カカオリキュールのおいしい飲み方【リキュール】
カカオリキュールは、その名のとおり、カカオ豆を原料にしたリキュール。チョコレートを思わせる甘くまろやかな風味で、女性を中心に広く親しまれています。同じカカオを原料にしていても多彩なタイプがあり、選ぶのもたのしいカカオリキュールの魅力に迫ります。
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カカオリキュールは風味豊かなお酒
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カカオリキュールは、チョコレートやココアの原料としてもおなじみのカカオ豆を使い、糖類や香料を加えて造られる種子系リキュールの一種。深いコクと濃厚な甘味が魅力で、とりわけ女性から高い人気を得ています。
原料となるカカオ豆の産地としてはアフリカや中南米がよく知られていますが、カカオリキュールの産地はヨーロッパが主体。フランスをはじめ、ヨーロッパ各地で多彩なカカオリキュールが造られているため、その起源は定かではありません。
オランダの大手リキュールメーカー、ボルス社のカカオリキュール「ボルス ユイル・ド・カカオ」をはじめ、いくつかの商品が1800年代に登場していることから、19世紀にはすでにヨーロッパで親しまれていたものと考えられます。
一方、カカオリキュールと混同されやすいお酒に、コーヒーリキュールやチョコレートリキュールがあります。とくにチョコレートリキュールは、同じカカオ豆を原料とするだけに、違いがわからないという人も少なくないようです。
チョコレートリキュールは、カカオリキュールにクリームが加えられた、いわばカカオリキュールのアレンジバージョン。20世紀末に登場した、比較的新しいリキュールですが、ヨーロッパを中心に「チョコレート・フレーバード・リキュール」という新たなジャンルのリキュールとして、注目を集めています。
クラシカルなカカオリキュールと、モダンなチョコレートリキュール。飲みくらべて、それぞれの魅力をたのしむのもオススメです。
カカオリキュールは食後のひとときにおすすめ
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カカオリキュールのポピュラーなたのしみ方のひとつが、食後やお酒を飲んだ後、デザート代わりに味わう「デザートカクテル」。
そこで、カカオリキュールの濃厚な甘味を活かしたデザートカクテルをいくつか紹介します。
【キング・アルフォンソ】
スペインの国王アルフォンソ13世の名を冠したカクテルです。
キング・アルフォンソは、材料の比重の違いを利用して、グラスのなかに材料を重ねて層を作る「プースカフェスタイル」のカクテルですが、材料はたったの2つ。簡単に試せます。
作り方は、グラスにカカオリキュール45ミリリットルを注いだ後、生クリーム15ミリリットルを静かに加えるだけ!
【アレクサンダー】
その名の由来には諸説ありますが、一説には、19世紀半ばのイギリス皇太子妃アレクサンドラにちなむといわれています。
ベースにジンを使うなど、多様なレシピが知られていますが、ブランデーベースで作ると、奥行きのある味わいを堪能できます。
作り方は、2対1対1の割合のブランデーとカカオリキュール、生クリームをシェークして、カクテルグラスに注ぐと完成です。
【カフェ・カカオ】
コーヒーの芳ばしい香りと、カカオリキュールの豊かな甘味は相性バッチリ。この2つを合わせたアレンジコーヒーは数多く知られますが、とくに簡単なのがカフェ・カカオです。
作り方は、カップに濃いめのホットコーヒー150ミリリットルと、カカオリキュール15ミリリットルを注いで軽くかき混ぜ、ホイップクリームを適量トッピングすればできあがり。
カカオリキュールの2大定番を飲みくらべ
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カカオリキュールの種類はじつに多彩ですが、そのなかでも2大定番として親しまれている商品を紹介しましょう。
【ボルス クレーム・ド・カカオ ブラウン/ クレーム・ド・カカオ ホワイト】
前述のボルス社が「ボルス ユイル・ド・カカオ」に次いで生み出した、2タイプのカカオリキュール。
「ブラウン」は、カカオ豆を熱湯に循環させて香味を抽出し、コクのある豊かな風味を実現。「ホワイト」は、蒸溜で造られた透明のリキュールで、クリーミーな風味が魅力です。
なお、「クレーム・ド」とは、EUの品質規定により、糖分が1リットルあたり250グラム以上含まれるリキュールにのみ、冠することができる名称。クリームのような濃厚な甘味を表しています。
【マリーブリザール カカオ・ブラウン】
フランスのリキュールメーカー、マリーブリザール社のカカオリキュール。アフリカ産のカカオ豆と、マダガスカル産のバニラを使った甘い香りが際立つ人気の商品です。
カカオリキュールは、カクテルのほかにも、製菓材料に利用したり、アイスクリームなどのデザートと合わせたりと、幅広く活用できるリキュール。一度手に入れて、お気に入りのたのしみ方を探してみてはいかがでしょう。