、1対2の割合のパルフェタムールとウォッカ、ブルーキュラソー、レモンジュース各小さじ1をシェークして、カクテルグラスに注ぎます。
【パルフェタムール系/パッセンジャーリスト】
ハーブ系のリキュール「シャルトルーズ(シャルトリューズ) ジョーヌ」とスミレの香りが絶妙に調和したカクテルです。
作り方は、同じ分量のブランデー、ジン、パルフェタムール、シャルトルーズジョーヌと、アブサン(ハーブ系リキュール)数滴をシェークして、カクテルグラスに注げば完成です。
【クレーム・ド・バイオレット系/ユニオン・ジャック】
クレーム・ド・バイオレットの豊かな香りをたのしめるシンプルなカクテルです。
作り方は、1対3の割合のクレーム・ド・バイオレットとドライジンを軽くかき混ぜて、カクテルグラスに注げばできあがり。
【クレーム・ド・バイオレット系/オーキッド】
卵白を使うため口当たりがよく、薄い紫色が美しいカクテルです。
作り方は、クレーム・ド・バイオレット20ミリリットルと、ドライジン45ミリリットル、卵白1個分をシェークして、口の広いシャンパングラスに注ぎます。
バイオレットリキュールの人気商品を飲みくらべ
Brent Hofacker/ Shutterstock.com
バイオレットリキュールは、ヨーロッパを中心とする数々のメーカーが手がけています。そのなかでも、国内でよく見られるものを紹介しましょう。
【ボルス パルフェタムール】
オランダのリキュールメーカー、ボルス社が開発したパルフェタムール。スミレをはじめ、バラやオレンジ、ほのかなバニラの芳香も相まった、うっとりするような香りが魅力。シャンパンやスパークリングワインと合わせるカクテルでも親しまれています。
【マリー・ブリザール パルフェタムール】
フランスのリキュールメーカー、マリー・ブリザール社が造るパルフェタムール。青みがかった美しい深紫色で人気が高く、カクテルに使うと、鮮やかな色彩をたのしめます。
【テンパス・フュージット リキュール・ド・ヴァイオレット】
スイスのリキュールメーカー、テンパス・フュージット社が手がけるクレーム・ド・バイオレット。コートダジュール産のニオイスミレを原料としており、そのレシピは、19世紀にフランスで考案されたものがベースなのだとか。
バイオレットリキュールのたのしみ方は、カクテルだけでなく、シンプルなストレートやオン・ザ・ロックも広く親しまれています。お酒が好きな人なら、ダイレクトにその香りや色合いを味わってみてはいかがでしょう。