佐賀の焼酎【菱娘 (ひしむすめ)】日本初のひし焼酎は女性に大人気の逸品
「菱娘」は、葉が水面に浮かぶ水草“菱(ひし)”から造られる、日本初にして日本唯一の“ひし焼酎”。ソフトな飲み口でキレもある飲みやすい1本ですが、原料の菱の実自体が希少で入手が困難なことから“幻の焼酎”とも呼ばれています。そんな「菱娘」の魅力を紹介しましょう。
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「菱娘」は菱の実で造る日本で初めての“ひし焼酎”
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「菱娘」は日本初の“ひし焼酎”として1982年に誕生しました。その生みの親は、寛永17年(1640年)創業の老舗、田中酒造ですが、2013年に大和酒造と事業統合し、現在は大和酒造が製造・販売しています。
「菱娘」が誕生したきっかけは、米の生産過剰に対応するための減反政策(2018年に廃止)の一環として、佐賀の農家で水田から菱栽培への転換が検討されたことでした。
菱はハスのように葉が水面に浮かぶ水草の一種。その果肉である「菱の実」は、日本ではあまり馴染みがありませんが、中国などアジアでは食卓に並ぶ食材です。
この菱の実の活用法が模索されるなか、地元の酒販会社から相談を受けたのが、田中酒造でした。菱の実を原料とした酒造りができないかと考えた末に、粉末にして米麹で発酵させ、減圧蒸溜で仕上げることで、日本初のひし焼酎「菱娘」が完成したのです。
「菱娘」は酒蔵のこだわりが生きた逸品
出典:大和酒造サイト
「菱娘」の蔵元、大和酒造は昭和50年(1975年)設立という比較的新しい会社ですが、じつは佐賀県内の歴史ある4つの蔵元が合併して立ち上げた酒造メーカーです。
各蔵元で長年にわたり受け継がれてきた酒造りの技と心を結集しつつも、新しい技術や発想を積極的に取り入れる姿勢が、大和酒造の強み。
たとえば、1999年には竹炭ろ過の本格焼酎「竹伝説」を全国に先駆けて発売。2009年には佐賀県産いちご「さがほのか」を丸ごと清酒に漬け込んだ「いちごリキュール さがほのか」を開発したりと、酒造りの新たな可能性を探求し続けてきました。
その後、2013年に田中酒造が事業統合という形で加わり、「菱娘」の製造を開始しました。
大和酒造のこだわりは、地元佐賀県の原料へのこだわりと、地下200メートルから汲み上げた清らかな水、そして5つの蔵元が時代を超えて受け継いできた心と技。これら3点が、大和酒造の酒造りの根底にある“真髄”であり、「菱娘」の製造にもしっかりと反映されています。
菱の実に特有の甘い香りと、まろやかな口当たり、すっきりとした味わいが特徴の「菱娘」は、一度飲み始めたらやめられなくなる、クセになる1本です。
「菱娘」の入手方法
出典:大和酒造サイト
「菱娘」は、原料となる菱の実そのものが希少なうえに、無農薬栽培された菱の実だけを使用していることから、生産量が非常に少ないのが特徴。佐賀県のみの地域限定で販売されていて、入手が困難なことから“幻の焼酎”とも呼ばれています。旅行や出張などで佐賀県に立ち寄った際には、逃さずゲットしたいものです。
ネット通販でも取扱店舗が少ないため、佐賀以外の地域で手に入れるのは、なかなか困難です。見つかったとしても、取り寄せるには本体以上の送料が発生する可能性もありますが、まったく流通していないわけではないので、マメにチェックしてみてください。
そこで注目したいのが、大和酒造の公式サイト。ここではファックスによる注文を受け付けています。振込手数料(または代引き手数料)や送料はかかりますが、「ぜひ飲んでみたい! 」という人は、こちらも試してみてください。
「菱娘」はお酒を飲み慣れていない人でもたのしめる飲みやすい1本。「“幻の焼酎”を飲んでみたい! 」という女性にもおすすめです。
製造元:大和酒造株式会社
公式サイトはこちら